互変異性

ゴヘンイセイ

【英】tautomerism

【独】Tautomerie

【仏】tautome´rie

ある有機化合物が互いに異性体である2つの異なる化学構造をとり,それらが容易に変換する現象を互変異性という.相対的な原子の位置が変わらず,電子の平均密度のみが変わる場合は,互変異性とは呼ばず共鳴resonanceという.互変異性の最も代表的な例として,アセト酢酸エチルのケト‐エノール形転移がある.常温での平衡はケト形に片寄っているがエノール形も存在し,化学反応を行う際には両者の混合物として考える必要がある.→異性体