SP16.(ふくあい)

兵法:稲妻(いなずま)又は電光(でんこう)

取穴部位:大横穴の上3寸、建里穴の外35分、神闕穴の高さより上3寸で正中線から外方35

禁灸穴

筋肉:外腹斜筋内腹斜筋

運動神経:肋間神経腸骨下腹神経腸骨鼠径神経

知覚神経:肋間神経外側皮枝

血管:浅腹壁動脈下腹壁動脈肋間動脈

SP16.腹哀(ふくあい)

SP16 腹哀(ふくあい)【足の太陰脾経】

 部位 建里(任脈)から外方4寸に取る。

 解剖 外腹斜筋、内腹斜筋、〈筋枝〉肋間神経、腸骨下腹神経、腸骨鼠径神経、〈皮枝〉肋間神経、[血管]浅腹壁動脈、下腹壁動脈

 床 急性胃カタル、胃けいれん、消化不良、腸カタル、肝臓病、胆石など

 

大横穴の上3寸、建里穴の外3寸5分に取る。

解剖学的データ

筋肉

内腹斜筋

鼠径靱帯・腸骨稜・胸腰筋膜から起こり、第10~12肋骨下縁および腹直筋鞘・白線に停止する筋肉。主に肋骨とともに胸郭を引き下げ、脊柱を曲げると同時に、骨盤を引き上げる働きがある。

外腹斜筋

第5~第12肋骨外側面から起こり、腸骨稜および鼠径靱帯、白線に停止する筋肉。斜め前下方に走っているため、肋骨とともに胸郭を引き下げ、脊柱を曲げると同時に、骨盤を引き上げる作用がある。

運動神経

肋間神経‐筋枝

胸神経前枝のことで、肋間動静脈とともに肋間を走行する神経。肋間神経からは、外肋間筋・内肋間筋・最内肋間筋・肋下筋・胸横筋・内腹斜筋・外腹斜筋・腹横筋・腹直筋・錐体筋・肋骨挙筋・上後鋸筋・下後鋸筋を支配する筋枝が出る他、前胸部から体表に出て知覚を司る前皮枝、体幹の外側で体表に出て知覚を司る外側皮枝が分岐する。第2もしくは第1・第3肋間神経外側皮枝は肋間上腕神経の一部となる。

腸骨下腹神経‐筋枝

腰神経叢の第12胸神経~第1腰神経より起こる神経。腸骨下腹神経は腹横筋・内腹斜筋・外腹斜筋などを支配する筋枝を出した後、下腹部の皮膚の知覚を司る前皮枝と臀部の皮膚の知覚を司る外側皮枝に枝分かれする。

腸骨鼠径神経‐筋枝

腰神経叢の第1または第2腰神経より起こり、内外腹斜筋の間を走って鼠径管を通る神経。腸骨鼠径神経は腹横筋・内腹斜筋・外腹斜筋などを支配する筋枝を出した後、男性では前陰嚢神経、女性では前陰唇神経となる。

知覚神経

肋間神経‐外側皮枝

胸神経前枝のことで、肋間動静脈とともに肋間を走行する神経。肋間神経からは、外肋間筋・内肋間筋・最内肋間筋・肋下筋・胸横筋・内腹斜筋・外腹斜筋・腹横筋・腹直筋・錐体筋・肋骨挙筋・上後鋸筋・下後鋸筋を支配する筋枝が出る他、前胸部から体表に出て知覚を司る前皮枝、体幹の外側で体表に出て知覚を司る外側皮枝が分岐する。第2もしくは第1・第3肋間神経外側皮枝は肋間上腕神経の一部となる。

血管

肋間動脈

最上肋間動脈・胸大動脈から起こり、肋骨の下縁(肋間)に沿って走る動脈のこと。肋間動脈の起始部近くからは背枝が出ており、さらに背筋を栄養する筋枝、脊髄を栄養する脊髄枝、背部の皮膚を栄養する皮枝に分かれる。また肋間動脈が内肋間膜を貫通すると側副枝が出ており、下位の肋骨の上縁に沿って走る。胸郭の外側部では外側枝が出ており、さらに前枝と後枝に分かれ胸郭外側壁の皮膚に栄養するが、前枝からは乳腺枝が出て乳腺も栄養する。

上腹壁動脈

内胸動脈から起こり、腹直筋の後面を下行し、臍の高さで外腸骨動脈の枝である下腹壁動脈と吻合する動脈。主に腹部の筋肉や横隔膜の一部を栄養している。

下腹壁動脈

外腸骨動脈から起こり、下腹を上行したのち臍の上で上腹壁動脈と交通する動脈。主に腹直筋などを栄養している。

主治・対象疾患

食欲不振

腹痛

腹鳴

便秘

下痢

胃けいれん

消化不良

肝臓疾患

肝臓肥大

胆石

胃カタル

腸カタル