リンパ球
リンパキュウ
【英】lymphocyte
【独】Lymphozyten
【仏】lymphocyte
同義語:免疫細胞immunocytes
直径8~12μm(大リンパ球と小リンパ球がある)の球形細胞で,大型の丸い核をもち(電顕によると普通陥凹している),細胞質に乏しい.細胞質は透明で好塩基性染色で染まらないが,好アズール顆粒を多く含む.胸腺・骨髄・脾臓・リンパ節・扁桃・Peyer板・虫垂などのリンパ組織に豊富に分布する.末梢血白血球中に占めるリンパ球は約30%前後であるが,リンパ液においてはほとんどリンパ球で占められている.非常に運動性があり,位相差顕微鏡でアメーバ様の動きがみられる.元来リンパ球という語は上述のような形態を示す細胞につけられた名称である.リンパ球は生体防御にあずかる重要な細胞で,抗体産生・遅延型過敏反応・同種移植片拒絶反応などの,免疫応答*を担っている.細胞性免疫*に関係するT細胞*,液性免疫に関係するB細胞*,非特異的キラー活性をもつNK細胞(ナチュラルキラー細胞*)に区別されるが,形態上では区別できない.B細胞には細胞表面に免疫グロブリン*が,T細胞ではTCR(T cell receptor)が抗原特異的受容体として働く.またB細胞,T細胞には各々特徴的な分化抗原が発現され,その由来,分化成熟段階を区別することができる.