グロブリン
グロブリン
【英】globulin
【独】Globulin
【仏】globuline
アルブミン*とともに動植物界に広く分布している単純タンパク質一群の総称.分子量は15万あるいはそれ以上.各アミノ酸をほぼ一様に含み弱酸性を示す.アルカリ性または中性の希薄な塩類溶液に溶け,熱で凝固する.元来は50%飽和の硫酸アンモニウムで塩析される血清タンパク質の総称で,このうち蒸留水に不溶で33%飽和の硫酸アンモニウムで塩析されるものを真性グロブリンeuglobulin(オイグロブリン*),蒸留水にも可溶なものを偽性グロブリンpseudoglobulinと呼んでいたが,電気泳動の発達とそれぞれの分画の機能が明らかになるにつれてこれらの定義は本質的な意味を失っている.動物性グロブリンとしては血漿中の血清グロブリンやフィブリノーゲン,牛乳中のラクトグロブリン,卵白中のオボグロブリン,水晶体中のクリスタリンなどがよく知られている.血清グロブリンは電気泳動でα1,α2,β,およびγの4分画に分離され病態解析にも利用されている.γ分画とβ分画の一部は免疫機構に関係する抗体を含む.植物性グロブリンとしては大麻のエデスチン,大豆のグリシニン,インゲンマメのフォセオリン,エンドウマメのビシリン,落花生のアラキンなどがよく知られている.