SP4.公孫(こうそん)

取穴部位:足部内側で、第1中足骨底部前下縁の陥凹中、肌目

要穴:絡穴

筋肉:母趾外転筋前脛骨筋

運動神経:内側足底神経深腓骨神経

知覚神経:伏在神経

血管:足背動脈の枝

筋肉

前脛骨筋腱

前脛骨筋の腱で、内側楔状骨と第1中足骨の足底面で停止する付近でみられる。

母趾外転筋

踵骨隆起の内側突起・屈筋支帯および足底腱膜から起こり、内側種子骨および基節骨底に停止する筋肉。主に母趾を外転させる働きがある。

運動神経

内側足底神経‐筋枝

脛骨神経から分岐する神経で、母趾外転筋・短趾屈筋を支配する筋枝、足底の内側1/3の知覚を司る母趾固有底側趾神経・総底側趾神経(固有底側趾神経)に分岐する。

深腓骨神経‐筋枝

総腓骨神経から起こり、前脛骨動脈と伴行しながら下腿の前面を下行する神経。深腓骨神経からは、前脛骨筋・長母趾伸筋・長趾伸筋・第三腓腹筋を支配する筋枝、短趾伸筋・短母趾伸筋を支配する外側踵骨枝、母趾と第2趾の間の知覚を司る内側枝(足背趾神経)が分岐する。

知覚神経

伏在神経‐内側下腿皮枝

伏在神経から分岐する枝で、下腿内側および足背内側縁の知覚を司る。

血管

足背動脈の枝

足背動脈から起こる外側・内側足根動脈と弓状動脈のこと。

主治・対象疾患

足部の運動障害

足背の腫れ

第1趾痛

第1趾の知覚障害

第1趾の運動障害

第1趾の腫れ

腹部の脹り

腹痛

嘔吐

下痢

腹鳴

食欲不振

消化不良

胃痛

胃炎

腸炎

腸出血

脱肛

自律神経失調症

疲労感

頭痛

頭重感

 

 

SP4.公孫(こうそん)

太白穴の後1寸に取る。

解剖学的データ

筋肉

前脛骨筋腱

前脛骨筋の腱で、内側楔状骨と第1中足骨の足底面で停止する付近でみられる。

母趾外転筋

踵骨隆起の内側突起・屈筋支帯および足底腱膜から起こり、内側種子骨および基節骨底に停止する筋肉。主に母趾を外転させる働きがある。

運動神経

内側足底神経‐筋枝

脛骨神経から分岐する神経で、母趾外転筋・短趾屈筋を支配する筋枝、足底の内側1/3の知覚を司る母趾固有底側趾神経・総底側趾神経(固有底側趾神経)に分岐する。

深腓骨神経‐筋枝

総腓骨神経から起こり、前脛骨動脈と伴行しながら下腿の前面を下行する神経。深腓骨神経からは、前脛骨筋・長母趾伸筋・長趾伸筋・第三腓腹筋を支配する筋枝、短趾伸筋・短母趾伸筋を支配する外側踵骨枝、母趾と第2趾の間の知覚を司る内側枝(足背趾神経)が分岐する。

知覚神経

伏在神経‐内側下腿皮枝

伏在神経から分岐する枝で、下腿内側および足背内側縁の知覚を司る。

血管

足背動脈の枝

足背動脈から起こる外側・内側足根動脈と弓状動脈のこと。

主治・対象疾患

足部の運動障害

足背の腫れ

第1趾痛

第1趾の知覚障害

第1趾の運動障害

第1趾の腫れ

腹部の脹り

腹痛

嘔吐

下痢

腹鳴

食欲不振

消化不良

胃痛

胃炎

腸炎

腸出血

脱肛

自律神経失調症

疲労感

頭痛

頭重感

 

 

 

SP4.公孫(こうそん)

太白穴の後1寸に取る。

解剖学的データ

脾臓に効く『5つのツボ』で疲れを回復しよう

脾臓に利くツボは「脾経」にあり

覚えておきたい経絡のツボの第二回目は「脾経」です。
脾経の正式な名前は「
足の太陰脾経(たいいんひけい)」と言います。足の太陰ですから、足の陰側(内側)の前側を流れている経絡で、脾臓に関係する経絡だということになります。
【健康に効くツボシリーズ】―――――
肺のツボでせき・喘息をラクにしよう

肺に効くツボは「肺経」にあり
肺経の正式な名前は「手の太陰肺経(たいいんはいけい)」と言います。この部の気の巡りが弱くなった状態を「肺虚」と言い、

肺虚になると・・・

①胸が塞がれ、呼吸がし辛くなり、咳が出たり、気管支炎や気管支喘息になる場合もあります。
②呼吸量が少なくなり、気弱になって心配性になります。
③自分を抑えて他人に気を使いすぎて、気が少なくなり、気力が薄れ、鬱になります。

肺経のツボへのお灸は、これらの症状や状態を改善するのに有効です。
※痰のトラブルについてはこちら
痰が絡んで切れない時に効果的な3つの対処法とは?

心臓のツボで動悸・不整脈を改善しよう

心臓に効くツボは「心経」にあり
先回の心包経が、役割的には副官であるのに対し、今回の心経は総司令官に当たります。しかし、総司令官ですから、殆ど前線には行かず、日常的には副官としての心包経に任せていますので、心臓と心の病には、心包経ツボをきちんと覚えておいて下さいね。

肝臓のツボで肝機能を回復しよう

肝臓に効く『4つのツボ』で肝機能を回復しましょう

 

肝臓のツボは身体のどこにある?
肝臓のツボは「肝経」という経絡にあります。肝経の正式な名前は「足の厥陰肝経(けついんかんけい)」と言います。足の厥陰ですから、足の陰側(内側)の真ん中を流れている経絡です。前回もお話させて頂きましたが、足の場合は大腿と下腿(膝から下)で、その位置関係が違っています。

足の下腿では、前側の太陰と真ん中の厥陰が逆転していて、「厥陰肝経」は、足の内側の前側(脛骨の上)を通って上がり、膝で太陰と交叉して、大腿で初めて真ん中のルートに戻ります。肝経は、そこから生殖器を巡り、腹部に入って消化器や肝臓を通って、乳房の中から咽喉に上がり、眼を貫いて頭頂部(百会)まで流れる長い経絡です。

腎臓に効く『5つのツボ』で利尿・むくみを改善しよう

201399

腎臓のツボは身体のどこにある?
足には陰陽三本ずつ計六本の経絡が走っています。陰の経絡は、脾経肝経、腎経の三つで、共に足先から上がっていって腹部内の脾臓や膵臓、肝臓、腎臓等に気を巡らせ、更に胸部内に伸びている経絡です。この中の「腎経」に今回ご紹介する腎臓のツボがあります。

 

腎経の正式名称は「足の少陰腎経」と言います。
足の陰側(内側)に流れている経絡のうち、前側を太陰、中側を厥陰、後側を少陰と言い、少陰というのは、足の何処を流れているのかという通りの名前みたいなものです。
「腎経」は主に腎臓と関係のある経絡、腎臓を巡っている経絡という意味で、足の少陰腎経というのは、足の中の陰側の中の後側を通っていて、腎臓に巡っている経絡だということになります。

脾臓に効く『5つのツボ』で疲れを回復しよう

 

脾臓に利くツボは「脾経」にあり
覚えておきたい経絡のツボの第二回目は「脾経」です。
脾経の正式な名前は「
足の太陰脾経(たいいんひけい)」と言います。足の太陰ですから、足の陰側(内側)の前側を流れている経絡で、脾臓に関係する経絡だということになります。
【健康に効くツボシリーズ】―――――
肺のツボでせき・喘息をラクにしよう
心臓のツボで動悸・不整脈を改善しよう
肝臓のツボで肝機能を回復しよう
腎臓のツボでむくみ・だるさを軽減しよう
大腸のツボで大腸経の働きを改善しよう
――――――――――――――――――
膵臓のツボは身体のどこにある?

足の場合は、大腿と下腿(膝から下)で、その位置関係が違っているので、混乱が起こります。
つまり理論的には、陰の場合、前から太陰、厥陰(けついん)、少陰となっていなければならないのに足の下腿は、前側の太陰と真ん中の厥陰が逆転していて、「太陰脾経」は、足の内側の真ん中を通って上がり、膝で厥陰と交叉して、大腿で初めて前側に行き、腹部に入っていくというルートになっています。

脾経の主な働き
東洋医学では、脾と言った場合、単に脾臓のことではなく、小腸における栄養吸収といった働きも含めて、時には
「脾胃」という表現で消化器系全般の働きを指しています。
脾の働きが弱くなった状態を
「脾虚」と言い、食べても栄養が吸収されないか、或いは、最初から食欲が落ちているために、痩せています。また、消化吸収の働きが弱いので脳の栄養が養われず、そのためにものを考える力も落ち、従って色々な迷い(悩み)によって不眠になってきます。
更に、筋肉がつかないので
体が重く、節々も痛くなり、様々な箇所で関節痛を起こします。脾経へのお灸は、脾経の働きを良くして、これらの症状を改善していきます。
脾臓の働きを良くするツボ

①太白(たいはく)

・太白は、足の親指の付け根にある太い骨(中足指節関節)の内側で、膨らみの後ろの陥凹部にあります。足の甲の親指の骨(中足骨)の下を足首側から撫で降ろしていって、骨の膨らみに突き当たった所にあります。
・太白は、
消化吸収の働きを良くすると同時に、肺(呼吸器系)の機能を助けるツボとしても用いられます。
・脾経は、五行では土にあたり、太白はその中の土のツボになります。土は金の母となって・金にパワーを与える存在なので、太白にお灸をすると、土が元気になり、その力で金、即ち、肺経の働きを助けるという理論です。

②公孫(こうそん)

・公孫は、太白の後ろ一横指で骨の下縁にあります。よく触ると小さな凹みがあります。
・太白と同じで、胃腸の働きを調え、
消化吸収能力を高めます。
③三陰交(さんいんこう)








・三陰交は、内くるぶしの上、四横指の高さで、脛骨(すね)の後縁にあります。
・足の陰の経絡である腎経、脾経、肝経の三つの経絡(気の流れ)が、この場所で一度交わって、再び分かれて上がっていく所なので、三つの陰が交わる所として名付けられました。
・三陰交は、
生理不順、生理痛などをはじめ、婦人科疾患にとって不可欠なツボです。
・下腹部を温め、
骨盤内蔵の働きを良くすると同時に、下腹部内の汚血、悪血を除去する働きがあります。
安産のお灸としても用いられています
※これから先のツボ(陰陵泉、血海)は、三陰交と同じような働きがありますので、体を調える程度の場合は三陰交、慢性的な症状の場合は三陰交+陰陵泉、急性や重傷の場合は、三陰交+陰陵泉+血海のように、お灸の場所を増やしていけば良いと思います。
④陰陵泉(いんりょうせん)

三陰交から脛骨の後縁を撫で上げていき、膝関節の大きな骨の膨らみに突き当たった所にあります。・押すと強く痛みます。

⑤血海(けっかい)

 

・血海は、膝の内側の上で、膝頭の内上角から三横指上がった所の大腿四頭筋の内縁にあります。
・膝を曲げてツボの位置に親指を当て、膝を伸ばしていくと、筋肉の溝が出てきますので、押して痛む所にツボを取りましょう。

大腸のツボで大腸経の働きを改善しよう
――――――――――――――――――
膵臓のツボは身体のどこにある?

足の場合は、大腿と下腿(膝から下)で、その位置関係が違っているので、混乱が起こります。
つまり理論的には、陰の場合、前から太陰、厥陰(けついん)、少陰となっていなければならないのに足の下腿は、前側の太陰と真ん中の厥陰が逆転していて、「太陰脾経」は、足の内側の真ん中を通って上がり、膝で厥陰と交叉して、大腿で初めて前側に行き、腹部に入っていくというルートになっています。

脾経の主な働き

東洋医学では、脾と言った場合、単に脾臓のことではなく、小腸における栄養吸収といった働きも含めて、時には「脾胃」という表現で消化器系全般の働きを指しています。
脾の働きが弱くなった状態を
「脾虚」と言い、食べても栄養が吸収されないか、或いは、最初から食欲が落ちているために、痩せています。また、消化吸収の働きが弱いので脳の栄養が養われず、そのためにものを考える力も落ち、従って色々な迷い(悩み)によって不眠になってきます。
更に、筋肉がつかないので
体が重く、節々も痛くなり、様々な箇所で関節痛を起こします。脾経へのお灸は、脾経の働きを良くして、これらの症状を改善していきます。
臓の働きを良くするツボ

①太白(たいはく)

太白は、足の親指の付け根にある太い骨(中足指節関節)の内側で、膨らみの後ろの陥凹部にあります。足の甲の親指の骨(中足骨)の下を足首側から撫で降ろしていって、骨の膨らみに突き当たった所にあります。
・太白は、
消化吸収の働きを良くすると同時に、肺(呼吸器系)の機能を助けるツボとしても用いられます。
・脾経は、五行では土にあたり、太白はその中の土のツボになります。土は金の母となって・金にパワーを与える存在なので、太白にお灸をすると、土が元気になり、その力で金、即ち、肺経の働きを助けるという理論です。

②公孫(こうそん)





・公孫は、太白の後ろ一横指で骨の下縁にあります。よく触ると小さな凹みがあります。
・太白と同じで、胃腸の働きを調え、
消化吸収能力を高めます。
③三陰交(さんいんこう)









・三陰交は、内くるぶしの上、四横指の高さで、脛骨(すね)の後縁にあります。
・足の陰の経絡である腎経、脾経、肝経の三つの経絡(気の流れ)が、この場所で一度交わって、再び分かれて上がっていく所なので、三つの陰が交わる所として名付けられました。
・三陰交は、
生理不順、生理痛などをはじめ、婦人科疾患にとって不可欠なツボです。
・下腹部を温め、
骨盤内蔵の働きを良くすると同時に、下腹部内の汚血、悪血を除去する働きがあります。
安産のお灸としても用いられています
※これから先のツボ(陰陵泉、血海)は、三陰交と同じような働きがありますので、体を調える程度の場合は三陰交、慢性的な症状の場合は三陰交+陰陵泉、急性や重傷の場合は、三陰交+陰陵泉+血海のように、お灸の場所を増やしていけば良いと思います。

④陰陵泉(いんりょうせん)


・三陰交から脛骨の後縁を撫で上げていき、膝関節の大きな骨の膨らみに突き当たった所にあります。
・押すと強く痛みます。
⑤血海(けっかい)

 

・血海は、膝の内側の上で、膝頭の内上角から三横指上がった所の大腿四頭筋の内縁にあります。
・膝を曲げてツボの位置に親指を当て、膝を伸ばしていくと、筋肉の溝が出てきますので、押して痛む所にツボを取りましょう。
《参考文献》
・本間祥白著「図解・十四経発揮」
・兵頭明監修「経絡・ツボの教科書」

大腸に効く『4つのツボ』で大腸経の働きを改善しよう

大腸のツボは「大腸経」にあり
全身を巡っている十二本の経絡の中で、これまで、足の陰側の三本(脾経肝経腎経)、手の陰側の三本(肺経心包経心経)、足の陽側の三本(胃経胆経膀胱経)の九本の中の覚えておきたいツボについて学んできました。
いよいよ残りの手の陽側の三本(大腸経三焦経小腸経)に入ります。その中で、今回は大腸経の中のツボを学ぶことにします。

大腸経は身体のどこにある?
大腸経は、手の陽明大腸経と言います。起立の姿勢で立った時に、手の甲側の前側(人差し指側)を巡る経絡で、大腸に関係している経絡だということになります。
大腸経は、手の人差し指の親指側の横から肘を越えて肩関節の前に向かって上り、首の付け根の骨(第七頸椎)で左右から来た流れが合わさり、そこから左右に分かれて前に行き、鎖骨の上の凹み(乳頭から直上)から体内に入りへその左右で大腸に纏っていく流れになります。
鎖骨の上から分かれた流れが顎の下から歯を巡り、小鼻(鼻翼)の横から目頭に達し、足の陽明胃経へとつながっているのです。

 
 

従って、大腸経は、大腸の働きを改善し、そこから起こる頭痛や肌荒れに効果があるばかりでなく、咽喉、歯、口の中、鼻、目などの充血、炎症、腫れ痛みなどにも効果があるのです。
覚えておきたい大腸経のツボ4

①合谷(ごうこく)
合谷は、親指と人差し指の骨の合わさるところの谷の部分(骨の股)にあります。

前々回の記事にも書きましたが、合谷は四総穴の一つです。
「面目は合谷に求めよ」と言われるように、顔に現れる症状は、とにかく、まずは合谷へのお灸をして下さい。
疲れ目、仮性近視、鼻炎、口内炎、歯肉炎、のどの痛み、肌荒れ、吹き出物などに有効です。人差し指の骨を揉むように押し当てて、痛みのあるところにツボを取りましょう。

②曲池(きょくち)
曲池は、肘を曲げた時に出来るしわ(肘窩横紋)の外端にあります。

曲池は、合谷と併用して用いますが、特に、目の疲れ、肩こり、肌荒れなどに有効です。

③手の三里
手の三里は、曲池から合谷に向かっての線上で、曲池から三横指(2寸)下がったところにあります。

手の三里は、肩や首などが凝った時によく揉んで下さい。頭痛や歯の痛みにも有効です。
④温溜(おんる)
温溜は、手の三里から四横指(3寸)下がったところにあります。

温溜は、大腸経の症状の中で、激しいものに用いますので、痛みが強い場合や炎症がひどい場合に、合谷と併用して用いて下さい。

血糖値が 下がった「糖尿穴」

私の治療院には、腰痛、ひざ痛、股関節痛など、痛みの症状に悩む患者さんが、連日訪れます。
患者さんの話をよく聞き、状態を把握したうえで、鍼や灸、整体、マッサージ、指圧などのなかから、最も適した方法を選び治療に当たっています。 
関節痛だけでなく、ほかの悩みを抱えている患者さんも少なくありません。
なかでも多いのが、「糖尿病を改善したい」という患者さんです。
糖尿病の場合、血液検査で血糖値の高さを指摘され、食事療法や服薬で治療に当たっているケースがほとんどです。
それなのに、「数値が改善しない。どうしたらいいか」という相談を、よく受けます。
そんな患者さんに勧めているのが、左足にあるツボを刺激する「太ももの1点押し」です。
このツボは、私の師匠である宮本紘吉先生から「膵臓のツボ」として教えてもらいました。
そのため、私は膵臓の働きが衰えている患者さんに、このツボ押しをよく行ってきました。
あるとき、「膵臓は血糖値を下げるインスリンを出す臓器だから、糖尿病も改善するのでは」と思いついたのです。
そこで、3年ほど前に、糖尿病の患者さん10人に協力してもらい、左太もものツボを押す前後で、血糖値の変化を調べました。
すると、10人全員の血糖値が下がったのです。
後日、このツボが「糖尿穴」と呼ばれていることを知りました。
それ以来、私は糖尿病に悩んでいる人に、左太ももの中心を押すように勧めています。

体の左側に現れる四十肩ひざ痛、腰痛にも著効

では、やり方をご紹介しましょう。
ひざが直角になる高さのイスに腰かけます。
ツボの位置は、左足のつけ根からひざまでの中間点で、太ももの幅の左右中央です。
この周辺を目安にして、指で前後左右に皮膚をなぞり、グッと押してみて痛いところを探します。
その痛い場所が糖尿穴です。
両手の親指を重ねてツボの上に置き、グッと体重をかけて5秒ほど押し続けます。
これを3回ほどくり返します。
このツボは、ひざを直角にしたときに現れるので、
の姿勢を保って押しましょう。
糖尿病やその傾向のある人が押すと、強い痛みを感じますが、そうでない人はさほど痛くないはずです。
 テレビを見ているときや、公園のベンチなど、ひざが直角になるイスに腰かけているときなら、いつ行ってもかまいません。
1日に何回行ってもけっこうです。
「なぜ左足なのか」という理由は、はっきりわかりません。
ただ、インスリンの分泌腺を持つ膵臓が、体の左寄りにあることが関係していると思われます。
私の治療経験から見ても、糖尿病は、膵臓がある体の左側のトラブルと連動することがわかっています。
例えば、糖尿病の人は多くの場合、左の股関節がかたく、開きにくいのです。
左太ももの糖尿穴を押すと、血糖値が下がるとともに、左股関節の動きがよくなるケースが多く見られます。
また、糖尿病の人は、左手が上がりにくいという特徴もあります。
糖尿穴を押すと、左手もスムーズに上がるようになります。

糖尿病のうち、このツボ押しが効くのは、膵臓からのインスリンの分泌が悪い人と、左の股関節がかたくなっている人です。

糖尿病には、肝臓の機能低下が関係している場合があります。
肝臓が原因の場合、このツボを押しても効果はありません。

糖尿穴を押しても血糖値が下がらなければ、肝臓の機能低下を疑ってください。

糖尿穴は、体の左側に出た痛みやしびれにもよく効きます。
私の経験では、四十肩、ひざ痛、腰痛、座骨神経痛などの改善に、著効を発揮します。

糖尿病だけでなく、体の左側に痛みやしびれ、動きにくさなどが現れたら、すぐにこのツボを押してみてください。
症状の改善が期待できるでしょう。

自分の手の指を使うツボ押しは、誰でも簡単にできて、安全な方法です。
病院での糖尿病治療と併行して、日々の生活に取り入れてください。