SP20)周栄(zhou1rong2)(しゅうえい)・周営
【取穴】
前胸部、第2肋間、前正中線の外方六寸。
・筋肉:大胸筋/小胸筋
・運動神経:内側胸筋神経、外側胸筋神経(大胸筋)・内側胸筋神経(小胸筋)
・知覚神経:肋間神経外側皮枝
・血管:外側胸動脈・肋間動脈
※SP20)周栄、ST15)屋翳、KI25)神蔵は、第2肋間の曲線に沿って並ぶ。
【名の由来】
「周=全身」「栄=栄養」。脾気が本穴より出て全身を巡り栄養する事から。
【作用】
〔瀉〕寛胸理脾
【弁証主治】
◆足太陰経病
貧血、血液疾患・嚥下困難・心窩部痛・胃腸虚弱・婦人科疾患・脈浮緩・09:00~11:00あるいは21:00~23:00の異常など
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筋肉
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大胸筋
鎖骨内側1/2・胸骨と肋軟骨(第2~第7前面)・腹直筋鞘の3部から起こり、上腕骨大結節稜に停止する筋肉。主に上腕を屈曲・内転・内旋させる働きがあり、また呼気にも関わる。
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運動神経
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内側胸筋神経
腕神経叢から分岐する知覚神経で、外側胸筋神経と合わせて胸筋神経または前胸神経とも呼ばれる。
外側胸筋神経
腕神経叢から分岐する知覚神経で、内側胸筋神経と合わせて胸筋神経または前胸神経とも呼ばれる。
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知覚神経
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肋間神経‐外側皮枝
胸神経前枝のことで、肋間動静脈とともに肋間を走行する神経。肋間神経からは、外肋間筋・内肋間筋・最内肋間筋・肋下筋・胸横筋・内腹斜筋・外腹斜筋・腹横筋・腹直筋・錐体筋・肋骨挙筋・上後鋸筋・下後鋸筋を支配する筋枝が出る他、前胸部から体表に出て知覚を司る前皮枝、体幹の外側で体表に出て知覚を司る外側皮枝が分岐する。第2もしくは第1・第3肋間神経外側皮枝は肋間上腕神経の一部となる。
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血管
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外側胸動脈
腋窩動脈から小胸筋の後かまたはその外側で起り,小胸筋の下縁にだいたい平行して下内側に走る動脈。大胸筋,外側鋸筋に分布し、胸壁にあるほかの動脈とつながる。
肋間動脈
最上肋間動脈・胸大動脈から起こり、肋骨の下縁(肋間)に沿って走る動脈のこと。肋間動脈の起始部近くからは背枝が出ており、さらに背筋を栄養する筋枝、脊髄を栄養する脊髄枝、背部の皮膚を栄養する皮枝に分かれる。また肋間動脈が内肋間膜を貫通すると側副枝が出ており、下位の肋骨の上縁に沿って走る。胸郭の外側部では外側枝が出ており、さらに前枝と後枝に分かれ胸郭外側壁の皮膚に栄養するが、前枝からは乳腺枝が出て乳腺も栄養する。
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脾臓の働きを良くするツボ
①太白(たいはく)
・太白は、足の親指の付け根にある太い骨(中足指節関節)の内側で、膨らみの後ろの陥凹部にあります。足の甲の親指の骨(中足骨)の下を足首側から撫で降ろしていって、骨の膨らみに突き当たった所にあります。
・太白は、消化吸収の働きを良くすると同時に、肺(呼吸器系)の機能を助けるツボとしても用いられます。・脾経は、五行では土にあたり、太白はその中の土のツボになります。土は金の母となって・金にパワーを与える存在なので、太白にお灸をすると、土が元気になり、その力で金、即ち、肺経の働きを助けるという理論です。
②公孫(こうそん)
・公孫は、太白の後ろ一横指で骨の下縁にあります。よく触ると小さな凹みがあります。
・太白と同じで、胃腸の働きを調え、消化吸収能力を高めます。
③三陰交(さんいんこう)
・三陰交は、内くるぶしの上、四横指の高さで、脛骨(すね)の後縁にあります。
・足の陰の経絡である腎経、脾経、肝経の三つの経絡(気の流れ)が、この場所で一度交わって、再び分かれて上がっていく所なので、三つの陰が交わる所として名付けられました。
・三陰交は、生理不順、生理痛などをはじめ、婦人科疾患にとって不可欠なツボです。
・下腹部を温め、骨盤内蔵の働きを良くすると同時に、下腹部内の汚血、悪血を除去する働きがあります。
・安産のお灸としても用いられています
※これから先のツボ(陰陵泉、血海)は、三陰交と同じような働きがありますので、体を調える程度の場合は三陰交、慢性的な症状の場合は三陰交+陰陵泉、急性や重傷の場合は、三陰交+陰陵泉+血海のように、お灸の場所を増やしていけば良いと思います。
④陰陵泉(いんりょうせん)
・三陰交から脛骨の後縁を撫で上げていき、膝関節の大きな骨の膨らみに突き当たった所にあります。・押すと強く痛みます。
⑤血海(けっかい)
・血海は、膝の内側の上で、膝頭の内上角から三横指上がった所の大腿四頭筋の内縁にあります。
・膝を曲げてツボの位置に親指を当て、膝を伸ばしていくと、筋肉の溝が出てきますので、押して痛む所にツボを取りましょう。
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