L20.脾兪(ひゆ)

取穴部位:第11・第12胸椎棘突起間(脊中穴)の外15

要穴:脾経の兪穴

筋肉:広背筋、腰背腱膜

運動神経:胸背神経

知覚神経:胸神経後枝

血管:肋間動脈

BL20.脾兪(ひゆ)

脾兪は、脾の背部兪穴、脾経の主治穴の意味。

 

第11・第12胸椎棘突起間の外1寸5分に取る。

解剖学的データ

筋肉

広背筋

広背筋 (こうはいきん)

下位胸椎および腰椎の棘突起、腸骨稜、肩甲骨の下角から起こり、上腕骨の上部小結節稜に停止する筋肉。主に上腕を内側や後方に引く作用がある。

 

下後鋸筋

下後鋸筋 (かこうきょきん)

第10胸椎~第2腰椎の棘突起から起こり、第9~12肋骨に停止する筋肉。主に肋骨を引き下げる作用がある。

運動神経

胸背神経

胸背神経 (きょうはいしんけい)

第6~8頸神経から起こり、肩甲骨の外側縁を下行して広背筋を支配する神経。

 

肋間神経‐筋枝

肋間神経 (ろっかんしんけい)

胸神経前枝のことで、肋間動静脈とともに肋間を走行する神経。肋間神経からは、外肋間筋・内肋間筋・最内肋間筋・肋下筋・胸横筋・内腹斜筋・外腹斜筋・腹横筋・腹直筋・錐体筋・肋骨挙筋・上後鋸筋・下後鋸筋を支配する筋枝が出る他、前胸部から体表に出て知覚を司る前皮枝、体幹の外側で体表に出て知覚を司る外側皮枝が分岐する。第2もしくは第1・第3肋間神経外側皮枝は肋間上腕神経の一部となる。

知覚神経

胸神経‐後枝

胸神経 (きょうしんけい)

胸椎の高さから出る12対の脊髄神経のこと。胸神経の前枝は肋間神経ともいい、胸部や腹部の筋肉の支配や皮膚の知覚を司る。また、後枝は背部の筋肉や皮膚を分節的に支配する。

血管

肋間動脈

肋間動脈 (ろっかんどうみゃく)

最上肋間動脈・胸大動脈から起こり、肋骨の下縁(肋間)に沿って走る動脈のこと。肋間動脈の起始部近くからは背枝が出ており、さらに背筋を栄養する筋枝、脊髄を栄養する脊髄枝、背部の皮膚を栄養する皮枝に分かれる。また肋間動脈が内肋間膜を貫通すると側副枝が出ており、下位の肋骨の上縁に沿って走る。胸郭の外側部では外側枝が出ており、さらに前枝と後枝に分かれ胸郭外側壁の皮膚に栄養するが、前枝からは乳腺枝が出て乳腺も栄養する。

 

ローテーター・カフ

回旋腱板または回旋筋腱板ともいい、肩甲下筋・棘上筋・棘下筋・小円筋によって形成される板状の腱のこと。

 

主治・対象疾患

腹部の脹り

腹痛

嘔吐

吐き気

消化不良

食欲不振

胃潰

十二指腸潰瘍

胃カタル

胃アトニ―

胃下垂

胆石

黄疸

疲労感

貧血

膵炎

脚気

糖尿病

脳性麻痺

うつ症状

認知症

リウマチ

背部痛

腰痛

ぎっくり

 

 

 

脾兪は消化を促進する作用があるため、下痢や便秘などおなかの不調や消化不良に効果がある。体のだるさやめまい、肩こりにも効く。

  • 穴性:健脾化湿
  • 健脾(けんぴ):脾の機能(運化、昇清、統血)を改善する

 

ひゆ:BL20

MRI断面写真

鍼灸法

Spine (督脈) の外方1 inch 5分に取る。

場所

背中の上部、第11胸椎の棘突起は1インチ5分です。

腱と肋骨

腰椎および背側腱膜、背側腱、脊椎勃起腱

ディバインリボンドミネーション

腱枝:胸枝と背中枝、脊椎枝と背枝

樹皮の枝:胸の神は後ろの枝です

血管神経支配

肋間動脈の背側枝