LU10.魚際(ぎょさい)
取穴部位:第1中手指節関節の上、橈側陥凹部、表裏の肌目(境) 要穴:栄火穴 筋肉:短母指外転筋 運動神経:正中神経 血管:橈骨動脈 |
魚際の位置 肘の痛み、指のしびれ、母指の痛み |
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手太陰肺経のツボ:魚際(ぎょさい)(LU10)と母指の痛み
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主治・対象疾患
LU10)魚際(yu2ji4)(ぎょさい)【取穴】手掌、第1中手骨中点の橈側、赤白肉際。 【名の由来】本穴位が魚の腹の様であり、また赤白肉の「際」に位置する事から。 【要穴】『手太陰経榮火穴(金経火穴/火克金)』 【交会】・経筋:手太陰経筋の結する処 【作用】〔補〕滋陰清熱 〔瀉〕清泄肺熱・宣肺止咳・咽喉清利・舒筋活絡 【弁証主治】◆肺実熱証「身熱を治す/火克金」 悪寒戦慄を伴う発熱・リンパ節腫・喉の炎症・急性乳腺炎・のぼせ・掌の火照りなど ◆手太陰経(筋)病 呼吸器の虚弱・自律神経失調・咳嗽、喘息・吐血・上肢痛、ひきつれ・肘痛・ばね指・両手を交えてもだえる・臍右の強い拍動・脈浮など 【配穴】+液門…喉が渇いて痛む〔瀉法〕 +照海…喉が渇いて痛む〔補法〕 +委中…片側の脇から背中へのひきつれ 【症例/個人的見解】・「禁灸穴」とある。 ・診断点として有効。魚際の細絡が青ければ胃寒、赤ければ胃熱、黒ければ久痺。赤青黒が混じっていると寒熱が入り混じっていて、点状に青くなっていると気虚。 ・榮(火/水)穴は木(筋)を挟む。故に各経筋病にも使い勝手が良い。本穴も手太陰経筋上の化膿性筋炎などには効果的と考える。 ・検証:得気は鋭く「小商」と「陽渓」へと走る。 ――――――――――――――――― ※鳳眼(feng4yan3)(ほうがん)※経外奇穴-肘後備急方- 【取穴】母指指節関節横紋橈側端。母指を屈曲して取穴。 【作用】〔瀉〕通眼開竅 【名の由来】「鳳=鳳凰」。掌を広げ、母指以外の四指を鳳凰の翼に見立てた時、本穴がちょうど鳳凰の眼の位置にくる事から。 【主治】眼疾患・腱鞘炎 【症例/個人的見解】・検証:得気はわずかに「曲池」にとどくか? ★秋の味覚と効用 ▼のどや肺を潤す食材 ▼滋養・免疫アップの食材(やはり秋はキノコ類ですね!) その他、冷えを感じやすい方は、かつおやさば、さけ、さんまなど旬な魚を食することでも、胃腸を温めたり消化吸収を高めたりする効果が期待出来ますので、ぜひお試し下さい。 ★秋の養生ツボ 魚際(ぎょさい) 効用:乾燥によって肺や喉に帯びた熱をしずめて調子を整える効果があります。 場所:手の親指の付け根にある膨らみにあります。写真では分りにくいかも知れませんが、よく見ると手の平側と甲側には赤白の境目があります。 その境目を押しながらずらしていき、少し凹んだところで痛気持ち良さを感じるポイントを刺激します。 |
刺激方法:親指の腹でゆっくりと3つ数えながら押し込み、また同じように3つ数えながら離します。 ▼物足りなく感じる場合は、指の関節を使ってグリグリと押しても良いです。 ▼お灸は、熱がじわ〜っと手にしみわたる感覚を確かめて下さい。(チリチリした痛い感じがする場合は外します) 魚際のツボは、肩こり・歯痛・頭痛・胃腸の調子を整えるなどにも効くと言われていますので、気になる方はぜひ試してみて下さい。
肩こり・首こり、肘痛、バネ指などに用いる。 《経外奇穴》, 発熱, 眼疾患, 禁灸穴, 手太陰経筋, 手太陰肺経, 指、手、手首痛, 榮(火/水)穴「身熱を治す」
【概要】・三陰/開:最も陰気の強い経絡。損なうと気虚を生じる。 ・気血:多気少血-素問血気形志篇第二十四- ・深度:二分以下(留一呼以下)-霊枢経水第十二- ・子午:寅刻(03:00~05:00) ※-素問運気七篇(第六十六~七十四)-に由来する時間と経絡の関係を臨床に応用したもの。此処では現在一般的な各経に対応する十二支(時刻)を表記。 【絡脈流注】-霊枢経脈第十-「手太陰の別絡を『列缺』と云い、手首の上の筋肉の間に起き、本経に沿ってまっすぐ掌中に入り、魚際に散ず。 ~手首から(一寸)五分の処に取り、別れて陽明に向かう」 【経別(第六合)】-霊枢経別第十一-『離(別)/入:淵腋(腋窩)』 『出:缺盆(鎖骨窩)』 『合:手陽明経へ』 【経筋(仲冬痺)】-霊枢経筋第十三-「手太陰の筋、母指に起り、指を上り魚際の後に結ぶ。寸口の外側を行き、上りて前腕を循り肘中に結び、上腕内側を上りて腋下に入り、缺盆に出て、肩前髃(烏口突起?)に結ぶ。上りて缺盆に結び、下りて胸裏に結び、噴門を貫いて散じ、噴門の下で合し、季肋を支える」 ・結処 『第1指(少商)』 『魚際』 『肘中(尺澤)』 『肩前髃(烏口突起/雲門と考える)』 『缺盆』 『胸裏』 『噴門(横隔膜/胃)』 『季肋』 《肺》「相傅之官、治節出為」-素問霊蘭秘典論篇第八-・『相傅』とは、首相(行政の最高府)。内政の全てを取り仕切る。 つまり肺が正常に機能していれば、五臓六腑は円滑に活動し、「治節出なり」となる。 【気之本】「気之本、魄之処也。其華在毛、其充在皮、為陽中之太陰、通於秋気」-素問六節蔵象論篇第九- 「肺気通于鼻、肺和則鼻能知臭香矣」-霊枢脈度第十七- ・呼吸(鼻。嗅覚も肺に属す)=気・血・水の代謝(濁を排出し、清を巡らす)を調節する。 〔肺+脾〕⇒ 宗気の生成 〔肺+腎〕⇒ 吐(呼気)納(吸気)の調節 【宣発・粛降作用】【百脈を朝ず】【肺は水の上源】「肺之合皮也、其栄毛也、其主心也」「諸气者、皆属于肺」-素問五蔵生成篇第十 〔肺+肝〕⇒ 気機の調整 〔肺+心〕⇒ 気血を全身に散布 〔肺+脾+腎〕⇒ 津液の代謝 【魄を蔵し皮と百骸を主る】【悲・辛・鼻水・咳・悪寒・毛脈】「辛入肺(辛走気):肺為咳:肺則悲:肺悪寒:肺為涕:肺蔵魄:肺主皮:肺脈毛」-宣明五気篇第二十三- |