レンノックス症候群
レンノックスショウコウグン
【英】Lennox syndrome
【独】Lennox‐Syndrom
【仏】syndrome de Lennox
同義語:レンノックス・ガストー症候群Lennox‐Gastaut syndrome
ガストー Gastaut(1966)によって提唱された比較的新しいてんかん用語.レンノックスLennoxによる発作型の分類では,小発作異型とされていた全般性遅‐徐波型のてんかん脳症epileptic encephalopathy with diffuse slow spike‐and‐slow wave discharge(WHO, 1968)で,てんかん国際分類では,続発性全般てんかんの中に含まれる難治性てんかん.瞬時に転倒することを主症状とするため転倒発作drop seizure,失立発作astatic seizure,無動発作akinetic seizureなどと呼ばれ,発作の構成要素は筋緊張の突然の喪失とされていたが,ほとんどの例で強直発作,約半数に非定型欠神がみられ,筋緊張喪失が中核的症状ではないことが明らかにされてきた.全てんかんの3~4%を占め,3~4歳に好発する年齢依存性てんかんで,青年期に発症するのはきわめてまれとされる.成因不明で,多くは精神発育遅滞ならびに脳萎縮像を伴う.脳波上,発作間欠期に,1.5~2.5 Hzの偽律動性棘徐波pseudo‐rhythmic spike‐waveを示す(William Gordon Lennoxはアメリカの神経学者,1884‐1960).