ST27.大巨(だいこ)

取穴部位:天枢穴の下2寸、石門穴の外2寸、神闕穴の高さより下2寸で正中線から外方2

筋肉:腹直筋

運動神経:肋間神経

知覚神経:肋間神経前皮枝

血管:浅腹壁動脈下腹壁動脈

解剖学的データ

筋肉

腹直筋

恥骨の恥骨結合部および恥骨結節上縁から起こり、第5~第7肋軟骨と剣状突起に停止する筋肉。主に体幹部を屈曲・回旋・側屈させる働きがあり、呼吸にも関与する。

運動神経

肋間神経‐筋枝

胸神経前枝のことで、肋間動静脈とともに肋間を走行する神経。肋間神経からは、外肋間筋・内肋間筋・最内肋間筋・肋下筋・胸横筋・内腹斜筋・外腹斜筋・腹横筋・腹直筋・錐体筋・肋骨挙筋・上後鋸筋・下後鋸筋を支配する筋枝が出る他、前胸部から体表に出て知覚を司る前皮枝、体幹の外側で体表に出て知覚を司る外側皮枝が分岐する。第2もしくは第1・第3肋間神経外側皮枝は肋間上腕神経の一部となる。

知覚神経

肋間神経‐前皮枝

胸神経前枝のことで、肋間動静脈とともに肋間を走行する神経。肋間神経からは、外肋間筋・内肋間筋・最内肋間筋・肋下筋・胸横筋・内腹斜筋・外腹斜筋・腹横筋・腹直筋・錐体筋・肋骨挙筋・上後鋸筋・下後鋸筋を支配する筋枝が出る他、前胸部から体表に出て知覚を司る前皮枝、体幹の外側で体表に出て知覚を司る外側皮枝が分岐する。第2もしくは第1・第3肋間神経外側皮枝は肋間上腕神経の一部となる。

血管

浅腹壁動脈

下腹壁動脈

大腿動脈から起こり、皮下を上行し鼠径靱帯を越え、さらに前腹壁の皮下を上に向かい、臍の高さで上腹壁動脈の枝と吻合する動脈。

下腹壁動脈 (かふくへきどうみゃく)

外腸骨動脈から起こり、下腹を上行したのち臍の上で上腹壁動脈と交通する動脈。主に腹直筋などを栄養している。

主治・対象疾患

生理不順

生理痛

尿漏れ

尿閉

頻尿

尿路痛

尿管結石

膀胱炎

胃下垂

腸けいれん

腹鳴

下腹部の脹り

腹部痛

子宮筋腫

子宮けいれん

子宮内膜炎

卵巣炎

卵管炎

むくみ

虫垂炎(右大巨のみを使用)

下痢

便秘(左大巨のみを使用)

不妊症

副睾丸炎

不眠症

 

 

部位

へその下2寸。ただし、へそと恥骨稜の間を5寸とする。

効能

消化不良、大腸炎、子宮けいれん、子宮内膜炎、月経不順などに効く。

筋肉・神経・血管

知覚神経は肋間神経前皮枝、動脈は浅腹壁動脈下腹壁動脈が通る

名前の由来

書物によっていろいろな説が載っているが、こじつけのようなものが多い。「石」と「食」が同音であり、三焦が消化機能に関係しているところから、「食門」がなどの問題で、同音の石門に書き換えられたのではないかとされる。

その他

手の少陽三焦経募穴であるが、「三焦」という概念が今ひとつわかりにくく、重要な経穴ではあるが、さほど重要視されていない。

婦人病に効果があるといいながらも、古典には、この穴に鍼すると、胎児が流産・死産することがあり、婦人への刺鍼は不可とされる。このため、妊娠の可能性のある年齢の婦人には、ここへ治療しない方が無難であると書いてある本が多い。

主治・対象疾患

生理不順

生理痛

尿漏れ

尿閉

頻尿

尿路痛

尿管結石

膀胱炎

胃下垂

腸けいれん

腹鳴

下腹部の脹り

下腹部痛

子宮筋腫

子宮けいれん

子宮内膜炎

卵巣炎

卵管炎

むくみ

虫垂炎(右大巨のみを使用)

下痢

便秘(左大巨のみを使用)

不妊症

副睾丸炎

不眠症