原発緑内障

ゲンパツリョクナイショウ

【英】primary glaucoma

【独】prima¨res Glaukom

【仏】glaucome primaire

【ラ】glaucoma primarium

 

緑内障*のうち,眼圧亢進を惹起するような眼疾がなく緑内障が発症するものを原発緑内障と呼ぶ.これには慢性に経過する原発開放隅角緑内障*primary openangle glaucomaPOAG)と,急性発作を起こしたり小発作のうちに慢性化する原発閉塞隅角緑内障*primary angleclosure g.(PACG)が大別されるが,狭隅角(narrow angle)眼では眼圧亢進機序が開放機構であったり,閉塞機構であったりして,しばしば混合型緑内障combined mechanism g.を起こす.原発緑内障は遺伝的素因や解剖学的構造が発症に重要な条件になっているが,種々の危険因子(加齢,情動,自律神経失調,糖尿病,血管病など)が関与し,神経・血管系の要因は無視できない.したがって,緑内障の家族や高眼圧症のものは定期的に管理を受け,予防的治療を行って発症をおさえたり,「眼の成人病」という観点から,老眼鏡を必要とする年代になった人は,前眼部,眼底,眼圧,視野を専門医で検査することが早期診断,早期治療に大切である.