SI4.腕骨(わんこつ)
取穴部位:手背尺側にあり、第5中手骨底と三角骨の間の陥凹部
要穴:原穴
筋肉:小指外転筋
運動神経:尺骨神経
知覚神経:尺骨神経浅枝
血管:背側手根枝(尺骨動脈)の枝
|
『腕骨』わんこつ 手の太陽小腸経(
SI4 )
【原穴】 臓腑の原気(元気)が通過あるいはとどまる経穴のことで、手関節・足関節にみられる。
手背尺側にあり、第5中手骨底と三角骨の間の陥凹部に取る。
解剖学的データ
筋肉
|
小指外転筋
豆状骨や屈筋支帯から起こり、小指基節骨底尺側・種子骨に停止する筋肉。主に第5中手指節関節の屈曲と外転を行う。
|
運動神経
|
尺骨神経‐深枝
腕神経叢から起こり、腋の下から肘の内側を走行し、手首を越えて手先まで通っている神経。尺骨神経からは前腕部で尺側手根屈筋と深指屈筋を支配する筋枝を出し、前腕下部で手背~指背側2.5指の知覚を司る手背枝と手掌部の知覚を司る掌枝を出す。その後、屈筋支帯の下を通って手掌に至ると小指球筋・小指対立筋・小指外転筋・母指内転筋・第3~4虫様筋・背側骨間筋・掌側骨間筋などを支配する深枝と、尺側1.5指の掌面の知覚を司る浅枝に分岐する。
|
知覚神経
|
背側指神経(尺骨神経の枝)
指背面の皮膚の知覚を司る神経。橈側2.5指は橈骨神経から分岐したもので、尺側2.5指は尺骨神経から分岐したもの。
|
血管
|
背側手根枝(尺骨動脈)の枝
上腕動脈から起こり、前腕尺側を下行する動脈で、主に前腕尺側を栄養する。尺骨動脈の起始部付近からは、肘関節周囲を栄養する尺側反回動脈、前腕骨間を栄養する総骨間動脈が分岐しており、手部へ向かう間に尺骨の骨髄を栄養する尺骨動脈や前腕尺側部にある筋肉を栄養している筋枝が分岐する。豆状骨付近では背側手根枝が出ており、橈骨動脈からの動脈枝や前骨間動脈と吻合して背側手根動脈網を形成する。また背側手根枝の起始部付近から出る浅枝は第5中手骨の尺側縁を走る背側枝動脈となる。尺骨動脈の手根部から掌側へ向かう掌側手根枝は橈骨動脈掌側手根枝とともに掌側手根動脈網を形成する。また、豆状骨の橈側で起こる尺骨動脈の深掌枝は手掌の深層に入り、橈骨神経の深掌枝と吻合して深掌動脈弓を形成し、尺骨動脈の終枝は橈骨動脈の終枝と吻合して浅掌動脈弓を形成する。
|
|