SP13)府舎(fu3she4)(ふしゃ)
【取穴】
下腹部、臍中央の下方四寸三分、前正中線の外四寸。
・筋肉:精巣挙筋 Cremaster・鼠径靭帯
Inguinal ligament
・運動神経:陰部大腿神経陰部枝
Genital branch of Genitofemoral nerve
・知覚神経:腸骨鼠径神経(L1)
Ilio-inguinal nerve
・血管:浅腹壁動脈
Superficial epigastric artery・下腹壁動脈 Interior epigastric artery
【名の由来】
「府=集合」「舎=居住する場所」。本穴にて足太陰経・足厥陰経・陰維脈が交会し、腹中に入る事から。
【要穴】
『太陰之郄』
『三陰(脾・肝・陰維)陽明之別』
【交会】
・経絡(4):足太陰経-足厥陰経-陰維脈-(足陽明経)
※奇経八脈考には「陽明之会」とある。
【作用】
〔瀉〕調中益気・温通活血
【弁証主治】
◆足太陰経病
貧血、血液疾患・嚥下困難・胃腸虚弱・泌尿器、婦人科疾患・脈浮緩・09:00~11:00あるいは21:00~23:00の異常など
◆足厥陰経病
性欲の異常・腰痛・更年期障害など
◆陰維脈(脾胃/肝)病「心痛に苦しむ」
心窩部痛・動悸、胸苦しさ・脇下のつかえなど
◆足陽明経病
躁鬱、不安障害・統合失調症など
【主症主治】
鼠径ヘルニア・下肢静脈瘤
【私見】
・陰維脈は血(営/胃)に係わる心(少陰)・脾(太陰)・肝(厥陰)の機能を包括するように働く。その為その病証も、
血の虚実によって生じる心・脾胃・肝の証を包括した様相を呈す。本穴は特に陰維脈的要素が強い様子。
・男女とも、更年期症状には適応か?
・本穴には足陽明経も交会しているが、陰維脈の性質上、寒証(陽虚)に対する主治が多い。
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