SP6.三陰交(さんいんこう)

取穴部位:内果の上際の上3寸、脛骨内側縁の骨際、脛骨内側顆の下際から下5

筋肉:後脛骨筋長趾屈筋

運動神経:脛骨神経

知覚神経:伏在神経

血管:後脛骨動脈

SP6.三陰交(さんいんこう)

SP6)三陰交(san1yin1jiao1)(さんいんこう)・太陰・下三里・承命・手一束

【取穴】

下腿内側(脛側)、脛骨内縁の後側、内果尖の上方三寸。

※KI8)交信の上方一寸にある。

【名の由来】

本穴にて足三陰経が全て交会する事から。

【要穴】

『標本:足太陰之本(中封の前上四寸之中)/足少陰之本?(内踝下の上三寸中)』

【交会】

・経絡(3):足三陰経

※三陰交は元来、足厥陰肝経の穴であったとする説もあり。

【作用】

〔補〕健脾摂血・補血育陰・調補肝腎

〔瀉〕『水兪五十七処“太衝”/通利三焦・活血化瘀・疏肝涼血』

【弁証主治】

◆三陰経(筋)病/血病(虚実とも)

貧血、血液疾患(出血傾向、萎縮性舌炎、萎縮性胃炎)・自律神経失調症(下半身の冷え、痛み)・肝機能障害・性欲の異常、泌尿器、婦人科疾患・更年期障害・老化症状など

心窩部痛・脇腹~臍の引きつれ・背深部の痛み・腰痛・股関節痛・内股のひきつれ・O脚・下腿内側痛・内踝痛・母趾痛・足底痛・歩行困難など

【主症配穴】

『回陽九針穴法:瘂門⇒労宮⇒三陰交⇒湧泉⇒太渓⇒中脘⇒環跳⇒足三里⇒合谷/蘇生法?』

+気門+血海…機能性子宮出血〔三陰交-血海をパルス通電〕

+会陰…昏倒〔瀉法〕

+懸鐘…高血圧〔瀉法〕

+腎兪…腎・尿路結石

+神闕〔灸〕…排尿障害〔三陰交は瀉〕

+商丘…便秘 〔三陰交は灸30壮〕

【症例/個人的見解】

・『水兪五十七処の“太衝”』に数えられる。中でも本穴は「血の要穴(全身)」であることから、その主治もほぼ無限に近い。そのため弁証にて用いることが大切である。

・特に婦人科疾患に対して必須。西洋医学的にも、性ホルモンに対する調整作用が認められたとの報告がある。

夏は案外、身体が冷える季節です。乗り物やレストランでじっと冷房に耐えるしかない場合もあります。ビールやジュースといった冷たい飲物から身体を冷やすこともあります。それが夏風邪や夏バテの原因となり、下痢や食欲不振、生理痛を引き起こすきっかけとなります。

そこでまず、身体の変化を観察してみて下さい。冷房の中で無意識に足首を組んでいませんか。それは、身体が冷えてきた最初のサインです。なぜなら、足首の内側には「三陰交(さんいんこう)」という冷えのツボがあるからです。人は自然に冷えに反応して、このツボを冷えから守ろうと行動するのです。ルーズソックスやブーツの流行も、ミニスカートで冷えることと無関係ではありません。冷えに敏感な部分を温める防衛本能の表れでしょう。夏場といえども「三陰交」が隠れるソックスがお勧めです。

実際、身体が冷えている時の「三陰交」は、ツボ自体も冷たく、力がありません。下痢、生理痛、頭痛などと共に、全身倦怠、食欲不振といった夏バテ症状もみられます。息を吐きながら、ゆっくり「三陰交」を押してみて下さい。痛みがあれば、足ばかりか腹部もかなり冷えていると考えます。

そのような時は胃腸の働きが低下しており、身体を温める力が十分発揮できずにいるのです。食物にはそれぞれ常温でも身体を冷やす性質(涼・寒)、温める性質(温・熱)がありますので要注意です。身体が冷えている時は果物ならスイカ(寒)よりモモ(温)を、ごちそうならカニ(寒)よりエビ(温)を選ぶと良いでしょう。

三陰交(さんいんこう)

【探し方】

内くるぶしの頂点から指幅4本分上がったところで、骨と筋肉の境目

【ポイント】

ゆっくり息を吐きながら静かに押して、息を吸いながら離します。
目安としては、一度に続けて3回程度押すと良いでしょう。
押す力は控えめに。温灸も効果的です。

 内果の上3寸、脛骨内側縁の骨際に取る。

解剖学的データ

筋肉

後脛骨筋

下腿骨間膜および脛骨と腓骨の隣接する面から起こり、内果の後ろを下行して2本の索に分かれた後、内側の太い索は舟状骨粗面、外側のやや細い索は3個の楔状骨(距骨を除く他の足根骨にも)で停止する筋肉。主に足関節の底屈、内反を行う。

長趾伸筋

腓骨内側面・脛骨外側顆・下腿骨間膜から起こり、第2~5趾の指背腱膜に移行して中節骨・末節骨に呈してる筋肉。主に第2~5趾を伸展させ、足を背屈・外反させる作用がある。

運動神経

脛骨神経筋枝

坐骨神経から起こり、脛骨の内側を下行する神経。脛骨神経からは、大腿二頭筋(長頭の下1/3)・半膜様筋(下1/3)・半腱様筋(下1/3)・腓腹筋・ヒラメ筋・膝窩筋・長趾屈筋・長母趾屈筋を支配する筋枝、後脛骨筋を支配、下腿上部内側の皮膚の知覚を司る内側腓腹皮神経、脛骨骨膜・距腿関節・脛腓関節の知覚を司る下腿骨間神経、踵骨部内側の皮膚の知覚を司る内側踵骨枝、足底の筋肉の支配や知覚を司る内側足底神経・外側足底神経が分岐する。

知覚神経

伏在神経内側下腿皮枝

膝窩動脈の2つの終枝の1つで、ヒラメ筋腱弓のやや下方で膝窩動脈が前脛骨動脈を分岐するところから、内側足底動脈と外側足底動脈に分岐するまでをいう。内果の後方でその拍動を感じ取ることが出来る。

血管

後脛骨動脈

膝窩動脈の2つの終枝の1つで、ヒラメ筋腱弓のやや下方で膝窩動脈が前脛骨動脈を分岐するところから、内側足底動脈と外側足底動脈に分岐するまでをいう。内果の後方でその拍動を感じ取ることが出来る。

主治・対象疾患

おりもの過多

月経過多

月経過少

不正性器出血

無月経

更年期障害

生理痛

生理不順

のぼせ

下腹部痛

下腹部の脹り

子宮筋腫

子宮けいれん

子宮内膜炎

月経困難症

出血傾向

消化不良

自律神経失調症

冷え性

脚気

認知症

疲労感

堕胎

避妊

不妊症

食欲不振

ED(勃起不全)

うつ症状

リウマチ

腎炎

膀胱炎

尿道炎

夜尿症

胃炎

腹鳴

下痢

下腿内側痛

下腿内側の知覚障害

下腿の運動障害

アレルギー