生薬名
バイモ
生薬英名
Fritillaria
Bulb
生薬ラテン名
FRITILLARIAE
BULBUS
生薬和名
貝母
基原植物
Fritillaria
verticillata Willd. var. thunbergii Baker( アミガサユリ) 植物詳細
植物名
アミガサユリ
ラテン名
Fritillaria verticillata Willd. var. thunbergii Baker
科名
Liliaceae
和科名
ユリ科
一般名
アミガサユリ
一般英名
Fritillary
品種等
分類
多年生草本
画像
形態的特徴
多年生草本で,茎は単生,直立し,高さ30 ~80cm に達する.葉は不揃いな輪生で上部では互生し,長さ7 ~15cm, 幅0.5 ~1cm の線状ひ針形で, 上葉先端が渦状に巻く.茎の先端及び上部の葉腋に,花を1個ずつ付ける.花は淡緑色6 弁の鐘状花で下垂し,長さ約3cm, 内面に黒紫色の網紋様がみられる.さく果は6 角形で有翼,長さ2cm .りん茎は2 個のりん片からなり,りん片は半球状で,白色,多肉質である.生重量が1g に満たない小さなりん茎から発生した葉は1 枚で,ひ針形を呈し,りん茎が大きなものは葉が輪生状をなす.りん茎重量が3 g以上ではほぼ抽苔し,5 g以上では半数以上が開花する.りん茎は1球から2 ~3 球に,ときには4 球に増殖する.りん茎の重量増加は,植え付けたりん茎の大きさや分球の程度により異なるが4 ~8 倍程度になる.
生態的特徴
温暖な気候を好むが,耐寒性が強く,寒冷地でもよく生育する
生育特性
寒さの区分
I~V
日照条件
II ~V
暖かさの区分
55 以上
土壌分類
I ~IV
土壌適正
排水の良い場所に適する.埴壌土,砂壌土に適する.肥沃地が良い
遮光
不要
画像
写真ライブラリー
写真ライブラリー
文献情報
Niitsu, K. et al., Studies on the crude drug containing the angiotensin
I-converting enzyme inhibitors (II). The active principles of Fritillaria
verticillata Willdenow var. thunbergii Baker. Shoyakugaku Zasshi (1987),
41(3), 174-9.
Kaneko, K. et al., Fritillarizine, a new Fritillaria alkaloid isolated from
the aerial part of mature Fritillaria verticillata. Chemical &
Pharmaceutical Bulletin (1980), 28(12), 3711-13.
Kaneko, K. et al., Isobaimonidine, a new Fritillaria alkaloid from the
aerial part of Fritillaria verticillata. Chemical & Pharmaceutical
Bulletin (1980), 28(4), 1345-6.
生薬名
バイモ
組織培養物及び効率的増殖法
植物体栽培及び植物の効率的生産法
さく葉標本情報
トランスクリプトーム・ゲノミクス情報
稀少植物情報
保有資源情報
導入年
保有研究部
導入番号
1969
北海道研究部
5328-69HK
1969
北海道研究部
5328-69HK
1979
筑波研究部
0542-79TS
1985
種子島研究部
0050-85TN
部位
りん茎
局方収載
局
食薬区分
専ら医薬品
生薬成分
アルカロイド:fritilline ,fritillarine ,verticine ,等 ステロイドアルカロイド:peimine ,peiminine ,peiminone ,zhebeinine ,verticillne など 配糖体:peiminoside (peimine+D-glucose ) など
成分(化合物)
性状
偏球形を呈し,肥厚した2 個のりん片葉からなり,径2 〜3
cm ,高さ1 〜2 cm ,しばしば分離したものがある.外面及び内面は白色〜淡黄褐色,内面の基部はやや暗色を呈する.石灰を散布して乾燥したものは白粉を付けている.折面は白色を呈し,粉性である.特異な弱いにおいがあり,味は苦い.横切片を鏡検するとき,最外層は1 層の表皮からなりその内側は柔組織で満たされ,多数の維管束が散在する.柔組織中にはでんぷん粒を含む.でんぷん粒は主に単粒で,径5 〜50 μm ,層紋が明瞭で,長卵形〜卵形又は三角状卵形,まれに2 〜3 個からなる複粒もある.また,表皮細胞及び導管付近の柔細胞にはシュウ酸カルシウムの単晶を含む.
用途
漢方処方用薬で鎮咳,去痰,消炎を目的とした処方に配合
調製法
暖地では5 月上旬ごろから茎葉が黄変するが,これが完全に枯死しないうちに掘り採る.生重量10 ~20g のりん茎を集め,土を洗い落とし,ひげ根及び外皮を取り去る.外皮の剥離は,りん茎20
kg に対して2 Lの割合で小砂を混ぜ,少量の水を入れた専用の木箱に入れ,約20 分間回転させる.その後,よく水洗いして皮と土砂を除き,陽乾する.石灰で処理する場合, 剥皮したりん茎300 kg 当たり生石灰を20 kg の割合で木箱に入れ,回転させよく混ぜ合わせ,堆積したまま一晩おいて石灰をしみ込ませてから薄く広げて,陽乾又は温風で乾燥させる.乾燥後,石灰を取り去る.りん茎の剥皮は水洗後速やかにむらなく完全に行い,剥皮後の石灰処理もまたりん茎を乾かすことなく速やかに行う.調製したりん茎は短期間に乾燥させ,純白に仕上げる.
エキス収率
文献情報
処方
当帰貝母苦参丸料,清肺湯,滋陰至宝湯
モデル試料 1 件
モデル試料一覧
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No.
管理番号
生薬名
生薬ラテン名
産地
形態
1
NIB-1159
バイモ
FRITILLARIAE BULBUS
中国
刻
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モデル試料詳細
管理番号
NIB-1159
生薬名称
バイモ
写真
鑑別情報
形態
刻
産地
中国
初期導入量(g)
500
情報
等級等
導入年月日
2015-08-17
入手年
NMR 情報
LC(GC)MS 情報 2 件
HPLC 情報
TLC 情報
参考情報
成分パターン比較( 産地・基原によるバラエティ比較)
官能データ
内部形態情報
遺伝子情報
生物活性情報
遺伝子情報
日本薬局方情報
定量法
確認試験法
確認試験法(TLC) 各種試験法詳細
生薬名
バイモ
試験名称
確認試験法(TLC)
分析条件
本品の粉末2g を共栓遠心沈殿管に入れ,アンモニア試液10mL 及び酢酸エチル/ジエチルエーテル混液(1 :1) 20mL を加え,20 分間振り混ぜた後,遠心分離する.上層を分取し,無水硫酸ナトリウム20g を加えて振り混ぜた後,ろ過する.ろ液をとり,溶媒を留去し,残留物をエタノール(99.5)1mL に溶かし,試料溶液とする.この液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03 〉により試験を行う.試料溶液10 μL を薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次に酢酸エチル/メタノール/アンモニア水(28) 混液(17 :2 :1) を展開溶媒として約10cm 展開した後,薄層板を風乾する.これに噴霧用ドラーゲンドルフ試液を均等に噴霧するとき,Rf 値0.4 付近及び0.6 付近に黄赤色のスポットを認める.
備考
Merck 社製とWako 社製TLC plate の比較および、7cm と10cm 展開の比較
画像データ
画像
モデル試料のTLC 画像と比較する
備考
Merck 社製
TLC plate (7cm 展開) Rf 値 0.40 ・0.63 (黄赤色) 展開時間 12 分 ①中国(2009年12月入手) ②中国(2008年5月入手) ③中国(2006年8月入手)
画像
モデル試料のTLC 画像と比較する
備考
Merck 社製
TLC plate (10cm 展開) Rf 値 0.43 ・0.62 (黄赤色) 展開時間 24 分 ①中国(2009年12月入手) ②中国(2008年5月入手) ③中国(2006年8月入手)
画像
モデル試料のTLC 画像と比較する
備考
Wako 社製
TLC plate (7cm 展開) Rf 値 0.42 ・0.65 (黄赤色) 展開時間 8 分 ①中国(2009年12月入手) ②中国(2008年5月入手) ③中国(2006年8月入手)
画像
モデル試料のTLC 画像と比較する
備考
Wako 社製
TLC plate (10cm 展開) Rf 値 0.42 ・0.63 (黄赤色) 展開時間 13 分 ①中国(2009年12月入手) ②中国(2008年5月入手) ③中国(2006年8月入手)
乾燥減量 各種試験法詳細
生薬名
バイモ
試験名称
乾燥減量
分析条件
乾燥減量〈5.01 〉 16.0 %以下(6 時間) .
備考
灰分 各種試験法詳細
生薬名
バイモ
試験名称
灰分
分析条件
灰分〈5.01 〉 6.5 %以下.
備考
酸不溶性灰分 各種試験法詳細
生薬名
バイモ
試験名称
酸不溶性灰分
分析条件
酸不溶性灰分〈5.01 〉 1.0 %以下.
備考
エキス含量 各種試験法詳細
生薬名
バイモ
試験名称
エキス含量
分析条件
エキス含量〈5.01 〉 希エタノールエキス 8.0 %以上.
備考
精油含量
純度試験 各種試験法詳細
生薬名
バイモ
試験名称
純度試験
分析条件
( 1) 重金属〈1.07 〉 本品の粉末3.0g をとり,第3 法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液3.0mL を加える(10ppm 以下) .
( 2) ヒ素〈1.11 〉 本品の粉末0.40g をとり,第4 法により検液を調製し,試験を行う(5ppm 以下) .
備考
その他
NMR 情報
漢方処方情報
生物活性情報