サイロキシン
サイロキシン
【英】thyroxine(T4)
【独】Thyroxin
【仏】thyroxine
同義語:チロキシン
C15H11I4NO4.甲状腺から分泌されるヨード化アミノ酸の一つでホルモン作用を有する.ヒトでは1日約100μgが産生される.血中では大部分がサイロキシン結合タンパクに結合しており,一部遊離サイロキシンとしてホルモン作用を発揮する.脱ヨード酵素によって代謝され,外側フェノール環のヨードが一つ外れてトリヨードサイロニン*となるし,内側フェノール環のヨードが一つ外れてリバーストリヨードサイロニン*となり,さらに脱ヨードがすすむ.このほかフェノール環のエーテル結合が破壊される代謝系もある(ether link cleavage).作用は組織の核受容体に結合してRNAを活性化することにより一部の遺伝子のcodeするタンパク合成を増すことにより発揮されると考えられている.甲状腺機能低下症*に対する治療薬として使用される.1915年Kendallによって発見され,1927年Harringtonにより合成された.