SP8.地機(ちき)

取穴部位:内果の上10寸、脛骨内側縁の骨際

要穴:郄穴

筋肉:ヒラメ筋

運動神経:脛骨神経

知覚神経:伏在神経

血管:後脛骨動脈

 

 内果の上8寸、脛骨内側縁の骨際に取る。

P8)地機di4ji1)(ちき)・脾舎・地箕

【取穴】

下腿内側(脛側)、脛骨内縁の後側、SP9)陰陵泉の下方三寸。

内果尖と膝蓋骨尖を結ぶ線上で、膝蓋骨尖から1/3にある。

【名の由来】

「地=坤」「機=変化」。本穴が婦人科疾患に著効があり、その働きが大地の生命の流転に似る事から。

【要穴】

『足太陰経郄穴』

【作用】〔通〕調和営血

【弁証主治】

太陰経の血病(血虚証)

萎縮性舌炎・咳嗽・喘息(起坐呼吸)・嚥下困難・胸苦しさ・鎖骨窩痛・心窩部痛・肘痛・掌の火照り・手指のマヒ・両手を交えてもだえる・婦人科疾患など

【弁証配穴】

『郄会配穴(血):隔兪+梁丘・地機』血病

【主症配穴】

+中封生理不順・生理痛(気滞性)

【症例/個人的見解】

・陰経の郄穴は、手足同名経の血病を主治する。

・穴名からも子宮環境の改善に効果があると考えられる。

解剖学的データ

筋肉

ヒラメ筋

腓骨頭と腓骨の後面上部1/3、脛骨のヒラメ筋線および腓骨頭と脛骨の間に張るヒラメ筋腱弓から起こり、腓腹筋と結合しアキレス腱(踵骨腱)として踵骨隆起に停止する筋肉。主に足関節を底屈させる働きがある。

運動神経

脛骨神経‐筋枝

坐骨神経から起こり、脛骨の内側を下行する神経。脛骨神経からは、大腿二頭筋(長頭の下1/3)・半膜様筋(下1/3)・半腱様筋(下1/3)・腓腹筋・ヒラメ筋・膝窩筋・長趾屈筋・長母趾屈筋を支配する筋枝、後脛骨筋を支配、下腿上部内側の皮膚の知覚を司る内側腓腹皮神経、脛骨骨膜・距腿関節・脛腓関節の知覚を司る下腿骨間神経、踵骨部内側の皮膚の知覚を司る内側踵骨枝、足底の筋肉の支配や知覚を司る内側足底神経・外側足底神経が分岐する。

知覚神経

伏在神経‐内側下腿皮枝

伏在神経から分岐する枝で、下腿内側および足背内側縁の知覚を司る。

血管

後脛骨動脈

膝窩動脈の2つの終枝の1つで、ヒラメ筋腱弓のやや下方で膝窩動脈が前脛骨動脈を分岐するところから、内側足底動脈と外側足底動脈に分岐するまでをいう。内果の後方でその拍動を感じ取ることが出来る。

主治・対象疾患

下腿内側痛

下腿内側の知覚障害

下腿の運動障害

おりもの過多

月経過多

月経過少

不正性器出血

無月経

更年期障害

生理痛

生理不順

のぼせ

下腹部

下腹部の脹り

子宮筋腫

子宮けいれん

子宮内膜炎

腹部の脹り

腹痛

消化不良

下痢

腰痛

胃酸過多

胃潰瘍

胃カタル

腸カタル

腓腹筋けいれん(こむら返り)

アキレス腱炎

踵(かかと)の痛み

黄疸

糖尿病

脚気

むくみ

リウマ