『客主人』きゃくしゅじん足の少陽胆経 ( GB3 )
主治・対象疾患
GB3) 上関(shang4guan1)(じょうかん)・客主人(ke4zhu3ren2)(きゃくしゅじん)・客主・客三・太陽
【取穴】
頭部、頬骨弓中点上縁の陥凹部。
※頬骨弓上縁の陥凹部でST7)下関の直上にある。
【名の由来】
「関=戸ほぞ」。本穴が頬骨弓上際にあり、顎関節開閉時に恰も戸ぼその様に働く事から。
【交会】
・経絡(4):手足少陽経-手足陽明経
【作用】
〔瀉〕清熱散風
【弁証主治】
◆少陽経病
悪寒戦慄をともなう高熱、往来寒熱、リンパ節腫・多汗・偏頭痛・耳鳴、難聴・聾唖・口苦・溜息・肩、肩胛骨痛・上肢痛、マヒ、火照り・脇肋痛・足首痛・皮膚の乾燥・※副腎皮質機能亢進症状など
◆陽明経病
躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症・下歯痛など
【主症主治】
三叉神経痛(眼神経)
【配穴】
+少商…耳鳴〔上関は補〕
【症例・個人的見解】
・甲乙経に『禁不可刺深』とある。要注意。
・個人的には、「関」の付く経穴は、筋骨格系の疼痛に有効なように感じる。
・検証:得気が浅層では咬筋周囲に、深層では『攅竹』に走る。片頭痛、眼裏痛、三叉神経痛にはとても有効かと思う。
・手足少陽経-手足陽明経、計4経の交会なので、陽明から少陽へと波及する痛み(脾虚湿盛証に痰火の擾逆など)には著効がある。
※副腎皮質ホルモン…ステロイドホルモン。いすれも生体のエネルギー利用を高める方向に左右する。ストレスに対して視床下部(CRH)⇒下垂体前葉(ACTH)⇒副腎皮質と、血中ホルモンの作用により促進され、血中のステロイド濃度が上位中枢に抑制的に働く。
・糖質コルチコイド…血糖値の上昇・タンパク質分解促進・抗炎症作用・免疫抑制作用・胃酸分泌促進など。クッシング症候群(過剰分泌)では、満月様顔貌・蛋白質質減少・高血糖・高血圧・精神異常などを生じる。
・電解質コルチコイド…血液量の減少やNa⁺濃度の低下に反応してNa⁺再吸収・水分再吸収・K⁺排出を促す。コン症候群(過剰分泌)では多尿・多飲・高血圧・虚弱などを生じる。
・副腎アンドロゲン…通常、活性は弱い。身体を男性化する。副腎性器症候群(過剰分泌)では、女性では体型の男性化・思春期の男性においては、精巣が未熟であるにも関わらず、第2次性徴のみが早熟する。
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