SP12.衝門(しょうもん)

兵法:北辰(ほくしん)

取穴部位:曲骨穴の外35分、神闕穴の高さより下5寸で正中線から外方35分、鼠径溝中の大腿動脈拍動部

筋肉:腸腰筋恥骨筋

運動神経:大腿神経腰神経叢筋枝

知覚神経:腸骨下腹神経前皮枝、陰部大腿神経腸骨鼠径神経

血管:大腿動脈

SP12.衝門(しょうもん)

主治・対象疾患

下腹部痛

おりもの過多

月経過多

月経過少

不正性器出血

無月経

更年期障害

生理痛

生理不順

のぼせ

下腹部の脹り

子宮筋腫

子宮けいれん

子宮内膜炎

鼠径リンパ節腫脹

虫垂炎

脱肛

睾丸炎

陰嚢ヘルニア

尿漏れ

尿閉

頻尿

尿路痛

胃けいれん

腹水

股関節の運動障害

大腿内側痛

大腿内側の知覚障害

 

 

解剖学的データ

筋肉

恥骨筋

腸恥隆起から恥骨結節までの間の恥骨櫛に沿って起こり、大腿骨上部の恥骨筋線と粗線の近位部に停止する筋肉。主に股関節を屈曲・内転させる働きがある。

腸腰筋

運動神経

大腿神経‐筋枝

腰神経叢の第1~第4腰神経から起こる神経。大腿神経は、大腿四頭筋・大腰筋・縫工筋・恥骨筋などの筋肉を支配する筋枝、大腿前面の皮膚の知覚を司る前皮枝、股関節や膝関節の知覚を司る関節枝、膝関節下部~下腿内側の知覚を司る伏在神経に分かれる。

腰神経叢‐筋枝

第12胸神経~第4腰神経の前枝で構成される神経を腰神経叢といい、そのうち筋肉の運動を支配する神経のこと。

閉鎖神経

第2~第4腰神経より起こり、総腸骨動脈の後方を通って閉鎖動静脈とともに閉鎖孔を通過し、大腿に至ったところで前枝と後枝に分かれる神経。閉鎖神経前枝からは、短内転筋・長内転筋・薄筋などを支配する筋枝、大腿内側の皮膚の知覚を司る皮枝、股関節の知覚を司る関節枝が分岐する。閉鎖神経後枝からは、外閉鎖筋・大内転筋・小内転筋などを支配する筋枝、膝関節の知覚を司る関節枝が分岐する。もし短内転筋が閉鎖神経前枝から支配を受けない場合、後枝からの神経支配を受ける。

知覚神経

腸骨下腹神経‐前皮枝

腰神経叢の第12胸神経~第1腰神経より起こる神経。腸骨下腹神経は腹横筋・内腹斜筋・外腹斜筋などを支配する筋枝を出した後、下腹部の皮膚の知覚を司る前皮枝と臀部の皮膚の知覚を司る外側皮枝に枝分かれする。

陰部大腿神経‐大腿枝

脊髄神経の第1・2腰神経から起こる末梢神経で、後に陰部枝と大腿枝に分かれる。陰部枝は主に精巣挙筋、陰嚢(女性の場合大陰唇)の皮膚および周囲の大腿部皮膚に分布し、大腿枝は血管裂孔を通り、伏在裂孔を経て、これらの部位の皮膚に分布する。

腸骨鼠径神経

腰神経叢の第1または第2腰神経より起こり、内外腹斜筋の間を走って鼠径管を通る神経。腸骨鼠径神経は腹横筋・内腹斜筋・外腹斜筋などを支配する筋枝を出した後、男性では前陰嚢神経、女性では前陰唇神経となる。

血管

大腿動脈

外腸骨動脈から起こり、鼠径部から膝へ下行する動脈。主に大腿部全体の皮膚や筋肉を栄養している。