P11.箕門(きもん)

取穴部位:大腿前内側にあり、膝蓋骨内上角の上8寸、縫工筋大腿直筋の間

禁鍼穴

筋肉:縫工筋大腿直筋内側広筋

運動神経:大腿神経

知覚神経:大腿神経前皮枝

血管:大腿動脈

SP11.箕門(きもん)

大腿前内側にあり、膝蓋骨内上角の上8寸、縫工筋と大腿直筋の間に取る。

解剖学的データ

筋肉

内側広筋

大腿骨粗線から起こり、脛骨粗面に停止する筋肉。主に膝関節を伸展させる働きがある。

大腿直筋

大腿四頭筋の1つで、下前腸骨棘から起こり、脛骨粗面に停止する筋肉。主に股関節を屈曲、膝関節を伸展させる働きがある。

縫工筋

上前腸骨棘から起こり、半腱様筋・薄筋とともに鵞足を構成して脛骨粗面内側部に停止する筋肉。主に股関節を屈曲・外転・外旋、膝関節を屈曲・内旋させる働きがある。

運動神経

大腿神経筋枝

腰神経叢の第1~第4腰神経から起こる神経。大腿神経は、大腿四頭筋・大腰筋・縫工筋・恥骨筋などの筋肉を支配する筋枝、大腿前面の皮膚の知覚を司る前皮枝、股関節や膝関節の知覚を司る関節枝、膝関節下部~下腿内側の知覚を司る伏在神経に分かれる。。

知覚神経

大腿神経前皮枝

腰神経叢の第1~第4腰神経から起こる神経。大腿神経は、大腿四頭筋・大腰筋・縫工筋・恥骨筋などの筋肉を支配する筋枝、大腿前面の皮膚の知覚を司る前皮枝、股関節や膝関節の知覚を司る関節枝、膝関節下部~下腿内側の知覚を司る伏在神経に分かれる。。

血管

大腿動脈

外腸骨動脈から起こり、鼠径部から膝へ下行する動脈。主に大腿部全体の皮膚や筋肉を栄養している。

主治・対象疾患

大腿内側痛

大腿内側の知覚障害

大腿の運動障害

鼠径リンパ節腫脹

下腹部痛

下腹部の脹り

子宮筋腫

子宮けいれん

子宮内膜炎

坐骨神経痛

レイノー病

脱肛

尿閉

腹水

 

箕門は、足の太陰脾経の11番目のツボです。 ツボの取穴部位は、大腿内側、膝蓋骨底内端と衝門を結ぶ線上、衝門から3分の1、縫工筋と長内転筋の間、大腿動脈拍動部になります。太もも内側(親指側)で、膝の上へりから足の付け根に向かってまっすぐ指の幅10本分上で脈を感じ取れるところで探してみてください。 

箕門の名前の由来は、星座からきているとされています。古代中国で「箕星」という星座が、箕門穴の取穴時に膝を曲げて足を外展させた姿に似ていることからこの名がついたといわれています。箕門の効果効能は、尿道炎・尿失禁・鼠径部(そけいぶ)の痛みに対して効果があります。また、婦人科疾患、鼠径ヘルニアなどの症状を和らげる効果があります。更に坐骨神経痛、脱腸、腹水にも有効とされ、その他、男女の生殖器の病気や足の静脈瘤、痔などの改善に役立ちます。

箕門を押す際には、両手の親指を重ねて円を描くように操みます。右回り、左回りに各10回ずつ、それぞれ3~5セット位行います。また、肉離れの処置の場合は、その急性痛がおさまってからじっくり押し揉みすると効果的です。もし、即効的に利尿を作用を促したい場合は、大腿の前内側を片手の手掌で軽く下から上へと擦ります。もちろんいつも紹介している通り、家庭灸や温熱灸療法も効果的です。尿漏れや尿失禁は自分とは関係ないと思いの方が多いとは思いますが、ご自身はまだまだ大丈夫でも高齢のご家族がいる方や、介護の必要な方が身近にいらっしゃる方は、ぜひ、お試しください。ただ、触ってみるとわかると思いますが、意外と硬くなっている部分でもありますので、押すときの強さには十分にご注意ください!!【取穴】

大腿内側、膝蓋骨底内端とSP12)衝門を結ぶ線上、SP12)衝門から1/3、縫工筋と長内転筋の間、大腿動脈拍動部。

・筋肉《支配神経》:縫工筋 Sartorius《大腿神経(L2.3) Femoral nerve》・長内転筋 Adductor longus《閉鎖神経(L2.3.4) Obturator nerve》

・感覚神経:大腿神経前皮枝 Anterior cutaneous branch of Femoral nerve

・血管:大腿動脈 Femoral artery

【名の由来】  「箕=星座の名」。本穴を取穴する際の姿勢が「箕星」に似ている事から。

【作用】  〔補〕健脾利湿

【弁証主治】 ◆足太陰経病

婦人科疾患・貧血、血液疾患・嚥下困難・心窩部痛・胃腸虚弱・脈浮緩・09:00~11:00あるいは21:00~23:00の異常など

【主症主治】 鼠径部痛・股関節痛・排尿障害・尿漏れ・下肢静脈瘤

【私見】

・「禁鍼穴」とある。

・婦人科疾患(不妊など)には効果が高い様子。ある報告では女性ホルモンと大腿四頭筋および膝の構成靭帯の硬度には相関の可能性があることが示唆されている。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/23/4/23_4_509/_pdf

・大腿部の穴を婦人科系に用いるのは、有意義であるかもしれない。