SP19.胸郷(きょうきょう)

取穴部位:玉堂穴の外6寸、膺窓穴の外2寸、第3肋間

筋肉:大胸筋

運動神経:内側胸筋神経外側胸筋神経

知覚神経:肋間神経外側皮枝

血管:肋間動脈外側胸動脈

 



足太陰脾経

胸郷(きょうきょう)

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SP19)胸郷(xiong1xiang1)(きょうきょう)

【取穴】

前胸部、第3肋間、前正中線の外方六寸。

※SP19)胸郷、ST16)膺窓、KI24)霊墟は、第3肋間の曲線に沿って並ぶ。

【名の由来】

「郷=病の在処」。本穴が胸部疾患を主治する事から。

【作用】

〔瀉〕理気寛胸

【弁証主治】

◆足太陰経病

貧血、血液疾患・嚥下困難・心窩部痛・胃腸虚弱・婦人科疾患・脈浮緩・09:00~11:00あるいは21:00~23:00の異常など

【主症主治】

胸肋のつかえ・胸背痛

玉堂穴の6寸、膺窓穴の外2寸、第3肋間に取る。

解剖学的データ

筋肉

大胸筋

鎖骨内側1/2・胸骨と肋軟骨(第2~第7前面)・腹直筋鞘の3部から起こり、上腕骨大結節稜に停止する筋肉。主に上腕を屈曲・内転・内旋させる働きがあり、また呼気にも関わる。

運動神経

内側胸筋神経

腕神経叢から分岐する知覚神経で、外側胸筋神経と合わせて胸筋神経または前胸神経とも呼ばれる。

外側胸筋神経

腕神経叢から分岐する知覚神経で、内側胸筋神経と合わせて胸筋神経または前胸神経とも呼ばれる。

知覚神経

肋間神経外側皮枝

胸神経前枝のことで、肋間動静脈とともに肋間を走行する神経。肋間神経からは、外肋間筋・内肋間筋・最内肋間筋・肋下筋・胸横筋・内腹斜筋・外腹斜筋・腹横筋・腹直筋・錐体筋・肋骨挙筋・上後鋸筋・下後鋸筋を支配する筋枝が出る他、前胸部から体表に出て知覚を司る前皮枝、体幹の外側で体表に出て知覚を司る外側皮枝が分岐する。第2もしくは第1・第3肋間神経外側皮枝は肋間上腕神経の一部となる。

血管

外側胸動脈

腋窩動脈から小胸筋の後かまたはその外側で起り,小胸筋の下縁にだいたい平行して下内側に走る動脈。大胸筋,外側鋸筋に分布し、胸壁にあるほかの動脈とつながる。

肋間動脈

最上肋間動脈・胸大動脈から起こり、肋骨の下縁(肋間)に沿って走る動脈のこと。肋間動脈の起始部近くからは背枝が出ており、さらに背筋を栄養する筋枝、脊髄を栄養する脊髄枝、背部の皮膚を栄養する皮枝に分かれる。また肋間動脈が内肋間膜を貫通すると側副枝が出ており、下位の肋骨の上縁に沿って走る。胸郭の外側部では外側枝が出ており、さらに前枝と後枝に分かれ胸郭外側壁の皮膚に栄養するが、前枝からは乳腺枝が出て乳腺も栄養する。

主治・対象疾患

咳嗽

喘息

胸部苦満

胸脇苦満

胸痛

胸脇痛

胸膜炎

肋間神経痛

乳腺炎

乳汁分泌不足

肝臓肥大