生薬詳細

生薬名

ハイショウコン

生薬英名

生薬ラテン名

PATRINIAE RADIX

生薬和名

敗醤根

基原植物

Patrinia scabiosaefolia Fisch.(オミナエシ) 植物詳細

植物名

オミナエシ

ラテン名

Patrinia scabiosaefolia Fisch.

科名

Valerianaceae

和科名

オミナエシ科

一般名

オミナエシ

一般英名

Japanese valerian

品種等

分類

多年生草本

画像

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形態的特徴

開花期には茎は直立し,高さ0.61.5mとなり,上部は無毛かそれに近い状態で,下部には粗毛を有す.未抽苔株は根生葉のみで,裂けないか3~7に羽状深裂し,卵形~長だ円形で大きく,長柄を有す.開花株の茎葉は対生し,短柄~ほぼ無柄で,ふつう7または5に細かく羽状深裂し,上部のものは広披針形で,粗鋸歯がある.また,茎葉の下部のものには粗毛があるが,上部のものにはない.花冠は黄色で5裂し,直径3~5mm.雄しべは4本.子房下位で3室だが2室は退化している.果実〔一般には種子(しゅし)・種(たね)と称している〕はだ円形~長円形で長さ3~5mm,やや偏平で三稜をなし,腹面には1脈があり,オトコエシのように翼状の小苞はない.実生1年苗は抽苔せず,開花は見られない.開花株は地下に短い根茎を形成し.親株の近くに新苗ができる.

生態的特徴

東アジア(中国本土・台湾・朝鮮半島)~シベリア東部・サハリンなどに分布し,日本では全国の丘陵・草地などの日当たりのよい場所に自生している多年草である.花は夏~秋,茎の上部の分岐した枝先に,花冠が5裂した黄色の小花を散房状に多数付ける.

生育特性 http://mpdb.nibiohn.go.jp/mpdb/img/plusminus01-001.gif

寒さの区分

Ⅰ~Ⅵ

日照条件

Ⅰ~Ⅴ

暖かさの区分

45以上

土壌分類

Ⅰ~Ⅳ

土壌適正

排水が良く,砂壌土~埴壌土に適する.肥沃地に適する.

遮光

不要

画像

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写真ライブラリー

写真ライブラリー写真ライブラリー(Patrinia scabiosaefolia Fisch.(オミナエシ))

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全体

筑波研究部標本園

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筑波研究部標本園

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オミナエシの果実.PDD

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オミナエシの発芽期.PDD

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オミナエシ根生葉・茎葉

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オミナエシの生育盛期.PDD

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オミナエシ花

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オミナエシ収穫物:実生苗.PDD

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オミナエシ生薬 上:実生1年苗,下:開花株.PDD

文献情報 http://mpdb.nibiohn.go.jp/mpdb/img/plusminus01-001.gif

生薬名

ハイショウコン

組織培養物及び効率的増殖法

植物体栽培及び植物の効率的生産法

栽培情報 植物体栽培及び植物の効率的生産法

植物名

オミナエシ

ラテン名

Patrinia scabiosaefolia Fisch.

種苗および品種

薬用として育成されたものはないが、花卉用として、矮性、斑入り、花期による極早生・早生・中生・晩生などの園芸品種や系統がある。

繁殖

実生、株分け、挿し芽の方法がある。  株分け法は苗の確保が大量にできないこと、作業が繁雑であること、抽苔しやすく、収量が劣り、品質にばらつきが大きいなどの理由で、生薬生産としては勧められない。  実生では、量の確保が容易であり、播種1年苗は抽苔しないこと、生育・品質が揃うなどの長所がある。

栽培適性

自然分布がアジア東部の広域に見られるように、冷涼地〜温暖地の広い地域での栽培が可能である。自生地の状況からも、日当たりが良く、排水良好な場所に適している。

播種,定植および育苗

播種は3月中旬〜4月上旬のソメイヨシノの開花が終了する頃が適している。種子(植物学上は果実)は細かいため、覆土は種子が隠れる程度の厚さとする。定植時の植え傷みを軽減する目的で、本葉45枚の頃、2号程度のポリポットなどに移植し、育苗を行う。 定植:実生苗は、梅雨の前か期間中の本葉8枚の頃、根を傷めないように本圃に定植する。  株分けによる株の分割は2月下旬〜3月下旬の芽が動く前に行い、定植する。苗は芽の小さいものを用いるか、芽の大きい苗の場合は、茎を切除することにより抽苔を回避できる。  栽植密度は条間6070 cm、株間2535 cmを標準とする。

肥料

管理

敷き藁は雑草の発生の抑制、夏季に乾燥する土質の場所などに有効である。

病害虫駆除

特に重篤なものはないが、オモナエシ半身萎凋病が知られている。病気か生理的要因かは不明であるが、抽苔した株はしばしば枯死や生育不良となる状況が観察されている。

収穫・調製

地上部が枯死した冬季〜早春に掘り取り、地上部(茎や葉など)を除去し、水洗により土砂を除去し、天日にて速やかに乾燥する。乾燥中、雨などに当たると変色やカビの原因となるため注意する。十分乾燥すると細根が折れやすいため、取り扱いに注意する。土砂・雑草などの夾雑物を取り除き、生薬とする。 採種法・種苗の調製と貯蔵:果序の大部分が熟した9月中旬〜11月下旬頃、採種する。果実はあまり遅くなると飛散し、質も低下する。採種した果実は、速やかに乾燥を行い、冷暗所で乾燥貯蔵する。  採種用の苗は、冬季に積雪のある地域ではそのままでよいが、凍上するような地域では藁・籾殻・草などによりマルチングを行う。貯蔵場所を変えるため掘り上げる場合、株を傷めないようにし、分割せずに移動し、防寒対策を行う。定植する場合、活動が始まる前の早春に分割し、採種用の苗は茎が太く、芽の大きいものを用いる。

収量

実生1年生株の10 a当たりの推定収量は乾燥重で300450 kgである。株分け栽培では150370 kgである。

参考情報(生物活性)

参考情報(生物活性)ファイル

特性分類表 http://mpdb.nibiohn.go.jp/mpdb/img/plusminus01-001.gif

栽培暦 http://mpdb.nibiohn.go.jp/mpdb/img/plusminus01-001.gif

栽培方法関連データ http://mpdb.nibiohn.go.jp/mpdb/img/plusminus01-001.gif

栽培方法関連写真データ http://mpdb.nibiohn.go.jp/mpdb/img/plusminus01-001.gif

種子発芽情報データ http://mpdb.nibiohn.go.jp/mpdb/img/plusminus01-001.gif

備考

備考ファイル

さく葉標本情報

トランスクリプトーム・ゲノミクス情報

稀少植物情報

保有資源情報

導入年

保有研究部

導入番号

1990

種子島研究部

0023-90TN

1998

筑波研究部

0770-98TS

2006

種子島研究部

0104-06TN

部位

局方収載

食薬区分

非医

生薬成分

トリテルペノイド:oleanolic acidhederagenin.     イリドイド配糖体:patrinosideCD.     クマリン類

成分(化合物)

性状

抽苔していない株では細か根が密生し,ほぼ揃った太さで長い.抽苔(開花)した株では太い主根や分岐した側根から出ている細根は疎で,短く,色はやや濃い.いずれも茶褐色~褐色でもろく,折れやすく,特有のにおい(一般に醤油の腐ったような臭いなどと称される)を有し,新鮮なものほど強い.

用途

消炎,排膿,利尿,解毒,駆

調製法

地上部が枯死した冬季~早春に掘り取り,地上部(茎や葉など)を除去し,水洗により土砂を落とし,速やかに陽乾する.

エキス収率

文献情報

処方

210処方にはない. その他の処方では産贊方,苡附子敗醤散.

モデル試料  

遺伝子情報  

日本薬局方情報

定量法

確認試験法

確認試験法(TLC)

乾燥減量

灰分

酸不溶性灰分

エキス含量

精油含量

純度試験

その他

NMR情報  

漢方処方情報

生物活性情報