ST20.承滿(しょうまん)

取穴部位:天枢穴の上5寸、上脘穴の外2寸、神闕穴の高さより上5寸で正中線から外方2

筋肉:腹直筋

運動神経:肋間神経

知覚神経:肋間神経前皮枝

血管:肋間動脈上腹壁動脈

 承満(しょうまん)

場所

ミゾオチの中央から指幅4本分下がり、さらに指幅3本分外側の場所になります。

効能

食べ過ぎで胃がムカムカする時、胃がつかえるような感じがする時、嘔吐時、胃痛や胃炎など胃の疾患、肋間神経痛、胃潰瘍などに効果があります。

押し方

左右両方の手で同時に人差し指、中指、薬指の腹で押し込むようにしましょう。気持ち良いくらいの強さで背中の方に向かってゆっくり息を吐きながら1020秒間くらい押し、押している手を緩めて(体から離さないように)緩めた状態で大きく深呼吸を10秒間します。これを1セットとして35セット行って下さい。

関連カテゴリー

ST20)承満(cheng2man3)(しょうまん)

【取穴】

上腹部、臍中央の上方五寸、前正中線の外方二寸。

※ST25)天枢の上方五寸、ST19)不容の下方一寸、CV13)上脘の外方二寸にある。

【名の由来】

「承=受納」。本穴が不容の下にあり、胃中の水穀がここまでくれば満タンであるとの意。

【作用】  〔瀉〕調理胃気

【弁証主治】 陽明経病  躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症など

【主症主治】  嚥下困難・呼吸困難

主治・対象疾患

腹部の脹り

腹痛

嘔吐

吐き気

食欲不振

胸脇苦満

心胸苦満

胃酸過多

胃けいれん

胃潰瘍

肋間神経痛

喘息

胸脇痛

心胸痛

心臓弁膜症

心内膜炎

心筋炎

心不全

動悸

不整脈

狭心症

 解剖学的データ

筋肉腹直筋

腹直筋 (ふくちょくきん)

恥骨の恥骨結合部および恥骨結節上縁から起こり、第5~第7肋軟骨と剣状突起に停止する筋肉。主に体幹部を屈曲・回旋・側屈させる働きがあり、呼吸にも関与する。

運動神経  肋間神経‐筋枝

肋間神経 (ろっかんしんけい)

胸神経前枝のことで、肋間動静脈とともに肋間を走行する神経。肋間神経からは、外肋間筋・内肋間筋・最内肋間筋・肋下筋・胸横筋・内腹斜筋・外腹斜筋・腹横筋・腹直筋・錐体筋・肋骨挙筋・上後鋸筋・下後鋸筋を支配する筋枝が出る他、前胸部から体表に出て知覚を司る前皮枝、体幹の外側で体表に出て知覚を司る外側皮枝が分岐する。第2もしくは第1・第3肋間神経外側皮枝は肋間上腕神経の一部となる。

知覚神経

肋間神経‐前皮枝

血管肋間動脈

肋間動脈 (ろっかんどうみゃく)

最上肋間動脈・胸大動脈から起こり、肋骨の下縁(肋間)に沿って走る動脈のこと。肋間動脈の起始部近くからは背枝が出ており、さらに背筋を栄養する筋枝、脊髄を栄養する脊髄枝、背部の皮膚を栄養する皮枝に分かれる。また肋間動脈が内肋間膜を貫通すると側副枝が出ており、下位の肋骨の上縁に沿って走る。胸郭の外側部では外側枝が出ており、さらに前枝と後枝に分かれ胸郭外側壁の皮膚に栄養するが、前枝からは乳腺枝が出て乳腺も栄養する。 

上腹壁動脈

上腹壁動脈 (じょうふくへきどうみゃく)

内胸動脈から起こり、腹直筋の後面を下行し、臍の高さで外腸骨動脈の枝である下腹壁動脈と吻合する動脈。主に腹部の筋肉や横隔膜の一部を栄養している。