頚神経叢
頚神経叢(けいしんけいそう)とは脊髄神経から分岐し頭・首・上肢のうちに頭・顔・首へ繋がる神経叢の名称。
頚神経叢は脊髄神経から分岐し頭部・背中・肩部と上肢のうち鎖骨・肩・上腕・前腕・手に繋がる腕神経叢と相互に連結しているためこれらを合わせて頚腕神経叢と呼ぶ。
頚神経叢の構成
頚神経叢は第1頚神経~第4頚神経の前枝から構成されており、胸鎖乳突筋に覆われて側頚部にある。
枝は皮枝と筋枝に分かれる。
皮枝
小後頭神経(C2~C3)→ 後頭部
耳介
耳介(じかい、pinna)または耳殻(じかく)とは、動物の耳のうち、外に張り出て飛び出している部分のこと。外耳の一部。音を集める機能の他、動物によっては体温調節の機能などを担っている場合もある。なお、厳密な定義では耳には耳介以外の部分も含まれているのだが、一般生活においては耳介の部分を指して「耳」と呼ぶことが多い。 ヒトの耳介 ヒトの耳介は、頭部の左右に1対存在する。この部分は、主に軟骨と皮膚とでできている。しかし、耳垂の部分には軟骨が存在しない。なお、耳介の部分に存在する軟骨を、耳介軟骨と呼ぶ。ここにはエラスチンが多く含まれており、これが耳介の形状を一定に保つのに役立っている。 さて、ヒトの耳介も、他の動物の耳介と同様に、集音器として役立っている。これは手を耳介の後ろにあてがってみれば、音の聞こえが良くなることから、その効果を確かめることができる。ただし、ヒトの場合は耳介を動かすための筋肉群(前耳介筋、上耳介筋、後耳介筋、対珠筋など)が退化しているため、耳介を意図的に動かして集音するということは事実上できない。稀にヒトでも耳介を動かすことができる個体もいるが、例えばネコのように聴きたい方向に耳介の向きを合わせるなどといった芸当は、ヒトでは到底不可能である。 それから、外耳道が共鳴器となり、共鳴する周波数付近の音の感度を上げていることは有名だが、ヒトの耳介に存在する窪みや溝も共鳴器となり、共鳴する音を増幅している[1]。なお、ヒトの耳介で共鳴する音の周波数は、ヒトの外耳道で共鳴する音よりも、さらに高い周波数である。 ちなみに、耳介は外部に露出した部分なので、ヒトの身体の中でも凍傷になりやすい部分として知られている。したがって、寒冷地では耳介を保護するための防寒具が用いられることもある。 この他、ヒトのY染色体の問題によって発症する、耳介の部分に毛が多くなる耳介多毛症と言うものも存在する。 · 副耳 · 福耳 |
後部および耳下腺
耳下腺
耳下腺(じかせん、Parotid gland)は大唾液腺の一つ。 概要 耳下腺は最大の唾液腺であり、三角形を呈し外耳道の前下方にあり、下顎は下顎角に達する。後端は、胸鎖乳突筋及び茎状突起から出る諸筋に接し、その一部は深く下顎後窩に入り顎関節に接し、この部を深部という。 上縁は下顎枝および咬筋の外面で頰骨弓の下にある。前後径3〜3.5cm、上下径4〜5cm、厚さ2〜2.5cm、耳下腺管は長さ5〜6cmあり、この腺の前上部から出て頰骨弓の下約1cmの所をこれと平行に咬筋の外面に沿って前走し、その前縁で内方に曲がり頰筋および頰の粘膜を貫いて上顎の第2大臼歯の歯冠の高さで、その対岸にある耳下腺乳頭で口腔前庭に開口する。耳下腺管の上方に副耳下腺があることがあり、その導管は耳下腺管と合する。 顕微鏡解剖学的には、純漿液性であり、腺の形から言えば複合包状腺である。 小葉間結合組織により多数の小葉に分かれ、大きい導管以外は小葉内に含まれる。尚、耳下腺の間質には脂肪組織が多いのが特徴である。終末(分泌)部は漿液細胞よりなり、核は円くて細胞質は顆粒に富む為に暗く見える。 分泌物が多く溜まると細胞は大きくなりかつやや明るく見える。細胞間分泌細管があり、また細胞と基底膜との間には扁平な籠細胞(筋上皮細胞)がある。尚、腺細胞の外側半(核半分)はやや塩基好性に染まる。これは粗面小胞体の集積の為であり、蛋白質合成が盛んなことを示している。終末部は細長い介在導管(介在部、峡部)によって線条導管(線条部)に連なり、これが集まってやや太い導管となり耳下腺管となる。介在導管の壁は低い単層立方上皮で内腔が狭く、線条導管の壁はその基底膜に近く縦線(基底線条)のある単層円柱上皮で内腔はやや広い。導管は大きくなるにしたがい単層ないし二層円柱上皮で覆われ、内腔は次第に大きくなる。 顔面神経とその枝及び外頚動脈とその枝は耳下腺を通り抜ける。ただし顔面神経は耳下腺を支配しない。舌咽神経の枝が唾液の分泌をコントロールする。 |
付近
頚横神経(C3)→ 側頚部および前頚部
鎖骨上神経(C3~C4)→ 鎖骨上下および肩
いずれも胸鎖乳突筋の後縁から皮下に現れ、小後頭神経は胸鎖乳突筋と僧帽筋との間を斜めに後上し、大耳介神経は胸鎖乳突筋の表面を上方へ行き、頚横神経は胸鎖乳突筋の表面を前方へ行き、鎖骨上神経は数枝に分かれ、鎖骨の表面を下方へ走り、全体として放射状に分散し上述の各分布区域の皮膚に行く。
筋枝
後頭筋群に枝を与えているほか、副神経と吻合し、C2~C4を主体に胸鎖乳突筋と僧帽筋に、また頚神経ワナとして舌下神経と吻合しながら舌骨下筋群に枝を送っており、他に頚神経叢の筋枝として横隔神経(C3~C5)をあげられ、C4を主体にその上下の頚神経1~2本から構成され、頚神経叢を出ると前斜角筋前を下行し、胸腔に入り、心嚢と縦隔胸膜の間を通り、横隔膜に達し(その時に、肺門前を通るものの迷走神経は肺門の後を下がる)筋に分布し、途中で心嚢と胸膜にも知覚枝を送る。
関連項目[編集]
· 頚神経叢ブロック
· 後頸三角
· 後頸三角
後頸三角 |
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後頸三角 |
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Side of neck, showing chief surface markings. (Nerves are yellow, arteries are red.) |
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概要 |
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表記・識別 |
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regio cervicalis lateralis, trigonum cervicale posterius |
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· 後頸三角(こうけいさんかく、posterior triangle)を構成するものは僧帽筋前縁、胸鎖乳突筋後縁、鎖骨。外頸静脈、頚横動脈、頚神経叢、腕神経叢、頚リンパ節、副神経、胸管が後頸三角を通る。