血管炎
ケッカンエン
【英】angitis
【独】Angiitis
【仏】ange´ite
【ラ】angitis
同義語:脈管炎
大動脈やその主要分枝動脈,四肢主幹動脈,肺動脈などにみられる非特異性の炎症性変化で,中膜弾性線維の断裂や消失,小円形細胞浸潤,外膜の線維性肥厚とその栄養血管*の閉塞性動脈内膜炎endoarteritis obliteransなどの病理学的変化を特徴とし,炎症の新鮮期にはLanghans型巨細胞が出現する.線維性肥厚や瘢痕化のために閉塞や拡張性変化を生じ,腎血管性高血圧や脳血管障害,間質性肺炎,肺高血圧,大動脈弁閉鎖不全,腸管出血や壊死穿孔など,血管炎の発生部位により多彩な病態が出現する.高安動脈炎や脈なし病として知られる大動脈弓分枝の閉塞や,大動脈狭窄などがみられる大動脈炎症候群*が血管炎として特徴的で,アジア系の若年女性に好発する.全身性紅斑性狼瘡や結節性動脈周囲炎などの膠原病に起因する血管炎やベーチェット病,側頭動脈炎,川崎病,冠動脈炎,Scho¨nlein‐Henoch紫斑病,若年男性に好発する閉塞性血栓血管炎thromboangiitis obliterans(TAO)なども広義の血管炎として含まれる.→血管内膜炎