ST25.天枢(てんすう)
取穴部位:臍の外2寸 要穴:大腸経の募穴 筋肉:腹直筋 運動神経:肋間神経 知覚神経:肋間神経前皮枝 |
アレルギー疾患, 禁鍼穴, 過敏性腸症候群, 胸腹神経, 足陽明胃経, 募穴「瀉実」, 大腸, 妊婦禁灸, 消化器疾患
天枢(てんすう) ST25)天枢(tian1shu1)(てんすう)・ 長谿・穀門・谷門・循際・長谷・大腸募・補元・循元 【取穴】 上腹部、臍中央の外方二寸。 ・筋肉:腹直筋鞘 Rectus sheath ・運動神経:胸腹神経(T10) Thoracoabdominal nerves ・知覚神経:胸腹神経前皮枝(T10) Anterior cutaneous branches of Thoracoabdominal nerves ・血管:浅腹壁動脈・下腹壁動脈 ※モリス点(虫垂炎の診断点)に近い。 【名の由来】 「(天)枢=北斗七星の第一星」。正星であって陽徳を司り天子の象徴とされる。古代、臍を中心にその上下を天地に対応させていた為、本穴が臍の傍、天地の境に在る様を「天枢星」に喩えて。 【要穴】 『大腸募穴』 『魂魄之舎?』 【作用】 〔補〕温陽固腸・調中和胃 〔瀉〕通腸導滞・腸道温通・清熱通便・理気健脾 【弁証主治】 ◆中焦(胃/大腸)病 消化器症状、排便異常・アレルギー疾患・黄疸・脈浮緩など・05:00~07:00あるいは17:00~19:00の異常など ◆腎病 成長発育不全・泌尿器、婦人科疾患・腰痛など ◆足陽明経病 不安障害・躁鬱・パニック症候群・注意欠陥多動性障害、統合失調症など 【主症主治】 腹筋のこわばりや痙攣・臍周辺の鋭い痛み 【弁証配穴】 『兪募配穴(大腸):大腸兪+天枢』…大腸病 『募合配穴(大腸):天枢+上巨虚・曲池』…大腸実証〔瀉法〕 『原募配穴(手陽明経):合谷+天枢』…手陽明経病 【主症配穴】 +環跳〔瀉〕…半身不随〔天枢は補〕 +陰陵泉…回虫症 +水泉…経遅・閉経 【私見】 ・難経第三十一難には、中焦の病を治す場として「臍傍」としている。 ・和漢三才図会には「禁鍼・妊婦禁灸」とあるが、臨床上、鍼を使って問題はなかった。妊婦に対しては要注意。 ・本穴の皮膚分節はT10に由来する。背部の【中枢】・【胆兪】・【濁浴】【陽網】などともリンクするか? ・「天」の字がつくツボは、リンパ系の走行に多く分布している。免疫系への治療効果を期待できるかも。近年、アレルギー疾患と腸内環境の因果関係は立証されてきており、そういった意味からも本穴は重要になると思う。
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解剖学的データ
主治・対象疾患 |