生薬名
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ソウジュツ
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生薬英名
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Atractylodes Lancea
Rhizoma
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生薬ラテン名
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ATRACTYLODIS LANCEAE
RHIZOMA
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生薬和名
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蒼朮
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基原植物
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Atractylodes
lancea De Candole (ホソバオケラ)
植物詳細
植物名
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ホソバオケラ
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ラテン名
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Atractylodes
lancea De Candole
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科名
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Compositae
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和科名
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キク科
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一般名
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ホソバオケラ
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一般英名
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品種等
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分類
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多年生草本
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画像
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形態的特徴
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根茎から多数の茎が立ち,草丈は60~80cmとなる.茎は細く,各茎は5~20本の分枝を着生する.葉は互生し,ほとんど無柄,卵状ひ針形~長楕円形で長さ6~8cm,幅1.5~2cm,単葉で全縁または羽状に浅裂~中裂する.9月~10月に頭状花序を頂生し,小花の花冠は白色~帯紅色の管状で,単性花(雌花)である.根茎は通常不整塊形を呈する.
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生態的特徴
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日当たりが良くやや乾燥する肥沃な砂壌土に適する.地下水位の高い所や排水不良地は避けたほうが良い.植物は耐寒性がやや高く,耐旱性はかなり高い.なお,白朮の基原植物であるオケラ及びオオバナオケラと生態を比較すると,萌芽はホソバオケラが最も早く,オケラがこれに次ぎ,オオバナオケラが最も遅い.一方,開花はオケラが早く,ホソバオケラ,オオバナオケラと続く
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生育特性
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寒さの区分
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I~IV
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日照条件
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II~IV
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暖かさの区分
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55~120
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土壌分類
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I~III
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土壌適正
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ア)排水及び保水条件への適性 排水の良い場所に適する. 過湿,特に停滞水を嫌う.(ィ)土質及び土性 砂壌土に適する.(ウ)肥沃地への適性 肥沃地に適するが,やせ地でも栽培可能である.
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遮光
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不要
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画像
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写真ライブラリー
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写真ライブラリー写真ライブラリー(Atractylodes lancea De
Candole (ホソバオケラ))
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種いも
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昭和大系統 1993年9月24日
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葉
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水谷系
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葉
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筑波研究部標本園
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生育期
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水谷系
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生育期
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筑波研究部標本園
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花
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水谷系
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果実
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水谷系
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収穫物
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水谷系
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生薬
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ソウジュツ北海道研究部標本 No.725(湖北省産)
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048-2-1M.jpg
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文献情報
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Chau, V. M. et al., Terpenoids and coumarin from Atractylodes lancea
growing in Vietnam. Tap Chi Hoa Hoc (2004), 42(4), 499-502.
Kitajima, J. et al., Glycosides of Atractylodes ovata. Chemical &
Pharmaceutical Bulletin (2003), 51(9), 1106-1108.
Resch, M. et al., Further phenols and polyacetylenes from the rhizomes of
Atractylodes lancea and their anti-inflammatory activity. Planta Medica
(2001), 67(5), 437-442.
Inagaki, N. et al., Acidic polysaccharides from rhizomes of Atractylodes
lancea as protective principle in Candida-infected mice. Planta Medica
(2001), 67(5), 428-431.
Lehner, M. S. et al., Diacetoxy-substituted polyacetylenes from
Atractylodes lancea. Phytochemistry (1997), 46(6), 1023-1028.
Takeda, O. et al., Variation of essential oil components of Atractylodes
lancea growing in China. Natural Medicines (1995), 49(1), 18-23.
Yahara, S. et al., Studies on the constituents of Atractylodes lancea.
Chemical & Pharmaceutical Bulletin (1989), 37(11), 2995-3000.
Yosioka, I. et al., The constituents on the rhizomes of Atractylodes lancea
DC var. chinensis Kitamura ("Jin-changzhu") and Atractylodes
ovata DC ("Chinese baizhu"). The gas chromatographic analysis of
the crude drug "zhu". Yakugaku Zasshi (1976), 96(10), 1229-35.
Yoshioka, I. et al., Constituents of Atractylodes. XI. Structure and
absolute configuration of hinesol. Chemical & Pharmaceutical Bulletin
(1969), 17(4), 856-7.
Yoshioka, I. et al., Constituents of Atractylodes. III. Separation of
atractylol into eudesmol and hinesol. Chem. & Pharm. Bull. (1959), 7,
319-23.
Takahashi, S. et al., Constituents of Atractylodes. II. Composition of the
essential oil in the rhizome of Atractylodes lancea. Yakugaku Zasshi
(1959), 79, 544-7.
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生薬名
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ソウジュツ
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組織培養物及び効率的増殖法
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Atractylodes_lancea-Ref-1
, 組織培養物及び効率的増殖法_文献
植物名
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ホソバオケラ
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ラテン名
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Atractylodes
lancea De Candole
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文献コード
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Atractylodes_lancea-Ref-1
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出典(著者,雑誌,巻号頁,発行年)
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Shoyama Y et
al, Shoyakugaku Zasshi 41(4): 313-317 (1987)
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要約(和訳)
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ホソバオケラAtractylodes lancea DC.の茎頂をBAP(1及び2.5 ppm)とIAA(1 ppm)を添加した培地で4週間培養した.シュートをBAP 5 ppmとIAA 1 ppm添加培地で7週間継代培養したところ,切片当たり約11本のシュートが形成した.一方,BAP 2.5 ppmとNAA 1 ppm添加培地で培養したところ,マルチプルシュート形成と細胞集塊の形成が誘導された.引き続き,これらのシュートをオーキシン(IAA、NAA及びBA)を含む培地あるいは植物ホルモン無添加培地へ移植したところ,発根が誘導された.オーキシンのかわりにGAを含む培地,あるいは植物ホルモン無添加培地にGAを添加した培地では,塊茎の肥大が観察された.その移植は良好であった.
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目的
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種子が付かず栄養繁殖でしか増殖できない本植物のクローン増殖法の確立
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材料(品種,系統,産地,由来)
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国立衛生試験所北海道薬用植物栽培試験場(現:独立行政法人医薬基盤研究所薬用植物資源研究センター北海道研究部)由来植物
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外植片
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休眠打破処理した根茎を殺菌したバーミキュライイトに植え,形成したシュートを5%次亜塩素酸ナトリウムで10分間,70%エタノールで30秒間殺菌後,滅菌水で2回洗浄後,実体顕微鏡下で取り出した2枚の葉原基をもつ長さ0.5-1 mmの茎頂
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初期培養
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外植片(茎頂)からのシュート誘導:MS培地 + 3%ショ糖 +
IAA 1 ppm + BAP 1又は2.5 ppm,25℃,連続照明,4週間
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シュート増殖
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MS培地 + 3%ショ糖 + IAA 1 ppm +
BAP 5 ppm,25℃,連続照明,7週間,1シュート切片から11本のシュートが形成。このシュート形成能は、最低約5年間は継続。
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発根
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MS培地 + 3%ショ糖 + IAA, IBA ,
NAA, ABA, GA (いずれも0.5, 1, 2 ppm)又はホルモンフリー,25℃,連続照明,6週間,2葉柄を含むシュート切片が発根,GA 2 ppmが根の肥大に最も効果的
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馴化条件
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記載無し
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鉢上げ・定植
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バーミキュライトへの植出は良好
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栽培条件
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記載無し.
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再生植物体の形質
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記載無し
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分析した成分
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記載無し
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成分の抽出法
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記載無し.
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分析法
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記載無し.
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備考
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Atractylodes_lancea-Ref-2
組織培養物及び効率的増殖法_文献
植物名
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ホソバオケラ
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ラテン名
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Atractylodes
lancea De Candole
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文献コード
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Atractylodes_lancea-Ref-2
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出典(著者,雑誌,巻号頁,発行年)
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Hiraoka N et
al, Plant Cell Reports 3:85-87 (1984)
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要約(和訳)
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シュート培養は蕾を10-5MのNAAおよび10-5MのBAPを加えたLS培地に植付けて得られた.また,シュートは10-6MのBAPを加えた培地で増殖した.植物生長調節物質を含まない培地で発根したシュートは,ポット土壌に移植され,最終的に圃場に移植された.
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目的
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蕾からの急速クローン増殖法の開発
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材料(品種,系統,産地,由来)
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7月下旬から8月初旬に採取された蕾
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外植片
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蕾(長さ10mm, 直径3mm)
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初期培養
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10-6Mおよび10-5MのNAAまたはBAPを加えたLS培地で1ヶ月培養.10-5MのNAAおよびBAPにおいてシュートが誘導された.
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シュート増殖
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LS基本培地に10-5Mおよび10-6MのBAP,カイネチン,IP,ゼアチンを含む培地で培養.また,LS基本培地に10-6MのBAPを加えた培地に,0, 10-5, 10-6, 10-7MのIAAまたは,0, 10-5, 10-6, 10-7, 10-8MのIBAまたは,0, 10-6, 10-7, 10-8MのNAAを加え培養.LS基本培地に10-6MのBAPを加えたものが最も良かった.
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発根
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希釈なし, 2, 4倍希釈したそれぞれのLS培地に,0, 10-6, 10-5MのIAAおよびNAAを加え培養.希釈せず植物生長調整物質を含まない培地が最も良かった.
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馴化条件
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鉢上げ・定植
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バーミキュライトのみ,バーミキュライト:砂:ピート=6:2:2に消石灰 1%,砂:滅菌腐葉土=7:3,土:砂:ピート=4:3:3に消石灰 1%の4処理区を設け,土:砂:ピート=4:3:3に消石灰 1%の区が最も良かった.
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栽培条件
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再生植物体の形質
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分析した成分
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成分の抽出法
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分析法
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備考
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植物体栽培及び植物の効率的生産法
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栽培情報 植物体栽培及び植物の効率的生産法
植物名
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ホソバオケラ
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ラテン名
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Atractylodes
lancea De Candole
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種苗および品種
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栽培品種は未だ育成されていないが,在来種としてサドオケラという系統がある.この系統及び中国の自生株には成分組成の異なる系統(株)が見られる.日本薬局方ではアトラクチロンを含まないことが規定されているので,栽培する場合には同成分を含まない基原の選定が前提条件となる.
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繁殖
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通常,株分けした根茎(種イモ)を用いる.秋,収穫した株の地上部を基部から切り取り,根茎を30g(約3芽)〜60g(約5芽)に分割し,苗とする.
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栽培適性
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秋植えした根茎は翌春萌芽するが,1株の芽がすべて萌芽するには20日くらい要する.当初は根生葉状を呈し,間もなく茎が伸長し始める.伸長とともに茎葉の腋がら分枝が発生するが,その着生位置,数は系統によって異なる.根茎の栄養分はこの萌芽のために多量に消費され,その肥大は生育後半に急激に進むようである.夏になると各茎頂及び枝頂に着蕾し,秋に開花する.
植え付け後4年間の生育過程は系統によって多少遅速があり,初期のうちは種イモの大きさによっても影響される.草丈は3年目にその系統特有の値を示し,種イモの影響も消去される.茎数は3年間に亙って直線的に増加し,4年目にその増加は鈍化する.乾物重の増加は,当初の3年間直線的に進む系統と,4年目の増加も比較的大きい系統とがあり,特性の1つと思われる.
種イモの大きさは1年目の草丈,茎数,乾物重などに影響するが,2年目以降はほとんど影響が見られなくなる.苗の大きさは,その地域での活前半や萌芽の遅速によって判断したほうが良い.
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播種,定植および育苗
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株分けの場合は秋植えとする.窪地や排水不良地のない畑を選定し,まず,堆肥を10a当たり2,000〜3,000 kg 前後散布する.散布後,プラウで耕起し,次にロータリーで2,3回耕うん,整地し,苗をやや深めに植え付ける.栽植密度は3年栽培で条間60 cm, 株間30 cm (10a当たり5,500株)が適当であり,栽植密度を高くしても個体重が小さくなって多収にはならない.
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肥料
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管理
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6月から9月にかけて適宜除草する.長期間栽培する作物なので,どうしても土が固くなるため,年に数回中耕して適水性を保つことが重要である.
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病害虫駆除
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栽培上,大きな被害をもたらす病虫害は知られていないが,アブラムシの発生が多少見られ,また,白絹病が発生することもあるので,適宜防除を行う.
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収穫・調製
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生育年次及び時期による成分量の変化は少ないという研究結果もあるが,研究の蓄積がほとんどないので,成分から見た収穫適期は決定しがたい.一方,根茎は茎葉が枯死するまで肥大を続けるので,栽培面からは,その頃が収穫適期であり,中国では地上部枯死から翌年萌芽までの期間に収穫している.わが国では現在のところ,株分け苗を利用するため,栽培地域での植え付け時期に合わせて収穫しなければならず,例えば北海道では10月上旬〜中旬が限度である. まず,茎葉を刈り取り,次いで,手掘りの場合には畑の一方からスコップまたは鍬で掘り起こして行く.機械で掘る場合は,デガーを利用すると良い.掘り上げた株は水洗後,天日または機械で乾燥するが,株が大きい場合は分割ないし切片にしても良い.乾燥の終わったものは,磨きをかけて根を除き,製品とする.
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収量
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3年生で1,000〜1,500 kg (乾燥重)である.
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参考情報(生物活性)
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抗酸化活性について,部位別のORAC値(μmolTE/g
新鮮重)は,ホソバオケラ,地上部全体:151.7,葉:118.1,茎:61.4,根・根茎:16.4.
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参考情報(生物活性)ファイル
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特性分類表
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栽培暦
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栽培方法関連データ
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表題
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ホソバオケラの無機成分吸収量
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関連データ種別
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無機成分吸収量
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画像、ファイル
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ホソバオケラの無機成分吸収量.pdf
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概要
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株分け3年生における窒素,リン酸,カリウム,カルシウムおよびマグネシウムの吸収量
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表題
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ホソバオケラ3年株の機械による堀上げ
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関連データ種別
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機械化情報2 収穫
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画像、ファイル
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ホソバオケラ機械収穫.jpg
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概要
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ホソバオケラ3年株のスーパーソイラによる堀上げ
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表題
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ホソバオケラ参考文献
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関連データ種別
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文献情報
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画像、ファイル
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ホソバオケラ参考文献.pdf
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概要
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ホソバオケラ,ソウジュツに関する参考文献
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栽培方法関連写真データ
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種子発芽情報データ
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備考
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備考ファイル
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さく葉標本情報
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さく葉標本 さく葉標本
植物名
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ホソバオケラ
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ラテン名
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Atractylodes
lancea De Candole
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備考
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ホソバオケラ
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さく葉標本写真情報
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写真
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表題
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ホソバオケラ
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採取地
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江蘇省
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採取日
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1971
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採取者
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謝宗万
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鑑定者
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備考
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(株)ツムラ提供
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トランスクリプトーム・ゲノミクス情報
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稀少植物情報
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保有資源情報
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導入年
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保有研究部
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導入番号
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1972
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北海道研究部
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5935-72HK
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1979
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筑波研究部
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0506-79TS
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1981
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北海道研究部
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9342-81HK
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1984
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北海道研究部
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11421-84HK
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1986
|
北海道研究部
|
12258-86HK
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1986
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北海道研究部
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12259-86HK
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1987
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種子島研究部
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0001-87TN (IZ)
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部位
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根茎
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局方収載
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局
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食薬区分
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専ら医薬品
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生薬成分
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精油:hinesol,
β-eudesmol, elemol, atractylodin など 日本薬局方において,精油含量は0.7 ml/50 g と規定されている.精油の主成分はヒネソール,オイデスモール,アトラクチロディンなどである.各成分の含有量は,国内で保存されているサドオケラを含むホソバオケラ40系統について,ヒネソール0.52土0.59%,オイデスモール0.96土0.72%,アトラクチロディン0.25土0.12%であったという研究結果がある.
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成分(化合物)
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Atractylodin(アトラクチロジン) , 化合物情報詳細
名称
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Atractylodin(アトラクチロジン)
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別名
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2-(1,7-Nonadiene-3,5-diynyl)furan,
9CI. 1-(2-Furanyl)-1,7-nonadiene-3,5-diyne.
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構造
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atractylodin.mol
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分子式
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C13H10O
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分子量
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182.221
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IUPAC名
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2-[(1E,7E)-nona-1,7-dien-3,5-diynyl]furan
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CAS
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55290-63-6
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Other DB
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文献情報
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NMR情報
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(LC/GC)MS情報
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この化合物を含有する生薬名
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ソウジュツ(ATRACTYLODIS LANCEAE RHIZOMA )
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β-Eudesmol(β-オイデスモール)化合物情報詳細
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性状
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蒼朮は不規則に屈曲した円柱形を呈し,長さ3~10 cm, 径1~2.5 cm, 外面は暗灰褐色~暗黄褐色である.横切面はほぼ円形で,淡褐色~赤褐色の分泌物による細点を認める.本品はしばしば白色綿状の結晶を析出する.本品は特異なにおいがあり,味はわずかに苦い.本品の横切面を検鏡するとき,周皮には石細胞を伴い,皮部の柔組織中には,通例,繊維束を欠き,放射組織の末端部には淡褐色~黄褐色の内容物を含む油室がある.木部は形成層に接して道管を囲んだ繊維束が放射状に配列し,髄及び放射組織中には皮部と同様な油室がある.柔細胞中にはイヌリンの球晶及びシュウ酸カルシウムの小針晶を含む.
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用途
|
健胃整腸,止寫,利尿,鎮痛
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調製法
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生育年次及び時期による成分量の変化は少ないという研究結果もあるが,研究の蓄積がほとんどないので,成分から見た収穫適期は決定しがたい.一方,根茎は茎葉が枯死するまで肥大を続けるので,栽培面からは,その頃が収穫適期であり,中国では地上部枯死から翌年萌芽までの期間に収穫している.わが国では現在のところ,株分け苗を利用するため,栽培地域での植え付け時期に合わせて収穫しなければならず,例えば北海道では10月上旬~中旬が限度であろう. まず,茎葉を刈り取り,次いで,手掘りの場合には畑の一方からスコップまたは鍬で掘り起こして行く.機械で掘る場合は,デガーを利用すると良い.掘り上げた株は水洗後,天日または機械で乾燥するが,株が大きい場合は分割ないし切片にしても良い.乾燥の終わったものは,磨きをかけて根を除き,製品とする.
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エキス収率
|
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文献情報
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処方
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原典で朮として配合されているもの・・桂枝加朮附湯,桂枝加苓朮附湯,茯苓飲加半夏
原典で蒼朮として配合されているもの・・加味平胃散,香砂平胃散,五積散,消風散,清湿化痰湯, 清上蠲痛湯,疎経活血等,治頭瘡一方,不換金正気散,平胃散,薏苡仁湯 原典で蒼朮・白朮の両方が配合されているもの・・胃苓湯,香砂養胃湯,実脾飲,二朮湯,半夏白朮天麻湯,分消湯,補気建中湯
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モデル試料 8件モデル試料一覧
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チェックしたモデル試料のカテゴリ横断データを表示
チェックしたモデル試料のカテゴリ横断データを表示
モデル試料詳細
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遺伝子情報 11件リンクをクリックすると、詳細情報を表示します。
生薬詳細
生薬名
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ソウジュツ
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生薬英名
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Atractylodes
Lancea Rhizoma
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生薬ラテン名
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ATRACTYLODIS
LANCEAE RHIZOMA
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生薬和名
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蒼朮
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基原植物
|
Atractylodes
lancea De Candole (ホソバオケラ)
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部位
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根茎
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局方収載
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局
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食薬区分
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専ら医薬品
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生薬成分
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精油:hinesol,
β-eudesmol, elemol, atractylodin など 日本薬局方において,精油含量は0.7 ml/50 g と規定されている.精油の主成分はヒネソール,オイデスモール,アトラクチロディンなどである.各成分の含有量は,国内で保存されているサドオケラを含むホソバオケラ40系統について,ヒネソール0.52土0.59%,オイデスモール0.96土0.72%,アトラクチロディン0.25土0.12%であったという研究結果がある.
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成分(化合物)
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Atractylodin(アトラクチロジン) , β-Eudesmol(β-オイデスモール)
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性状
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蒼朮は不規則に屈曲した円柱形を呈し,長さ3~10 cm, 径1~2.5 cm, 外面は暗灰褐色~暗黄褐色である.横切面はほぼ円形で,淡褐色~赤褐色の分泌物による細点を認める.本品はしばしば白色綿状の結晶を析出する.本品は特異なにおいがあり,味はわずかに苦い.本品の横切面を検鏡するとき,周皮には石細胞を伴い,皮部の柔組織中には,通例,繊維束を欠き,放射組織の末端部には淡褐色~黄褐色の内容物を含む油室がある.木部は形成層に接して道管を囲んだ繊維束が放射状に配列し,髄及び放射組織中には皮部と同様な油室がある.柔細胞中にはイヌリンの球晶及びシュウ酸カルシウムの小針晶を含む.
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用途
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健胃整腸,止寫,利尿,鎮痛
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調製法
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生育年次及び時期による成分量の変化は少ないという研究結果もあるが,研究の蓄積がほとんどないので,成分から見た収穫適期は決定しがたい.一方,根茎は茎葉が枯死するまで肥大を続けるので,栽培面からは,その頃が収穫適期であり,中国では地上部枯死から翌年萌芽までの期間に収穫している.わが国では現在のところ,株分け苗を利用するため,栽培地域での植え付け時期に合わせて収穫しなければならず,例えば北海道では10月上旬~中旬が限度であろう. まず,茎葉を刈り取り,次いで,手掘りの場合には畑の一方からスコップまたは鍬で掘り起こして行く.機械で掘る場合は,デガーを利用すると良い.掘り上げた株は水洗後,天日または機械で乾燥するが,株が大きい場合は分割ないし切片にしても良い.乾燥の終わったものは,磨きをかけて根を除き,製品とする.
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エキス収率
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文献情報
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処方
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原典で朮として配合されているもの・・桂枝加朮附湯,桂枝加苓朮附湯,茯苓飲加半夏
原典で蒼朮として配合されているもの・・加味平胃散,香砂平胃散,五積散,消風散,清湿化痰湯, 清上蠲痛湯,疎経活血等,治頭瘡一方,不換金正気散,平胃散,薏苡仁湯 原典で蒼朮・白朮の両方が配合されているもの・・胃苓湯,香砂養胃湯,実脾飲,二朮湯,半夏白朮天麻湯,分消湯,補気建中湯
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モデル試料 8件
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遺伝子情報 11件
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日本薬局方情報
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定量法
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確認試験法
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確認試験法(TLC)
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乾燥減量
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灰分
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酸不溶性灰分
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エキス含量
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精油含量
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純度試験
|
その他
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NMR情報 2件
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漢方処方情報
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桂枝加朮附湯 , 五苓散 , 疎経活血湯
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生物活性情報
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NO
production inhibitory activity , Oxygen
radical absorption , Erythrocyte
method (Intracellular reactive oxygen
species scavenging activity)
, Amyloid
beta cell death
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日本薬局方情報
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定量法 定量法詳細
生薬名
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ソウジュツ
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試験名称
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定量法
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分析条件
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記載なし
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備考
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確認試験法
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確認試験法(TLC)
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乾燥減量
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灰分 各種試験法詳細
生薬名
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ソウジュツ
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試験名称
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灰分
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分析条件
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灰分〈5.01〉 7.0%以下.
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備考
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酸不溶性灰分 各種試験法詳細
生薬名
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ソウジュツ
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試験名称
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酸不溶性灰分
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分析条件
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酸不溶性灰分〈5.01〉 1.5%以下.
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備考
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エキス含量
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精油含量 各種試験法詳細
生薬名
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ソウジュツ
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試験名称
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精油含量
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分析条件
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精油含量〈5.01〉 本品の粉末50.0gをとり,試験を行うとき,その量は0.7mL以上である.
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備考
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純度試験 各種試験法詳細
生薬名
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ソウジュツ
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試験名称
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純度試験
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分析条件
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(1) 重金属〈1.07〉 本品の粉末3.0gをとり,第3法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液3.0mLを加える(10ppm以下).
(2) ヒ素〈1.11〉 本品の粉末0.40gをとり,第4法により検液を調製し,試験を行う(5ppm以下).
(3) ビャクジュツ 本品の粉末0.5gにエタノール(95)5mLを加え,水浴中で2分間温浸してろ過した液2mLにバニリン・塩酸試液0.5mLを加えて直ちに振り混ぜるとき,液は1分以内に赤色~赤紫色を呈しない.
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備考
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その他
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NMR情報 2件NMR情報一覧
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NMR情報詳細
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漢方処方情報
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桂枝加朮附湯 , 漢方処方情報
処方番号
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処方名(漢字)
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桂枝加朮附湯
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処方よみがな
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けいしかじゅつぶとう
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処方局法収載
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医療用処方
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処方成分分量
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ケイヒ 3-4 シャクヤク 3-4 タイソウ 3-4 ショウキョウ 1-1.5(ヒネショウガを使用する場合3-4) カンゾウ 2 ソウジュツ 3-4(ビャクジュツも可) ブシ 0.5-1
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処方用法・用量
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処方効能・効果
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処方原典
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処方出典
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処方エキス収率ファイル名
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文献情報
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生薬名
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ケイヒ , シャクヤク , タイソウ , ショウキョウ , カンゾウ , ソウジュツ , ブシ
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副作用情報
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Kampo CONSORT Statement
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五苓散 , 漢方処方情報
疎経活血湯 漢方処方情報
処方番号
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処方名(漢字)
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疎経活血湯
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処方よみがな
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そけいかっけつとう
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処方局法収載
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医療用処方
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処方成分分量
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トウキ 2-3.5 ジオウ 2-3 センキュウ 2-2.5 ソウジュツ 2-3(ビャクジュツも可) ブクリョウ 1-2 トウニン 2-3 シャクヤク 2.5-4.5 ゴシツ 1.5-3 イレイセン 1.5-3 ボウイ 1.5-2.5 キョウカツ 1.5-2.5 ボウフウ 1.5-2.5 リュウタン 1.5-2.5 ショウキョウ 0.5 チンピ 1.5-3 ビャクシ 1-2.5 カンゾウ 1
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処方用法・用量
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処方効能・効果
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処方原典
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処方出典
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処方エキス収率ファイル名
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文献情報
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生薬名
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トウキ , ジオウ , センキュウ , ソウジュツ , ブクリョウ , トウニン , シャクヤク , ゴシツ , イレイセン
, ボウイ , キョウカツ , ボウフウ , リュウタン , ショウキョウ , チンピ , ビャクシ , カンゾウ
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副作用情報
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Kampo CONSORT Statement
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生物活性情報
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NO
production inhibitory activity , 生物活性情報
試験名
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NO production
inhibitory activity
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研究領域
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免疫系
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試験レベル
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Cell-based
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プロトコール
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<NO産生抑制試験>
96ウェルプレートにマウスマクロファージ様細胞株RAW264.7細胞を1.2×106cells/mlに調製して、200ul撒き、37℃、5%CO2の条件下で、前培養を2時間行ない、LPSを100ng/ml、IFN-γを0.3ng/mlの濃度になるように添加し、さらに、DMSOに溶解した被検物質のサンプルを100ug/mlになるように投与した。37℃、5%CO2の条件下で、16時間、本培養を行なった。
培養上清を回収し、NO2-をグリース試薬により発色させ、550nm(対照650nm)の吸光度を測定し、下記式によりNO産生抑制率を算出した。
NO産生抑制率=(1-(AS-AN)/(AD-AN))×100
AN:未処理群の吸光度
AS:サンプル/LPS/IFN添加群の吸光度
AD:DMSO/LPS/IFN添加群の吸光度
培養上清を回収した残りの細胞にMTT試薬を0.1mg/mlの濃度になるように添加し、37℃、5%CO2の条件下で、4時間、培養を行なった。培養上清を捨て、150ulのDMSOに溶解し、550nm(対照650nm)の吸光度を測定し、下記式により細胞生存率を算出した。
細胞生存率=AS/AD×100
AS:サンプル/LPS/IFN添加群の吸光度
AD:DMSO/LPS/IFN添加群の吸光度
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結果タイプ
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PubMed ID
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備考
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ソウジュツ
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活性試験結果情報
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%
inhibition
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Oxygen
radical absorption , 生物活性情報
試験名
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Oxygen radical
absorption
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研究領域
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その他
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試験レベル
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Cell-free
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プロトコール
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0.1mM
2,2-diphenyl-1-picrylhydrazyl (DPPH)エタノール溶液1.8 mLに被検物質(最大濃度30 mg/mL)または(+)-catechin(10μM~3 mM)の水溶液0.2 mLを添加し、混和して室温に放置した。20分後に517 nmでの吸光度を測定した。Back groundはエタノール1.8 mLに精製水0.2 mLを混和したものを用い、0.1mM DPPHエタノール溶液に精製水0.2mLを添加したものを100%として、被検物質添加DPPH溶液の吸光度からその濃度での抑制率を求めた。被検物質の対数濃度と抑制率の用量作用曲線を求め、直線性を示すような2~4点から最小二乗法で50%抑制率(IC50)を求めた。50%抑制率に達しない時は外挿して求めた。また、最大抑制率も求めた。
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結果タイプ
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PubMed ID
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備考
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陽性対照: (+)-catechin (Shigma-Aldrich) IC50 =
0.117 (mg/mL)
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活性試験結果情報
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IC50
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Erythrocyte
method (Intracellular reactive oxygen
species scavenging activity)
, 生物活性情報
試験名
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Erythrocyte
method (Intracellular reactive
oxygen species scavenging activity)
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研究領域
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その他
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試験レベル
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Cell-based
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プロトコール
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マウス心臓から採血し、赤血球を単離し、採取血液量の2.5倍容量に0.5%glucose含有生理食塩水で希釈した赤血球を使用した。単離赤血球0.5mLとオートクレーブで滅菌し55℃程度に冷やした2%gluose含有Krebs-10mM リン酸緩衝液(pH7.4)寒天培地6mLを9cm浅型滅菌シャーレに流し入れ、均一に混和し、固化した。(+)-catechinを標準物質(30~1 mM)として、被検物質は30、10、3、1 mg/mLに生理食塩水に溶解し、それらの40μLを寒天培地上の8mm厚手ペーパーディスクに滴下した。厚手のペーパーディスクと2mm離して置いた6mm薄手ペーパーディスクには5μLのglucose
oxidase (GOD)生理食塩水溶液(30、100、300 U/mL)を滴下した。シャーレにアルゴンガスを充填して、37℃で一晩培養した。赤血球寒天培地上のGODディスクの周囲に出来た溶血円半径を測定した。この時、被検薬ディスク側と反対側の溶血円の半径をcontrol、被検薬ディスク側の溶血円半径をtestとした。被検薬ディスクに生理食塩水を入れた時の被検薬側の溶血円半径(実際には溶血距離で、濾紙の半径3mmを除した数値)を100%とし、testの溶血円の縮小割合から抑制率を求めた。この抑制率が50%となる時の濃度IC50を求めるとともに、被検薬1gが(+)-catechinの何mgに相当するかも求めた。
Washed mouse fresh erythrocytes were suspended with glucose-containing
Krebs-phosphate-buffered agar medium plate. Glucose oxidase
(GOD)-containing filter paper disc and reactive oxygen scavenger or saline
containing disc were placed on the agar plate at a distance of 2 mm. After
the overnight incubation at 37℃ under low-oxyen
condition (argon gas replacement), GOD induced the dose-dependent hemolytic
circles. Scavengers inhibited the hemolysis, so % inhibition was calculated
by the degree of shrinking compared with saline, and IC50 was also
obtained.
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結果タイプ
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PubMed ID
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備考
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Yutaka Matsuoka,
Ikuko Mori, Reiko Oguma, Ikue Mizumura and Kanako Wakayama: A simple
screening method of bioactive substances for protecting nerves from active
oxygen related injury, J. Pharmacol. Sci., 94(Suppl.Ⅰ), 102P (2004)
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活性試験結果情報
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No
type
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Amyloid
beta cell death 生物活性情報
試験名
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Amyloid beta
cell death
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研究領域
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脳・神経系
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試験レベル
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Cell-based
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プロトコール
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ddYマウス胎生14日齢胎児脳より大脳皮質を摘出し分散培養した。培養1日後、10uM Amyloid-beta(25-35)と試験エキスを同時投与し、48時間後の生細胞数をCellTiter-Glo 試薬 (Promega #G7571)にて測定した。
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結果タイプ
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コントロール細胞の生存を100%,Amyloid beta(25-35)処置による細胞生存を0%とし,試験薬物による変化を%で示し細胞死阻害活性とした。(正数値が大きいほど細胞死阻害活性が高い)
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PubMed ID
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備考
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活性試験結果情報
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%
inhibition
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