CV4.関元(かんげん)

取穴部位:神闕穴の下3寸、水道穴気穴穴と同じ高さ

要穴:小腸経の募穴

筋肉:白線

知覚神経:肋間神経前皮枝、腸骨下腹神経前皮枝

血管:浅腹壁動脈、下腹壁動脈

関元穴

関元穴(かんげんけつ、舊漢字では關元穴、舊假名遣ひでは「くゎんげんけつ」)は、任脈に属す第4番目の経穴である。

部位

へその下3寸。骨度法では、へそ(神闕穴)と恥骨稜との間を5寸とする

筋肉・神経・血管

知覚神経は腸骨下腹神経前皮枝、肋間神経前皮枝、動脈は浅腹壁動脈下腹壁動脈が通る

効能

小腸経の募穴で、脈診などによって小腸の不調が認められたときや、月経痛・月経不順、子宮けいれん・インポテンツ。小便不利など、泌尿・生殖器肝経の症状に効く。また、リウマチや中風にも効果がある。

名前の由来

この穴には、丹田(たんでん)、大中極など10個以上の別名があり、関元の名の由来についても諸説がある。「丹田」は、赤い色、火と関連があり、精神活動、エネルギー源(元気の素)などと関連があるところから、元気をコントロールする穴という意味ではないか。

その他

別名を丹田といい、武道や技芸の修行では、このあたりに全神経を集中しろといわれる。西洋の文化である声楽でも、このあたりに重心を置き、ほかの余分な力は全部抜くように教えられる。運動や技芸は、呼吸は腹式呼吸で、呼吸のコントロールが一番大切ということである。丹田の丹は朱色で、心臓の色であり、は、精神活動を統制する働きがあるところから、精神の要の場所とされてきている。

ED、男性生殖器疾患, 致命三十六穴, 足厥陰肝経, 足太陰脾経, 足少陰腎経, 募穴「瀉実」, 婦人科疾患, 小腸, 慢性疲労、虚弱体質, 任脈 

CV4)関元guan1yuan2)(かんげん)・丹田dan1tian2)(たんでん)・下丹田・胞門・子宮・血海・次門・下紀・大中極・子戸・子腸・産門・三結交・子処・肓原・小腸募

【取穴】

下腹部、前正中線上、臍中央の下方三寸。
・筋肉:白線

・知覚神経:肋間神経前皮枝、腸骨下腹神経前皮枝

・血管:浅腹壁動脈、下腹壁動脈

【名の由来】

【要穴】

『小腸募穴』
『前三関』
気功用語。小周天功における重要な関所の一つ。
【交会】
・経絡(4):任脈-足三陰経
【作用】
〔補〕補益腎陽・回陽固脱・引火帰元・陽気温通
〔瀉〕導赤通淋・消積散滞・通経行血・遂寒散血
「関=関所」「元=元気」。本穴が臍下丹田に位置し、元気が生じる要である事から。


【弁証主治】

小腸病/液病

黄疸・躁鬱、統合失調症・顔が赤い・リンパ節腫・口渇・便秘・過敏性腸症候群、下痢・脈浮洪・13:0015:00あるいは01:0003:00の異常など

任脈病

泌尿器、婦人科疾患・つわり〔灸27壮〕・尿管結石・下腹部のしこり・痔・糖尿病など

足太陰経病

嚥下困難・心窩部痛・胃腸虚弱、萎縮性胃炎など

足少陰経病

加齢性の症状(認知症・視力の低下・耳鳴、難聴など)・萎縮性舌炎・毛細気管支炎、肺炎など

足厥陰経病

腰痛・性欲の異常・更年期障害など

【主症主治】

脱証・諸虚百損、強い冷え性

【弁証配穴】

『兪募配穴(小腸):関元+小腸兪』小腸病

『募合配穴(小腸):関元+下巨虚』小腸実熱証〔瀉法〕

『原募配穴(手太陽経):関元+腕骨』手太陽経病

【主症配穴】

+上巨虚〔瀉〕口内炎

+帯脈…※奔豚〔金鍼〕

+大敦…※腎疝

+腎兪慢性腎炎 〔関元は灸〕

+大腸兪…※霍乱・便漏れ〔関元は補〕

+長強下痢 〔火鍼〕

+太衝〔瀉〕虫下し

+大陵血尿

無症性血尿は膀胱腫瘍(膀胱癌)の可能性もある。要注意。

+陰陵泉〔瀉〕尿が濁る

+三陰交〔瀉〕生理痛