· 大頬骨筋 大頬骨筋
大頬骨筋(だいきょうこつきん)は人間の頭部の浅頭筋のうち、口唇周囲にかけての口筋のなかで口角を上外側に引き上げる働きをする筋肉である。筋肉の一方が皮膚で終わっている皮筋である。 画像 大頬骨筋の位置 関連項目 |
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· 大耳輪筋 大耳輪筋
大耳輪筋(だいじりんきん)は耳輪前縁の位置する細く上下に伸びる筋肉。内耳介筋の一つ。耳輪棘で起こり、耳輪前縁を通り、後方へと向かう。 |
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· 大円筋 大円筋
大円筋(だいえんきん)は、上肢帯の筋である。肩甲骨の下角部から起始し、前外方へ向かい、上腕骨小結節稜に停止する。作用は、肩関節の伸展・内転・内旋である。神経は、肩甲下神経C5〜C7。 画像[編集]
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· 体幹筋 体幹筋体幹筋(たいかんきん、羅名: musculi trunci)は広義の骨格筋のうち、体幹に属する筋肉を総称したものである。内臓を支える機能とともに、運動時のバランスをとるために骨格筋を随意で動かす際は最初に動かす筋肉であるため、この筋肉が弱ると運動が不安定になる。体幹筋は前体幹筋(主な一例腹直筋、腹横筋、腹斜筋、大胸筋)と後体幹筋(広背筋、脊柱起立筋、僧帽筋)に分けられる。体幹筋に対して、上肢、下肢に属する筋肉を体肢筋と呼ぶ。略して体幹とも呼ばれる。BIG3ではベンチプレスで胸部、デッドリフト、スクワットで背中を鍛えることができる。 |
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· 大胸筋 大胸筋
大胸筋(だいきょうきん)は、胸部の筋肉のうち、胸郭外側面にある胸腕筋のうち、鎖骨、胸骨と肋軟骨(第2~第7前面)、腹直筋鞘の3部を起始とし、上外方に集まりながら、上腕骨の大結節稜に停止する。 目次大胸筋の筋力トレーニング]大胸筋を鍛える筋力トレーニング法には多くの種目が存在する。最も手軽で一般的なのはプッシュアップ(腕立て伏せ)であり、バーベルを使ったベンチプレス、ダンベルを使ったダンベル・フライなどもよく知られている。身体前面に位置し、もっとも目立つ筋肉の一つであることからボディビルなどでは重要視される筋肉の一つ。 関連項目· 胸筋間溝 · 三角胸筋溝 · 鎖骨下窩 · 胸骨筋 · 胸 |
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· 大後頭直筋 大後頭直筋
大後頭直筋(だいこうとうちょくきん)は背部の筋肉のうち、軸椎(C2)と後頭骨の間を繋いでいる筋肉である。頭部の後屈、側屈、回旋作用を持つ。 大後頭直筋の起始は、軸椎の棘突起から起こり、小後頭直筋の外側で後頭骨下項線に停止する。 目次画像
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· 第三腓骨筋 第三腓骨筋第三腓骨筋(だいさんひこつきん、Peroneus tertius muscle)は人間の下肢の筋肉で足関節の背屈、外反を行う。 腓骨下部の前面から起こり、第5中足骨基底部で停止する。 |
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· 体肢筋 体肢筋体肢筋(たいしきん、羅名: musculi thoracici)は、広義の骨格筋のうち、上肢、下肢に属する筋肉を総称したものである。体肢筋は屈筋と伸筋に分けられる。体肢筋に対して、体幹に属する筋肉を体幹筋と呼ぶ。 |
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· 大腿筋 大腿筋
目次構成する筋肉[
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· 大腿筋膜張筋 大腿筋膜張筋
大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん、tensor fasciae latae muscle)は人間の腸骨の筋肉で股関節の屈曲、膝関節の伸展を行う。 上前腸骨棘から起こり、大転子の下方で脛骨外側顆に付着する腸脛靭帯で終わる。 |
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· 大腿四頭筋 大腿四頭筋
大腿四頭筋(だいたいしとうきん)は、下肢の筋肉のうち、大腿骨に繋がる筋肉である大腿筋のうち、大腿骨を挟み四方に存在する筋肉の総称である。全身の筋肉の中で、最も強くて大きい筋肉である。作用は膝関節の伸展である。 大腿四頭筋には大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋が含まれる。 目次大腿四頭筋の筋力トレーニングあらゆるスポーツ、特に跳躍系の種目では最重要視される筋肉の一つである。鍛えるのが比較的容易な部類の筋肉でもあり、あらゆる種類のスクワット、レッグエクステンション、レッグプレスマシンを使ったレッグプレスなどで効果的な鍛錬が可能である。 |
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· 大腿直筋 大腿直筋
大腿直筋(だいたいちょっきん、Rectus femoris muscle)は、人間の大腿骨を起始とする筋肉で股関節の屈曲や膝関節の伸展を行う。 下前腸骨棘から起こり、膝蓋骨の上縁中央から膝蓋靭帯英語版をへて脛骨粗面に停止する。外側広筋、内側広筋、中間広筋と一緒に大腿四頭筋を構成している。 腸骨(下前腸骨棘、寛骨臼の上縁)から始まり、脛骨(脛骨粗面)に終わる。膝関節の伸展、股関節の屈曲に 作用し、支配神経は大腿神経。 |
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· 大腿二頭筋 大腿二頭筋
大腿二頭筋(だいたいにとうきん、biceps femoris )は人間の下肢の筋肉。 二頭の名の通り起始部が長頭と短頭に分かれている。長頭は坐骨結節で半腱様筋と総頭をつくってから起こり、短頭は粗線の外側唇の中1/3と外側筋間中隔から起こる。両頭は合して二頭筋となって、腓骨頭に停止する。 支配神経は長頭は脛骨神経(L5~S2)、短頭は総腓骨神経(S1とS2)である。 作用としては股関節においては大腿の伸展を行う。膝関節では大腿二頭筋は屈曲するように働き、屈曲した状態では下腿を外旋する。 大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋の3つの下腿後面にある筋(この他に大内転筋を含むこともある)を合わせてハムストリングと称し、大腿二頭筋は外側ハムストリングと呼ばれることがある。 目次大腿二頭筋の筋力トレーニング走る競技にとっては最重要筋肉といえる大腿二頭筋だが、その重要性に反して有効なトレーニングの難しい筋肉である。一般的にアンクルウエイトやレッグカールマシンを使用してのレッグ・カールが有効だが意識的なトレーニングをしなければ効果は期待出来ない。 |
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· 大腿方形筋 大腿方形筋
大腿方形筋(だいたいほうけいきん、quadratus femoris muscle)は人間の坐骨の筋肉で股関節の外旋を行う。 坐骨結節から起こり、四角形の筋板として転子間稜で終わる。 |
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· 大臀筋 大臀筋
大臀筋(だいでんきん、gluteus maximus muscle)とは、哺乳類の臀部に存在する臀筋のうちの1つで、その名の通り臀筋の中で最大の筋肉である。なお、表皮から見ると大臀筋の下に中臀筋、その下に小臀筋が存在する。ヒトは直立二足歩行をするため、四足歩行のサルなどと比べても大臀筋が発達している。ヒトに臀裂英語版や臀溝英語版が見られる要因の1つである。ヒトでは股関節の伸展や外旋を行う[1][注釈 1]。起始は浅部と深部に分けられる。浅部は腸骨稜、上後腸骨棘、仙骨および尾骨から起こり、深部は後臀筋線の後ろの腸骨翼、仙結節靭帯および中臀筋の筋膜から起始し、上部は腸脛靭帯で終わるが、下部は臀筋粗面で終わる。なお、小臀筋と中臀筋は上臀神経による支配を受けているのに対して、大臀筋は下臀神経による支配を受けている。また、大臀筋の深部には坐骨神経が走行している。ちなみに、臀部への筋肉注射の際は、大臀筋よりも小さな筋肉である中臀筋の限られた位置に行うことが推奨されている[2]。 注釈1. ^ 伸展や外旋については、解剖学における運動の表現を参照のこと。 出典1. ^ 大臀筋(だいでんきん) 大殿筋(だいでんきん) 【大殿筋の起始・停止】 (起始) 後殿筋線の後方、仙骨・尾骨の外側縁、胸腰筋膜、仙結節靭帯らに付着。
(停止) 浅層は、大腿筋膜の外側部で腸脛靭帯に移る。 深層は、大腿骨の臀部粗面に付着。
【大殿筋の主な働き】 股関節を伸展する。股関節を外旋する。
【大殿筋の神経支配】 下臀神経(L4~S2)
【大殿筋に関する一口メモ】 大殿筋は、股関節の屈曲筋ですが、外旋の働きもあります。殿筋群の中で最も大きく、最も表層にあります。大殿筋の下には中殿筋があり、更のその下には小殿筋があります。大殿筋を触診するのは容易です。いわゆるヒップの膨らみがその筋腹で、どなたでもその存在を知っています。この筋肉を緊張させるのは容易ですが、極度に緊張させるには、四つんばいになって脚を持ち上げる体操です。いわゆるヒップアップ体操がそれに当たり、脚を持ち上げた時、つまり股関節を伸展した時に大殿筋は緊張します。 【大臀筋の絵】 日本看護研究学会雑誌 Vol. 28 No. 1 2005 45 Ⅰ.はじめに 筋肉内注射では,注射部位や針の刺入深度によっては 神経の損傷を起こし,運動・知覚麻痺を起こす危険があ る1)-6)。また,半田らは筋肉内注射用の薬剤が筋まで到 達せずに皮脂内に投与され,そのまま吸収されず膿瘍を形 成した事例について報告している7)。高橋ら,および半田 らは殿部の皮脂・筋の厚みを計測し,筋肉内注射の刺入深 度について検討している7),8)。筋肉内注射では注射針を 筋内に確実に到達するまで刺入し,皮下注射と厳密に刺入 深度を区別していくことが重要である9)。さらに,確実で 安全な筋肉内注射の方法を確立するには,注射針の刺入深 度に加え,筋を支配する神経・動静脈への損傷の危険性を 考えなくてはならない10)。殿部への筋肉内注射では,筋が 発達して厚みがあり,神経の損傷,血管への針の刺入を防 ぎやすい部位として中殿筋に注射することが推奨されてい る10), 11)。 現在,看護技術について記載された教科書,雑誌では, 殿部への筋肉内注射部位の決定方法として「四分三分法の 点(図1)」,「クラークの点(図2)」などが紹介されてい る10) -12)。高橋らは,看護職員へのアンケート調査結果よ り,殿部への筋肉内注射部位の決定方法を回答者の82%が 「四分三分法の点」であると回答していたことを報告して いる13)。一方では,筋層も厚く,問題となる神経や血管が ないということで「クラークの点」を推奨している報告が ある14) -18)。 Evidence Based Nursingの重要性が強調される今日,安全 な殿部への筋肉内注射部位の選択方法について検討するた めには,注射部位における神経の走行や筋に到達するまで の皮脂厚等に関する解剖学的検討を行うことが必要不可欠 -原 著- 殿部への筋肉内注射部位の選択方法に関する検討 A Study on the Method of Choosing Intramuscular Injection Site in the Buttocks 佐 藤 好 恵1) 成 田 伸2) 中 野 隆3) Yoshie Sato Shin Narita Takashi Nakano キーワード: 筋肉内注射,クラークの点,四分三分法の点,上殿神経 intramuscular injection, site of Clark, Light and/or Left upper quadrant of the buttocks superior gluteal nerve 1) 名古屋第二赤十字病院 Nagoya Daini Red Cross Hospital 2) 自治医科大学看護学部 Jichi Medical School, School of Nursing 3) 愛知医科大学解剖学講座 Aichi Medical University, School of Medicine, Department of Anatomy 注射部位 注射部位 坐骨神経 図1 「四分三分法の点」 11) 片側殿部を4等分し,縦横線の交点から斜め外側上方に 引いた二等分線上で,腸骨稜から3分の1の部位 〈左中殿筋:クラークの点〉 〈右中殿筋:クラークの点〉
図2 「クラークの点」 11) 上前腸骨棘と上後腸骨棘を結ぶ線上の外前3分の1の部位 殿部への筋肉内注射部位の選択方法に関する検討 46 日本看護研究学会雑誌 Vol. 28 No. 1 2005 である。「四分三分法の点」および「クラークの点」にお ける解剖学的検討について,多くの看護学の文献では,坐 骨神経の損傷を避けるよう言及されているに過ぎない10)。 「四分三分法の点」および「クラークの点」は,いずれも 殿部の上外側4分の1の領域に位置するため,殿部の下 内側4分の1の領域を下行する坐骨神経を損傷する危険性 は極めて低い。「四分三分法の点」および「クラークの点」 に注射針を刺入する際に最も損傷する危険性が高い神経 は,殿部の上外側4分の1の領域において中殿筋と小殿筋 の間を走行し,両筋および大腿筋膜張筋を支配する上殿神 経である。しかしながら,上殿神経について記載されてい る看護学の文献は少なく,上殿神経の損傷によって起こる 影響やその危険性についても報告は見あたらない。また, 上殿神経の分枝および走行については,その個体差を含め て,詳細な解剖学的報告はなされていない。したがって, 「四分三分法の点」および「クラークの点」が,上殿神経 の損傷を避けるために決定された点ではないことは明らか である。 今回,遺体を用いて殿部への筋肉内注射部位に関する詳 細な解剖学的検討を行い,「四分三分法の点」および「ク ラークの点」について,皮脂厚および筋の構造,上殿神経 との位置関係について調査し,上殿神経損傷の危険性につ いて比較し検討を行った。しかしながら,解剖学的研究で は,ホルマリン固定後に約1年間,アルコール内で保存し た遺体を用いるため,皮膚などの組織の収縮があることは 否定できない。また,硬直状態にあり,体格との関係の検 討が困難である。そこで,生体の殿部において,「四分三 分法の点」および「クラークの点」における皮脂厚を計測 し,BMI,体脂肪率,ウエスト値,ヒップ値との間の相関 関係について検討した。 加えて,「四分三分法の点」は腹臥位になると殿溝は不 鮮明となりやすく,肥満体型の人では腸骨稜が判然とせ ず,目測による四等分となる可能性が高く,体格による影 響が大きい14)。一方,「クラークの点」は上前腸骨棘と上 後腸骨棘間の長さによって部位が決定されるので,部位の 変動が少ないと考えられる。これらのことから,2点の決 定部位には差があり,一致が認められないことが予想され る。そこで,生体と遺体を用いて,「四分三分法の点」と 「クラークの点」との距離を計測した。 Ⅱ.対象と方法 1.御遺体での計測 1)対象 愛知医科大学医学部解剖セミナーに供された実習用遺体 (ホルマリンの静脈内注入により固定し,アルコール内で 保存)から,肉眼的に殿部の褥創や外傷を有しないこと, 仙骨神経叢の枝の保存が良好なこと,および下肢帯の筋萎 縮や拘縮などが認められないことを条件に選んだ18体中33 側(男性17側,女性16側:18体中3側は殿部片側が他の研 究目的で既に剥皮されており本研究では正確な値が出せな いため症例数に含めなかった)の殿部について計測を行っ た。 年齢は68歳~93歳であった。 死因は,老衰,急性心不全,肺炎,脳梗塞,呼吸不全, 悪性新生物,急性膵炎,骨髄異形成症候群等であった。直 接死因以外においても,筋萎縮や拘縮など著しい運動器系 の変形を伴う中枢神経系疾患,下位運動ニューロン疾患お よび筋疾患は含まれていない。 なお,今回の計測は死体解剖保存法に基づいて実施し, 生前に本人の同意により「不老会」に入会された方の御遺 体を対象とした。実施にあたっては,愛知医科大学医学部 解剖学講座の教授,助教授と倫理的側面を検討し許可を得 た。 2)計測方法 御遺体の体表面上で上前腸骨棘,上後腸骨棘,腸骨稜 最高点に目印をつけ,「四分三分法の点」と「クラークの 点」を実測により決定した後,2点の距離を計測した。各 点より皮膚に直角にカテラン針(22G 7.0㎝)を刺入し, その断面が観察できるように剥皮し,脂肪組織まで剥離し た。そして各点での皮脂厚を計測した。次に大殿筋を剥離 し,中殿筋を露出した。「四分三分法の点」で針先が大殿 筋を刺入していた場合は,「四分三分法の点」での大殿筋 の厚みを計測した。中殿筋を殿裂側から剥離していき,梨 ● 四分三分法の点 ◎ クラークの点 ○ 梨状筋上孔
図3 梨状筋上孔から各点までの距離の計測方法 殿部への筋肉内注射部位の選択方法に関する検討 日本看護研究学会雑誌 Vol. 28 No. 1 2005 47 状筋上孔から中殿筋の後方筋腹への侵入点までの上殿神 経後枝の長さを計測した。「四分三分法の点」の矢状断面, 「クラークの点」の冠状断面で中殿筋を切開し,各点での 中殿筋の厚みを計測した。また,梨状筋上孔から「四分 三分法の点」,「クラークの点」までの距離を計測した(図 3)。さらに,上殿神経前枝に各点から引いた垂線の長さ を計測した(図4)。 3)使用する用語の定義 上殿神経のうち,中殿筋の前方筋腹および大腿筋膜張筋 を支配するものを上殿神経前枝とした。また,中殿筋の後 方筋腹を支配するものを上殿神経後枝とした。 4)分析方法 「四分三分法の点」と「クラークの点」における皮脂厚, 中殿筋に到達するまでの厚み,中殿筋の厚み,梨状筋上孔 から各点までの距離,上殿神経前枝に各点から引いた垂線 の長さについて対応のあるt検定を行った。さらに,各点 での皮脂厚,中殿筋の厚みの男女差については独立したサ ンプルのt検定を行った。 2.生体での計測 1)対象 健康な成人女性32名(20~55歳)64側の殿部において 計測を行った。なお,各被験者には目的と方法を説明し, 同意を得た。 2)被服環境 上半身は下着のみ,下半身はプライバシー保護のため紙 パンツを着用し,寝衣を着用して行った。計測部位以外に はバスタオルをかけて計測した。 3)計測方法 各被験者の特徴を知るために年齢・身長を質問し,体 重・体脂肪率を同一の体脂肪率測定器(bodyfat analyzer tbf 102;TANITA製)によって計測した。そしてBMI{体重 (㎏) /身長(ⅿ) 2}を算出した。また,ウエスト値は胴部 の一番細い部分の周囲を水平に計測し,ヒップ値は殿部の 一番高い部分の周囲を水平に計測した。 次に腹臥位に臥床させ,頚部から胸部の下に枕を入れ た。計測中は両側の母趾を内側に向け,殿部筋を弛緩させ た状態とした。 上前腸骨棘,上後腸骨棘,腸骨稜最高点,殿溝に目印と して中央に穴をあけたシールを貼り,距離はシールの穴と 穴の間を計測した。「四分三分法の点」については,腸骨 稜最高点から殿溝までの距離,片側殿部の外側縁から殿裂 までの距離を計測し,それぞれの中点にシールを貼り,交 点を決定した。この交点から45度の角度で斜め外側上方に 進み,腸骨稜にあたる点との距離をメジャーで計測して3 等分し,上外3分の1の部位を「四分三分法の点」として 目印のシールを貼った。「クラークの点」については,上 前腸骨棘から上後腸骨棘までの距離をメジャーで計測して 3等分し,外前3分の1の点に目印のシールを貼った。そ して,2点の距離をメジャーで計測した。メジャーによ る計測においては同一部位を2回計測し,計測値を平均化 して使用した。「四分三分法の点」,「クラークの点」での 皮脂厚については,超音波皮脂厚計(SM-206;誠鋼社製) を使用し,計測した。その際,被験者には,計測する側の 股関節を外転させる運動を指示した。 4)分析方法 2点の距離,または各点での皮脂厚については,対象の 体格(BMI・体脂肪率・ウエスト値・ヒップ値)との相関 係数を求めた。また,「四分三分法の点」での皮脂厚と「ク ラークの点」での皮脂厚について,対応のあるt検定を 行った。 Ⅲ.結 果 1.御遺体での計測結果 1 ) 「四分三分法の点」と「クラークの点」との距離につ いて 2点の距離は4.3±1.6㎝であった(n=33)。 2 ) 「四分三分法の点」,「クラークの点」での皮脂厚につ いて 「四分三分法の点」での皮脂厚は1.9±1.3㎝(男性16側 2.1±1.6㎝,女性16側1.7±0.9㎝)であった(表1)。「ク ラークの点」での皮脂厚は1.4±1.1㎝(男性15側1.7±1.3 ㎝,女性16側1.1±0.7㎝)であった(表1)。皮脂厚は「四 分三分法の点」が「クラークの点」よりも有意に厚かった ● 四分三分法の点 ◎ クラークの点 ○ 梨状筋上孔
図4 上殿神経前枝に各点から引いた垂線の長さの計測方法 殿部への筋肉内注射部位の選択方法に関する検討 48 日本看護研究学会雑誌 Vol. 28 No. 1 2005 (p<0.001)。また,男女の有意差は見られなかった。最も 皮脂厚の厚かった例では,「四分三分法の点」で5.5㎝,「ク ラークの点」で4.5㎝であった。 3 ) 「四分三分法の点」,「クラークの点」での皮脂・筋の 構造について 「四分三分法の点」では,11側(34.4%)で皮脂の直下 に大殿筋が分布しており,その大殿筋の直下に中殿筋が 分布していた(図5)。他,21側(65.6%)は皮脂の直下 に大殿筋は分布しておらず,中殿筋が分布していた。「四 分三分法の点」における大殿筋の厚みは,分布している場 合で1.3±0.9㎝(男性7側1.7±0.9㎝,女性4側0.7±0.6㎝) であり,「四分三分法の点」全例では0.5±0.8㎝(男性16側 0.8±1.0㎝,女性16側0.2±0.4㎝)であった(表1)。一方, 「クラークの点」では全例において皮脂の直下に大殿筋は 分布していなかった。 注射針の針先が中殿筋に到達するまでの厚みは,「四分 三分法の点」では皮脂・大殿筋の厚みの合計となり,大殿 筋が分布している場合で3.8±2.3㎝(男性7側4.4±2.6㎝, 女性4側2.8±1.1㎝),分布していない場合で1.6±0.8㎝ (男性9側1.6±0.9㎝,女性12側1.6±0.9㎝)であり,全例 では2.4±1.8㎝(男性16側2.8±2.3㎝,女性16側1.9±1.0㎝) であった(表1)。針先が中殿筋に到達するまでの厚みは, 男女ともに「四分三分法の点」が「クラークの点」よりも 有意に厚かった(p<0.001)。 中殿筋の厚みは「四分三分法の点」では1.7±0.7㎝(男 性16側2.0±0.8㎝,女性16側1.4±0.5㎝)であった(表1)。 「クラークの点」では2.1±0.8㎝(男性16側2.3±0.9㎝,女 性16側1.9±0.6㎝)であった(表1)。中殿筋の厚みは「ク ラークの点」が「四分三分法の点」よりも有意に厚かった (p<0.01)。また,中殿筋の厚みは「四分三分法の点」で は男女の有意差が見られ(p<0.05),「クラークの点」で は男女の有意差は見られなかった。 また,全例において,上殿神経は中殿筋の直下(小殿筋 表層)を走行していた。注射針の針先が上殿神経に到達す るまでの厚みは「四分三分法の点」では皮脂・大殿筋・中 殿筋の合計の厚みとなり,大殿筋が分布している場合で 6.0±2.6㎝(男性7側6.8±2.7㎝,女性4側4.5±1.7㎝),分布 していない場合で3.1±1.1㎝(男性9側3.2±1.2㎝,女性12 側3.0±1.1㎝)であり,全例では4.1±2.2㎝(男性16側4.8± 2.7㎝,女性16側3.3±1.4㎝)であった(表1)。「クラーク の点」では皮脂・中殿筋の合計の厚みとなり,3.5±1.7㎝ (男性15側4.0±2.0㎝,女性16側3.0±1.2㎝)であった(表 1)。 表1 各点での厚み(㎝) 男 性 女 性 全 体 四分三分法の点 皮脂厚 2.1±1.6(n=16) 1.7±0.9(n=16) 1.9±1.3(n=32) 大殿筋の厚み 大殿筋(+)の場合 1.7±0.9(n=7) 0.7±0.6(n=4) 1.3±0.9(n=11) 大殿筋(-)の場合 0(n=9) 0(n=12) 0(n=21) 全例 0.8±1.0(n=16) 0.2±0.4(n=16) 0.5±0.8(n=32) 中殿筋に到達するまでの厚み 大殿筋(+)の場合 4.4±2.6(n=7) 2.8±1.1(n=4) 3.8±2.3(n=11) 大殿筋(-)の場合 1.6±0.9(n=9) 1.6±0.9(n=12) 1.6±0.8(n=21) 全例 2.8±2.3(n=16) 1.9±1.0(n=16) 2.4±1.8(n=32) 中殿筋の厚み 2.0±0.8(n=16) 1.4±0.5(n=16) 1.7±0.7(n=32) 合計の厚み 大殿筋(+)の場合 6.8±2.7(n=7) 4.5±1.7(n=4) 6.0±2.6(n=11) 大殿筋(-)の場合 3.2±1.2(n=9) 3.0±1.1(n=12) 3.1±1.1(n=21) 全例 4.8±2.7(n=16) 3.3±1.4(n=16) 4.1±2.2(n=32) クラークの点 皮脂厚 1.7±1.3(n=15) 1.1±0.7(n=16) 1.4±1.1(n=31) 中殿筋の厚み 2.3±0.9(n=16) 1.9±0.6(n=16) 2.1±0.8(n=32) 合計の厚み 4.0±2.0(n=15) 3.0±1.2(n=16) 3.5±1.7(n=31) *p<0.05 **p<0.01 ***p<0.001 図5 皮脂の直下に大殿筋が分布していた一事例 (「四分三分法の点」) 殿部への筋肉内注射部位の選択方法に関する検討 日本看護研究学会雑誌 Vol. 28 No. 1 2005 49 4 )「四分三分法の点」,「クラークの点」と上殿神経の関 係について 梨状筋上孔から中殿筋の後方筋腹への侵入点までの上殿 神経後枝の長さは5.1±1.9㎝(n=33)であった(表2)。 また,上殿神経後枝の長さは最短で1.6㎝,最長で9.7㎝で あり,分岐・角度などの走行については個体差が大きかっ たが,全般的に上前腸骨棘と上後腸骨棘を結ぶ線より下 方を走行していた。梨状筋上孔から各点までの距離は「四 分三分法の点」では5.8±1.1㎝(n=33),「クラークの点」 では6.9±1.4㎝(n=33)であり(表2),有意差が見られ た(p<0.001)。 上殿神経前枝は,梨状筋上孔からほぼ水平か,緩やかに 斜め頭側あるいは尾側に走行しており,全般的に上前腸骨 棘と上後腸骨棘を結ぶ線より下方を外側に向かって走行し ていた。上殿神経前枝に各点から引いた垂線の長さは,「四 分三分法の点」の方が長い例が21側(67.7%),「クラーク の点」の方が長い例が6側(19.4%),2点とも同じ距離で あった例が4側(12.9%)あり,個体差が見られた。上殿 神経前枝に各点から引いた垂線の長さの平均値については 「四分三分法の点」では4.0±1.0㎝(n=31),「クラークの 点」では3.2±1.4㎝(n=31)であり,有意差が見られた (p<0.01)。 各点で直角にカテラン針を小殿筋表層まで到達させた 時,「四分三分法の点」では上殿神経前枝への刺入例が1 側(3.0%),上殿神経後枝への刺入例が9側(27.3%)あっ た。「クラークの点」では上殿神経への刺入は見られなかっ た。また,上殿神経後枝への密接例が「四分三分法の点」 で3側(9.0%),上殿神経前枝への密接例が「クラークの 点」で5側(15.2%)あった。なお,密接例とは,針先が 神経に刺入してはいないが,神経の周囲3㎜以内に位置す る例とした。 5 ) 「四分三分法の点」,「クラークの点」と坐骨神経の関 係について 「四分三分法の点」,「クラークの点」ともに,全例にお いて坐骨神経への注射針の刺入は認めなかった。 2.生体での計測結果 1)対象の属性について 身長158.8±4.8㎝,体重53.0±7.6㎏,BMI21.1±3.2,体 脂肪率25.1±6.0%,ウエスト値66.8±6.9㎝,ヒップ値 90.8±5.9㎝であった。また,BMI・体脂肪率の内訳は BMIは18.5未満が5名(15.6%),18.5以上25未満が23 名(71.9%),25以上が4名(12.5%)であった。体脂肪 率は20%未満が4名(12.5%),20%以上30%未満が21名 (65.6%),30%以上が7名(21.9%)であった。 2 )「四分三分法の点」と「クラークの点」との距離につ いて 2点の距離は5.4±0.9㎝であった(n=64)。2点の距離 は,BMI・体脂肪率・ウエスト値・ヒップ値のいずれの指 数とも有意な相関が得られた(表3)。 3 )「四分三分法の点」,「クラークの点」での皮脂厚につ いて 「四分三分法の点」での皮脂厚は3.5±0.7㎝(n=60)で あり,「クラークの点」での皮脂厚は2.4±0.7㎝(n=60) であった。皮脂厚は「四分三分法の点」が「クラークの点」 より有意に厚かった(p<0.001)。また,最も皮脂厚の厚 かった例では,「四分三分法の点」での皮脂厚が5.2㎝,「ク ラークの点」での皮脂厚が3.8㎝であった。 2点での皮脂厚は,BMI・体脂肪率・ウエスト値・ヒッ プ値のいずれの指数とも有意な相関が得られた(表4)。 また,「四分三分法の点」での皮脂厚より「クラークの点」 での皮脂厚の方が,体格(BMI・体脂肪率・ウエスト値・ ヒップ値)全てにおいて相関係数が高いことがわかった (表4)。 Ⅳ.考 察 1 )「四分三分法の点」と「クラークの点」との距離につ いて 2点の距離は,御遺体では4.3±1.6㎝,生体では5.4±0.9 ㎝であった。このように御遺体,生体の双方において2 点間に距離が生じているため,「四分三分法の点」と「ク ラークの点」は一致が認められないと考えられる。また, 生体において2点の距離と体格(BMI・体脂肪率・ウエス ト値・ヒップ値)に有意な正の相関が得られていることか 表2 梨状筋上孔から各点までの距離 (n=33) 後枝の中殿筋侵入点までの距離(㎝) 5.1±1.9 「四分三分法の点」までの距離(㎝) 5.8±1.1 「クラークの点」までの距離(㎝) 6.9±1.4 表3 「四分三分法の点」と「クラーク点」との 距離と体格との相関係数 (n=64) BMI 体脂肪率 ウエスト値 ヒップ値 「四分三分法の点」と 「クラーク点」との距離 0.40** 0.38** 0.29* 0.45** **p<0.01 *p<0.05 表4 「四分三分法の点」および「クラークの点」での 皮脂厚と体格との相関係数 (n=64) BMI 体脂肪率 ウエスト値 ヒップ値 「四分三分法の点」 での皮脂厚 0.57** 0.61** 0.45** 0.57** 「クラークの点」で の皮脂厚 0.69** 0.76** 0.54** 0.58** **p<0.01 殿部への筋肉内注射部位の選択方法に関する検討 50 日本看護研究学会雑誌 Vol. 28 No. 1 2005 ら,対象の体格が肥満型であったり,殿部が大きかったり すれば2点の距離はより多く生じやすい事が考えられる。 2 )「四分三分法の点」,「クラークの点」での刺入深度に ついて 御遺体での計測結果において,皮脂厚は「四分三分法 の点」が「クラークの点」よりも有意に厚く,「四分三分 法の点」では皮脂の直下に大殿筋が分布している例が11側 (34.4%)あった。このことから「四分三分法の点」で注 射針の針先を中殿筋に到達させるためには,皮脂厚に加え て大殿筋の厚みも考慮しなければいけない。同時に大殿筋 を支配している下殿神経への損傷の危険性も考えなくては ならない。一方,「クラークの点」では全例において皮脂 の直下に中殿筋が分布しており,「クラークの点」で注射 針の針先を中殿筋に到達させるためには皮脂厚のみを考慮 すれば良いと考えられる。 御遺体での計測結果において,注射針の針先が中殿筋 に到達するまでの厚みは,「四分三分法の点」では大殿 筋が分布している場合で3.8±2.3㎝,分布していない場 合で1.6±0.8㎝であり,「クラークの点」では1.4±1.1㎝ であった。一般に注射針の刺入の深さは,組織内での針 の折損防止のため,注射針の2/3と記述してある文献が多 い10), 12)。また,現在よく筋肉内注射に利用されている注 射針は21~22G(長さ3.8㎝)である1), 11)。「四分三分法 の点」で21~22G(長さ3.8㎝)の注射針の2/3(約2.5㎝) を直角に刺入した場合,「四分三分法の点」で大殿筋が分 布していない例,および「クラークの点」では中殿筋内に 針先が到達できると考えられる。しかし,「四分三分法の 点」で大殿筋が分布している例では,中殿筋に到達するま での厚みが大きく,中殿筋内に針先が到達できない可能性 がある。 また,中殿筋の厚みは「クラークの点」が「四分三分法 の点」より有意に厚かったことから,筋が発達して厚みが ある「クラークの点」に筋肉内注射を行った方が安全であ ると考えられる。 そして,生体での計測結果において,「四分三分法の点」 での皮脂厚は3.5±0.7㎝,「クラークの点」での皮脂厚は 2.4±0.7㎝であり,有意に「四分三分法の点」での皮脂厚 が「クラークの点」よりも厚かった。生体での計測結果か らは,「四分三分法の点」では皮下注射になってしまう可 能性が高いことが予想される。一方,「クラークの点」で あれば針先が中殿筋内に到達できると考えられる。 また,今回の計測結果において,皮脂厚の厚かった例で は,「四分三分法の点」での皮脂厚が5.2~5.5㎝,「クラー クの点」での皮脂厚が3.8~4.5㎝であった。半田らは,肥 満型の体格の対象の場合,現在の一般注射針では筋肉内注 射になりえないことを認識する必要があり,殿部筋肉内注 射に適した,より長い,幾種類かの注射針が必要であると 述べている7)。筋肉内注射を実施する際には,対象の体格 に合わせた注射針の長さを選択するべきであり,特に肥満 型の体格の対象には一般注射針より長い針を使用しなけれ ば中殿筋に針先を到達できないため,カテラン針等の使用 が必要である。 菱沼らは,臨床看護師のうち,筋肉内注射を行う際に皮 脂厚をアセスメントしていると答えた者の割合を4割,ア セスメントしていないと答えた者の割合を5割と報告して いる19)。半田らは,「クラークの点」での皮脂厚と体格指 数(比体重・カウプ指数・ローレル指数)との相関係数を 求め,女性は比体重(体重/身長×10)とカウプ指数(体 重/身長2×103)において相関が認められたと報告してい る7)。今回の計測結果においても,「四分三分法の点」,「ク ラークの点」での皮脂厚と体格(BMI・体脂肪率・ウエス ト値・ヒップ値)には有意な相関が認められた。また,「ク ラークの点」が「四分三分法の点」よりも皮脂厚と体格と の相関係数が高いことがわかった。しかしながら,BMI・ 体脂肪率・ウエスト値・ヒップ値等から安全な刺入深度を 算定する方法については,対象数を増やし,さらに検討す る必要があり,今後の検討課題である。 半田らは,男女の「クラークの点」での皮脂厚には有 意差が認められたと報告している7)。しかし,今回の御遺 体での計測においては,男性が女性より皮脂厚が厚く,男 女の皮脂厚に有意差は見られなかった。これは,男性の 御遺体の中に皮脂厚が4.5~5.5㎝を有する例が2側あった ことが影響したと考えられる。また,今回の計測結果にお いて,2点での皮脂厚が解剖例と生体例では平均値が1~ 1.5㎝程度異なる数値が出た。遺体の固定液による皮脂厚 への影響については,先駆文献に「脂肪が皮膚に覆われた ままの状態であり,そこへの固定液の浸入や,固定液への 脂肪の溶出はないと考えられ,皮脂厚の縮小はほとんど無 視してよい程度のもの」とあるが7),ホルマリン固定後, アルコール内で保存したものであるため,組織の収縮が あることは否定できない。また,御遺体は仰臥位で保存さ れているため,殿部が圧迫され,生体時の殿部の形状が保 たれず,皮脂厚の分布が変化してくるため,生体とは異な る数値が出ることが推測される。また,御遺体での計測で は68歳以上の高齢者が対象となり,生体での計測では20歳 代の若年者が多く,また対象が女性のみであるため,双方 の対象の年齢構成,性別による差も生じていると考えられ る。 3 )「四分三分法の点」,「クラークの点」の神経への影響 について 現在,殿部への筋肉内注射の部位を選択する際には坐骨 神経を避けるように記載されている文献が多い10)。今回, 殿部への筋肉内注射部位の選択方法に関する検討 日本看護研究学会雑誌 Vol. 28 No. 1 2005 51 全例において坐骨神経に刺入していた例は認められず,注 射針を直角に小殿筋表層まで刺入した場合に上殿神経に刺 入していた例が実際に認められたことから,本来は上殿神 経の損傷の危険性について記載することが必要であると考 えられる。また,現在,筋肉内注射の実施時には,患者に 末梢の疼痛やしびれの有無を確認するように注意されてい るが10),上殿神経を損傷した場合に起こる影響について観 察していくことがより重要であると考えられる。上殿神経 を損傷すると,その部位より末梢の神経が麻痺し,知覚麻 痺や中殿筋の働きである股関節の外転・内旋運動の制限に つながることが予想される。そのため,注射部位周辺の電 撃痛や知覚・運動麻痺の有無を観察する必要があると考え られる。 梨状筋上孔から中殿筋内への侵入点までの上殿神経後枝 の長さは5.1±1.9㎝であったが,最短で1.6㎝,最長で9.7 ㎝と多様であり,また走行についても個体差が大きく見ら れた。上殿神経後枝の長さの平均値や走行の個別性を考慮 すると,梨状筋上孔からの距離がより大きい「クラークの 点」に注射した方が上殿神経に刺入する危険性が少ないと 考えられる。また,注射針を小殿筋表層に到達するまで刺 入した場合,上殿神経への刺入または密接例が「四分三分 法の点」では13側,「クラークの点」では5側あり,「四分 三分法の点」の方が多い。さらに,「四分三分法の点」で は11側で針が大殿筋を刺入しているため,上殿神経に加え て,大殿筋を支配している下殿神経末端の走行も考慮しな ければいけない。このように,「四分三分法の点」では神 経の損傷を起こす危険性が高いため,「クラークの点」の 方が神経の損傷をより防ぐことのできる安全な部位である と考える。 上殿神経は中殿筋直下(小殿筋表層)を走行しており, 皮脂・筋(大殿筋,中殿筋)の合計の厚みは,「四分三分 法の点」では大殿筋が分布している場合で6.0±2.6㎝,分 布していない場合で3.1±1.1㎝,「クラークの点」では3.5± 1.7㎝であった。これ以上の針長を刺入した場合,各点を 小殿筋表層に投影した点に上殿神経が走行していた例にお いては上殿神経を損傷する危険性が高まる。 上殿神経前枝に各点から引いた垂線の長さについて, 「クラークの点」が「四分三分法の点」よりも上殿神経前 枝にやや近いという結果が出た。これは,上殿神経前枝 が緩やかに斜め頭側に向かって走行している例では,「ク ラークの点」の方が「四分三分法の点」よりも上殿神経前 枝に近くなる傾向があることも原因として考えられる。ま た,実際に「クラークの点」においても注射針を小殿筋表 層に到達するまで刺入した場合に5側で上殿神経前枝に針 先が密接していた。すなわち,注射針を小殿筋表層に到達 するまで刺入した場合,「クラークの点」においても上殿 神経前枝に密接する可能性がある。「クラークの点」に通 常の注射針(21~22G,長さ3.8㎝)の2/3(約2.5㎝)を 刺入する場合は安全であるが,カテラン針を使用し,通常 より深く刺入する場合においては上殿神経に刺入する危険 性があることを考慮していなければならない。 Ⅴ.まとめ 「クラークの点」の方が「四分三分法の点」よりも皮脂 厚が薄く,また皮脂の直下に中殿筋が分布しているので, 確実に針先を中殿筋に到達させやすい。また,小殿筋表 層に針先が到達した場合に上殿神経の損傷の危険性も少な く,「クラークの点」がより筋肉内注射部位としては安全 であると考える。そして,両方の部位において対象の体格 を考慮しながら注射針の刺入深度を調節していくべきであ ると考える。 謝 辞 御遺体での計測において,献体された方々,献体者の御 遺族の皆様に心より感謝致します。また,生体での計測に おいて,快く協力して下さった被験者の皆様に心より感謝 致します。
要 旨 殿部筋肉内注射実施時の安全性について検討するため,代表的な殿部筋肉内注射部位である「四分三分法の 点」および「クラークの点」において,実習用遺体18体33側の皮脂厚および筋の構造,各点と上殿神経との解剖 学的位置関係について調べた。また,健康な成人女性32名(20~55歳)64側の殿部について皮脂厚を計測した。 「四分三分法の点」では「クラークの点」よりも皮脂厚が有意に厚く(p<0.001),そして12側に皮脂の直下に大 殿筋が分布していた。中殿筋の厚みは「クラークの点」(2.1±0.8㎝)の方が「四分三分法の点」(1.7±0.7㎝)よ り厚かった(p<0.01)。また「四分三分法の点」では,注射針を直角に小殿筋表層まで刺入した時,上殿神経へ の刺入が10側(30.3%)あった。このことから,「クラークの点」の方が,「四分三分法の点」よりも中殿筋に安 全に注射針を刺入できると考えられた。 殿部への筋肉内注射部位の選択方法に関する検討 52 日本看護研究学会雑誌 Vol. 28 No. 1 2005 Abstract The purpose of this study was to observe of sebaceous thickness, muscle organization and superior gluteal nerve of intramuscular injection in the buttocks, evaluated in 33 buttocks of 18 cadavers, and 64 buttocks of 32 females aged 20-55 years. As appropriate sites for injection site in the buttocks, right and/or left upper quadrant of the buttocks and the site of Clark have been considered. The sebaceous thickness of right and/or left upper quadrant of the buttocks had a significantly thicker than the site of Clark (p<0.001), and 12 right and/or left upper quadrant of the buttocks existed the gluteus maximus muscle directly under the sebaceous thickness. However gluteus medius muscle of site of Clark was thicker than right and/or left upper quadrant of the buttocks (p<0.01). Ten buttocks (30.3%) were observed damage to the superior gluteal nerve when the injection needle prick the top of gluteus minimus muscle on right and/or left upper quadrant of the buttocks. And sciatic nerve was not observed any injury by all cases. There results were suggested that in comparison with the right and/or left upper quadrant of the buttocks, the site of Clark is a safety site of intramuscular injection in the buttocks. 引用・参考文献 1) 岩本テルヨ:看護技術の安全性・安楽性 科学的根拠をクリ ティカルに展開する 注射(末梢神経の損傷を防ぐには!) , 月刊ナーシング, 19(4) , 62-66, 1999. 2) 長谷川洋子, 渡邉順子, 他:三角筋筋肉内注射部位に関する 記述内容の検討-基礎看護技術テキストを中心に-, 日本看 護医療学会雑誌, 3(2) , 37-46, 2001. 3) 長谷川洋子, 渡邉順子:基礎看護技術教育における三角筋 筋肉内注射部位の解剖学的検討, 日本看護研究学会雑誌, 24(3) , 296, 2001. 4) 中谷壽男:三角筋のどの位置に筋肉内注射をするのが適当 か?, 日本解剖学会雑誌, 76(1) , 126, 2001. 5) Toshio Nakatani, Hiromi Sanada, et al. : Appropriate site for intramuscular injection in the deltoid muscle evaluated in 35 cadaverous arms, MEMOIRS HEALTH SCI. MED. KANAZAWA UNIV., 24(2), No.2, 27-31, 2000. 6) 中谷壽男, 稲垣美智子, 他:三角筋への筋肉内注射 腋窩神 経を損傷しないための適切な部位, 金沢大学医学部保健学科 紀要 23(1) , 83-86, 1999. 7) 半田聖子, 大串靖子, 他:確実な皮下注射・筋肉注射に関す る一考察, 看護研究, 14(4) , 43-50, 1981. 8) 高橋みや子, 根本良子, 他:CT写真解析による注射部位の検 討-殿部筋肉内注射-, 日本看護科学学会誌, 8(3) , 128-129, 1988. 9) 川島みどり, 菱沼典子:看護技術の再構築 第53回 特別編 筋肉内注射(1)-日本看護科学学会・交流集会での調査より, Nursing Today, 16(8) , 66-69, 2001. 10) 川島みどり, 菱沼典子:看護技術の再構築 第54回 特別編 筋 肉内注射(2)-文献レビュー, Nursing Today, 16(9) , 66-69, 2001. 11) 石塚睦子, 黒坂知子:わかりやすい与薬, 92-98, 株式会社 T・M・S, 2000. 12) 柴田千衣, 石田陽子, 他:筋肉内注射技術に関するテキスト 記載内容について-日米のテキスト及び文献検討より-, 岩 手県立大学看護学部紀要4,105-110, 2002. 13) 高橋有里, 菊池和子, 他:筋肉内注射の実態と課題-看護職 者へのアンケート調査より-, 岩手県立大学看護学部紀要5, 97-103, 2003. 14) 海保幸男:注射部位の実態, 日本医事新報, No. 2512, 51-53, 1974. 15) 押田茂実:筋肉内注射法の歴史的考察, 日本医事新報, No. 2557, 13-20, 1973. 16) 河西達夫, 相山誉夫:皮下注射部位と神経の走行との関係に ついて-赤石論文を解剖学的に考察する-, 日本医事新報, No.2530, 43-47, 1972. 17) 赤石英, 押田茂実:注射による末梢神経損傷の実態と予防対 策, 日本医事新報, No.2512, 25-32, 1972. 18) 赤石英, 押田茂実:注射部位の再検討, 臨床のあゆみ, No.60, 19-20, 1973. 19) 菱沼典子, 大久保暢子, 他:日常業務の中で行われている 看護技術の実態-第2報 医療技術と重なる援助技術につい て-, 日本看護技術学会誌 1 (1) , 56-60, 2002. |
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· 大内転筋 大内転筋
大内転筋(だいないてんきん、adductor magnus muscle)は人間の恥骨の筋肉で股関節の内転、屈曲を行う。 恥骨下枝の前面および坐骨(下)枝の前面から坐骨結節までの間に起こり、強大な筋腹は大腿骨の内側面を下方へ向かい、2つの部分に分かれ、一部は筋のまま粗線の内側唇に、他の部は腱となって大腿骨の内側上顆の内転筋結節で終わる。 目次大内転筋の行動、トレーニング大内転筋は股関節を内転またははさみ込む動作に関連している。歩行や走行、サッカーや空手等の蹴る動作、組み技格闘技にて相手の胴体に脚を巻きつけるクロスガードポジション、足関節技や腕ひしぎ十字固めを掛ける際に脚で相手をクラッチ、ホールドする動作に関わり、競技やスポーツにおいて非常に重要な筋肉である。 その反面、鍛えることが難しく、肉離れ等で痛めやすいデリケードな部位でもある。トレーニング方法としては大きく分けて二通りあり、大きく股関節を開いて動作をするワイドスタンススクワットや四股、もう一つは脚を閉じる運動があり、アダクション等を使用する。 |
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· 大腰筋 大腰筋
大腰筋(だいようきん、psoas major muscle)は哺乳類の胸椎~腰椎の筋肉で股関節の屈曲(わずかに外旋)、脊柱の屈曲を行う。食肉家畜のいわゆるヒレ肉が、大腰筋に相当する部分である。 ヒトの大腰筋起始は浅部と深部に分けられる。浅部(浅頭)は第12胸椎と第1~4腰椎の側面およびそれらの間に介在する椎間円板から起こり、深部(深頭)は第1~5腰椎の肋骨突起から起始し、腸骨筋と合流して腸腰筋となり腸骨筋膜に包まれ、腸恥隆起を越えて走り筋裂孔を通って小転子で終わる。 大腰筋の神経支配は、腰神経叢の筋枝(Th12),L1-3,(L4)である。 |
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· 大菱形筋 大菱形筋
大菱形筋(だいりょうけいきん)は、菱形筋のうち、第1~第4胸椎の棘突起を起始とし、外下方に斜走して肩甲骨内側縁に付着する。 肩甲骨を上内方へと引く作用がある。肩甲背神経の支配を受ける。 背中 ヒトの背中のイラスト 人間(ヒト)の背の中央あたり。頸部の下あたりから胴のくびれあたりまで。動物の体の地面に面している側(腹)の反対側を「背」と言うが、その面の中央あたり。
目次 人間 形状 背中の中央部に縦に背骨が通っており、若干くぼんでいる。背骨の両側は、肋骨によって(相対的に)やや隆起したような状態になっている。 背中の上方(上寄りの部分)の皮膚の下には肩甲骨があり、肩まわりの動きに応じて、肩甲骨も動く。腕を上げる動作などをすると、それと連動して(腕の角度と一定の比率で)肩甲骨も回転し、それによって背中の皮膚の上からもはっきり判るほどに形状が変わる。 弱点 眼は腹側・胸側についており、背中側は見えず、また腕も前方には動かしやすいのだが背中側には動かしにくく、背中側は弱点になっている。
背中は弱点であるので、武芸者は通常、敵に背中を見せないようにする。決闘などで敵に背中を向けるのは非常に危険である。 居合道でも、抜刀するのとほぼ同時に敵を切り倒した後も、基本的に絶対に敵に背中を見せない。自分が切り倒した敵(瀕死状態の敵、あるいは絶命した敵)のもとから去る時も、(相手が生きているかのような心構えで)刀をかまえたまま、相手を見据えたまま、ゆっくりと後ろずさる。そして十分に距離を確保してから(相手が突然 意識を回復するなどして襲いかかってくるような事態になっても確実に反撃できる距離まで離れてから)、相手の側に顔を向けたまま、刀をふって血を払い、血をぬぐい、刀を鞘におさめる。次に、きびすを返すと(背中が相手側に向くので)、素早く、そして足早にその場を立ち去り、戻らない。つまり背中を見せる時間を最小限にする。 背中は弱点であるので、江戸時代、武士道では、敵をいきなり背中側から襲うことは卑怯とされた。相手の正面側からまず自分の名を名乗り、正々堂々と戦うのが美徳とされたのである。また、逃げること、敵に背を向けることは、恥とされたので、背中を切られることは敵に背を向けた、とも解釈され恥とされることもあった。たとえば、安藤信正が坂下門外の変で背中に傷を負ったところ、一部の幕閣から「背中に傷を受けるというのは、武士の風上にも置けない」と非難された。 なお、フェンシングやポーランドにおける騎士道世界大会では、正面から相手の背中を攻撃する技がみられ、これは互いに前面に盾を向けている状況下で、片手で武器をもっている姿勢上、相手を抱き込むようにして攻撃する=盾を封じたまま無防備な背を狙う方が楽であり、背面を叩きつける。日本の武士道とは異なり、背を攻撃することが別段 卑劣とはされない。単なる「テクニック」といった位置づけである。 背中には縦に一筋、背骨が通っている。背骨は胴の背中側の表面ちかく、浅い位置にあり、そこには重要な神経が通っている。背骨を傷めると、下半身不随になり歩けなくなってしまう可能性が高い。バイクのライダーは事故の時に背骨をいためないように、背中側にもプロテクターをつけること、あるいは背骨あたりを守る樹脂のプロテクタを縫いこんだライダーズウェアなどを着用することも多い。 コミュニケーションの不足、注意の不足 人間の眼は前方に向いているので、背中側で起きていることを把握するのは得意ではない。「背を向ける」は、見ようとしない、ということで、(精神的に)拒絶する、無視する、といった意味になる。 運ぶ 人が荷物を運ぶ場合、荷物を保持する場所はいくつかありうる(頭の上に乗せる、脇にかかえる、腹側で両腕でささえる、というのも太古から行われている方法である)が、背中も用いられる。アフリカの人々は多くが今も頭の上に荷物を乗せて運ぶ。山がちの地では、足元がおぼつかなく姿勢が不安定で、荷物を頭の上に乗せたまま進むのは難しく、背中に背負うほうが適しており、一般的になっている。背中で運ぶ場合は、背負いかご、背負子、リュックサックなどの道具が用いられる。 人は(腕を大人の首あたりにまわさせ、子供の尻の下あたりに手を添えれば、特に道具も無しに)背中に乗せて運ぶことができる。人を(特に子供を)背中で運ぶことをおんぶという。昭和ころまでは、日本人は(特に男性は)大人になると、年老いた自分の親を背負って(おぶって)運ぶことが多かった。近年では、核家族化が進み、そのかわりに老人の世話は介護制度などによって行われることが増え、また(便利な電動の乗り物ができるなど)やりかたが変わり、壮年が老人を背負って運んでいる姿はめったに見られなくなった。 さする 気を鎮める時には、ある程度親しい関係になっている人では、背中をさする、ということがある。気が立った人の気をなだめたり、落胆した人を慰めたり、する時に背中をさすることがあるのである。 背中の痛み ゴルフの選手は、ティーショット(ドライバーを用いたショット)で背中側の筋肉を痛めてしまい、背中の痛みに苦しめられることがある。 特にスポーツ等で痛めた記憶もない人、心当たりが無い人が背中に痛み(あるいは背中から「腰」にかけての痛み)を感じるようになった場合は、膵臓がんである場合もある。膵臓がんは早期発見が比較的難しく、おまけに一旦できると進行が速く、さらに膵臓は「深い場所」、腹側から見て胃の裏、背骨近くにあり、手術が難しいので、一旦癌になると助からない可能性が他の癌と比べて高いとされ、しばしば恐れられている。 膵臓癌はできているのに気付かれないことが多いので、結果として、当人は「ただの背中の筋肉痛だ」とか「腰痛だ」「腰の筋肉が痛い」などと思っていることも多く、そうした状態(背中痛、腰痛、と思っている状態)がしばらく続いた後で、耐えられないほどの痛みになってから検査をして、実はそうではなくて膵臓癌だった、などという展開になり、気付いた時は手おくれで、有効な手がほぼ残されておらず、結局亡くなってしまうような事例、癌だと判ったと周囲の人たちが聞かされてから亡くなるまでがあまりに短期間で 家族・親族が心の準備もできず大きなショックを受ける事例が非常に多いのである。 動物 四足で歩む動物の場合も、背中は無防備である。敵から攻撃を受けた場合、背中は守りづらい箇所、あるいは弱点である。 この背を構造的に強化して防御する方向に進化した例は多い。ほ乳類ではアルマジロがその典型である。昆虫や甲殻類などにも背面に比較的丈夫な外骨格を持つ例が多く、それらは普通は背甲(はいこう)と言われる。 ネコは、背中は強化されなかったが、その代わりに 攻め込まれると仰向けになることで、相手に弱点である背中を見せないようにし、するどい爪のある四肢をすべて相手に向け、防御・攻撃する(することがある)。 四足で立つ動物では、腹面は地面に向いており、背中は地面と反対側、上方で、他者から見える側でもある。したがって、同種内でのアピール(婚姻色や威嚇など)、他種に対する表示(保護色や警告色など)も、主として背面にあらわれる。動物の外見的な特徴が現れやすい側なので、昆虫標本等では背中が見えるように固定するのが一般的である。 子どもを常時運ぶ動物では、腹側の袋に入れたままにして運ぶ方法、背中側で運ぶ方法、口の中に入れて運ぶ方法 等々さまざまな方法があるが、オポッサム、サソリ、コモリグモなどでは背中に背負う。 接続する部分 慣用表現背を向ける
関連項目
人体の背面の下部にみられる窪みを指す表現 |
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· 多裂筋 多裂筋
多裂筋(たれつきん)は、横突棘筋のうち、最も中間に位置する筋肉である。 多裂筋は、更に腰多裂筋 (musculus multifidus lumborum)、胸多裂筋 (musculus multifidus thoracis)、頸多裂筋 (musculus multifidus cervicis) の3筋に分類される。 |
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· 短趾屈筋 短趾屈筋
短趾屈筋(たんしくっきん、Flexor digitorum brevis muscle)は人間の下肢の筋肉で第2~5趾PIP関節の屈曲を行う。 踵骨隆起の下面と足底腱膜の近位部から起始し、第2~4趾の中節骨で停止する。その前で2分している。 |
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· 短趾伸筋 短趾伸筋
短趾伸筋(たんししんきん、Extensor digitorum brevis muscle)は人間の下肢の筋肉で第2~4趾の伸展を行う。 足根洞の入口の近くの踵骨および下伸筋支帯の1脚から起こり、筋は3本の腱となって第2~4指の指背腱膜で停止する。 |
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· 短掌筋 短掌筋
骨格筋 > 体肢筋 > 上肢の筋 > 手筋 > 小指球筋 > 短掌筋 短掌筋(たんしょうきん、Palmaris brevis muscle)は人間の上肢の筋肉で手掌腱膜の緊張を行う。 手掌腱膜尺側縁が起始、小指球尺側縁の皮膚で停止する。作用は小指球の皮膚を引いて、手掌のくぼみを深める |
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· 短小指屈筋 短小指屈筋
骨格筋 > 体肢筋 > 上肢の筋 > 手筋 > 小指球筋 > 短小指屈筋 短小指屈筋(たんしょうしくっきん、Flexor digiti minimi brevis muscle)は人間の上肢の筋肉で小指MP関節の屈曲を行う。 有鉤骨鉤、屈筋支帯から起こり、小指基節骨底尺側、種子骨で停止する。 |
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· 短小趾屈筋
短小趾屈筋(たんしょうしくっきん、Flexor digiti minimi brevis muscle)は人間の下肢の筋肉で小趾MP関節の屈曲を行う。 第5中足骨底、長足底靭帯および長腓骨筋腱鞘から起こり、小趾基節骨底で停止する |
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· 短橈側手根伸筋 短橈側手根伸筋
骨格筋 > 体肢筋 > 上肢の筋 > 前腕筋 > 伸筋群 > 短橈側手根伸筋 短橈側手根伸筋(たんとうそくしゅこんしんきん、extensor carpi radialis brevis muscle)は人間の上肢の筋肉で手関節の背屈、橈屈を行う。 上腕骨外側上顆から起こり、第3中手骨底背側で停止する。 |
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· 短内転筋 短内転筋
短内転筋(たんないてんきん、adductor brevis muscle)は人間の恥骨の筋肉で股関節の内転、屈曲、外旋を行う。 恥骨結合の近くの恥骨下枝から起こり、大腿骨の粗線内側唇の上部1/3で終わる。 |
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· 短背筋 短背筋
短背筋(たんはいきん)は、棘背筋のうち、短筋である筋肉の総称。 目次短背筋に属する筋
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· 短腓骨筋 短腓骨筋
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· 短母指外転筋 短母指外転筋
骨格筋 > 体肢筋 > 上肢の筋 > 手筋 > 母指球筋 > 短母指外転筋 短母指外転筋(たんぼしがいてんきん、abductor pollicis brevis muscle)は人間の上肢の筋肉で母指MP関節の屈曲、母指CM関節の掌側外転を行う。補助的作用として、母指の対立、IP関節の伸展も行なう。 舟状骨、屈筋支帯橈側端から起こり、第1中手骨
頭橈側種子骨、母指基節骨底で停止する。 |
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· 短母指屈筋 短母指屈筋
骨格筋 > 体肢筋 > 上肢の筋 > 手筋 > 母指球筋 > 短母指屈筋 短母指屈筋(たんぼしくっきん、Flexor pollicis brevis muscle)は人間の上肢の筋肉で母指MP関節の屈曲を行う。 浅頭は屈筋支帯、深頭は大小菱形骨、有頭骨から起こり、第1中手骨橈側種子骨、第1中手骨尺側種子骨、母指基節骨底で停止する。 |
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· 短母趾屈筋
短母趾屈筋(たんぼしくっきん、Flexor hallucis brevis muscle)は人間の下肢の筋肉で母趾MP関節の屈曲を行う。 内側楔状骨、長足底靭帯および後脛骨筋腱の2頭から起こり、内側頭は母指外転筋と癒着して内側種子骨と基節骨に、外側頭は母指内転筋と癒着し、外側種子骨と基節骨で停止する。 |
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· 短母趾伸筋 短母趾伸筋
短母趾伸筋(たんぼししんきん、Extensor hallucis brevis muscle)は人間の下肢の筋肉で母趾MP関節の伸展を行う。 足根洞の入口の近くの踵骨および下伸筋支帯の1脚から起こり、第1指の指背腱膜で停止する。 |
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· 短母指伸筋 短母指伸筋
骨格筋 > 体肢筋 > 上肢の筋 > 前腕筋 > 伸筋群 > 短母指伸筋 短母指伸筋(たんぼししんきん、extensor pollicis brevis muscle)は人間の上肢の筋肉で母指MP関節の伸展、母指外転を行う。 前腕骨間膜、橈骨背面から起こり、母指基節骨底背側で停止する。 |
ち
· 中斜角筋 中斜角筋
中斜角筋(ちゅうしゃかくきん)は頚部の筋肉のうち、前斜角筋に沿って頚堆の横突起から肋骨に伸びる筋肉である。繋がっている肋骨を上方に引く作用を持つ。 中斜角筋の起始は、全ての頚堆の横突起から起こり、第一肋骨に停止する。 |
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· 恥骨筋 恥骨筋
恥骨筋(ちこつきん、Pectineus muscle)は人間の恥骨の筋肉で股関節の屈曲や内転を行う。 腸恥隆起から恥骨結節までの間の恥骨櫛に沿って起こり、細長い長方形を呈して下方へ斜走し、近位(上部)の線維は小転子のすぐ後ろを走り、大腿骨上部の恥骨筋線と粗線の近位部で終わる。支配神経は大腿神経と閉鎖神経の二重神経支配である。 |
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· チチン チチン筋肉繊維の収縮のモデル チチン(Titin)またはコネクチン(connectin)[1]は、骨格筋の収縮に関わるタンパク質である。長さ1μmを超える巨大なタンパク質である。 目次構造一次構造は生物種によって異なるが、ヒトのチチンは34350個のアミノ酸からなる、これまで知られている中で最も大きなタンパク質である。平均分子量は381万3kDaにもなり、pIは6.02である[2]。 試験管の中でも安定で、生体内での半減期は哺乳類の網赤血球で約30時間と見積もられている[3]。 名前チチンはこれまで知られている中で最も大きなタンパク質で、アルファベット表記で18万9819文字と最も長いIUPAC名を持つ物質として知られる。なおチチンという名前も、ギリシア神話の巨人ティーターン(titan)からとられたものである。 出典1. ^ Online 'Mendelian Inheritance in Man' (OMIM) 188840 2. ^ “ExPASy-calculated pI for titin”. 2015年10月2日閲覧。 3. ^ “Swiss-Prot Protein knowledgebase, main entry”. 2006年5月4日閲覧。 |
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· 中間広筋 中間広筋
中間広筋(ちゅうかんこうきん、Vastus intermedius muscle)は人間の大腿骨を起始とする筋肉で膝関節の伸展を行う。 大腿骨の前面の上部から起こり、膝蓋骨の上縁中央から膝蓋靭帯英語版をへて脛骨粗面に停止する。外側広筋、内側広筋、大腿直筋と一緒に大腿四頭筋を構成している。 |
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· 肘筋 肘筋移
骨格筋 > 体肢筋 > 上肢の筋 > 上腕筋群 > 伸筋群 > 肘筋 肘筋(ちゅうきん)は人間の上肢の筋肉。上腕骨の外側上顆後面上方から起こり、尺骨後面に停止する。支配神経は腕神経叢の後神経束の枝である橈骨神経である。作用としては肘関節の伸展を行う。伸展時には上腕三頭筋と共に協調して働く。 |
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· 中臀筋 中臀筋
中臀筋(ちゅうでんきん、gluteus medius muscle)は、臀筋のうちの1つである。ヒトでは小臀筋と同じく股関節の外転を行う他、股関節の内旋にもわずかに関わる[1][注釈 1]。腸骨翼の前殿筋線および後殿筋線の間にある殿筋面、腸骨稜および自身の筋膜から起こり、大転子外側面で終わる。なお、臀筋の中では大臀筋が下臀神経による支配を受けているのに対して、中臀筋は小臀筋と同じく上臀神経による支配を受けている。ちなみに、臀部への筋肉注射の際は、大臀筋よりも小さな筋肉である中臀筋の限られた位置に行うことが推奨されている[2]。 |
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· 虫様筋 虫様筋目次上肢
骨格筋 > 体肢筋 > 上肢の筋 > 手筋 > 中手筋 > 虫様筋 虫様筋(ちゅうようきん、Lumbricales muscle)は人間の上肢の筋肉で第2〜5指MP関節の屈曲、DIP関節、PIP関節の伸展を行う。 橈側の2筋は深指屈筋腱の橈側、尺側の2筋は深指屈筋腱に相対する面から起こり、それぞれ第2〜5基節骨底橈側面、指背腱膜で停止する。 下肢
骨格筋 > 体肢筋 > 下肢の筋 > 足筋 > 中足筋 > 虫様筋 虫様筋(ちゅうようきん、Lumbricales muscle)は人間の下肢の筋肉で第2〜5趾MP関節の屈曲、DIP関節、PIP関節の伸展を行う。 長趾屈筋の個々の腱の内側縁から起こり、第2〜5指の基節骨の内側縁へ行って、指背腱膜で停止する。 |
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· 腸骨筋 腸骨筋
腸骨筋(ちょうこつきん、iliacus muscle)は人間の腸骨の筋肉で股関節の屈曲(わずかに外旋)、脊柱の屈曲を行う。 腸骨窩と下前腸骨棘から起こり、大腰筋と合流して腸腰筋となり、腸骨筋の筋線維は大腰筋の線維の前方で小転子を越えて下方で終わる。支配神経は腰神経叢の筋枝L2-L4である。
腸腰筋腸腰筋(ちょうようきん)は腰椎と大腿骨を結ぶ筋肉群の総称。腸骨筋と大腰筋が関連している。内臓と脊椎の間にあり、深部腹筋群とも総称され見えない筋肉の一つ。主に股関節を屈曲させる働きをするが、腰椎のS字型を維持する働きを併せ持つ。腹腔の後ろにあり、脊柱を前屈させる筋でもあるため「深腹筋」と呼ばれることもあり(とくにスポーツ選手やトレーナの間でよく用いられる)運動に非常に重要な働きをしている。これは腸腰筋が背骨から大腿骨にかけてを引っ張り上げるような形状で緊結しているためで、多くの筋肉の中でも唯一重力から身体を守るという役割をも果たしている。日本人と黒人では、3倍ほど黒人の方が断面積が大きい[1]。 1990年代中頃から、特に短距離走を始めとする瞬発系競技の選手や指導者らの間で盛んにこの言葉が用いられるようになった。言葉の流行には、1998年に日本記録(10秒00)を樹立した伊東浩司や彼のトレーニングに携わった高野進、小山裕史らの影響が大きい。 腸腰筋はハムストリングスの主な拮抗筋であり、運動能力との相関が強い。短距離や跳躍の有力選手は腸腰筋が並外れて太いといわれ、400M走の五輪ファイナリストとなった高野進は日本人選手の一般水準の三倍程のサイズがあり速さの秘密として紹介されることがあった。 目次
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· 長趾屈筋 長趾屈筋
長趾屈筋(ちょうしくっきん、Flexor digitorum longus muscle)は人間の下肢の筋肉で第2~5趾DIP関節の屈曲を行う。 脛骨の後面から起始し、腱は屈筋支帯の下を滑液鞘に包まれて足底に達し、下腿で筋は後脛骨筋の上を横切り、足底では長母指屈筋の上を横切り、足底で腱は4本の停止腱に分かれ、第2~5趾の末節骨で停止する。 |
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· 長趾伸筋 長趾伸筋
長趾伸筋(ちょうししんきん、Extensor digitorum longus muscle)は人間の下肢の筋肉で第2~5趾の伸展を行う。 脛骨外側顆、腓骨頭と腓骨体前縁、下腿筋膜および骨間膜から起こり、筋の腱は外果の高さで4本の細い腱に分かれ第2~5指へ向かい、腱は腱鞘に納まり、前脛骨筋の外側で上伸筋支帯と下伸筋支帯の下を通り第2~5指の指背腱膜で停止する。 |
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· 長掌筋 長掌筋
骨格筋 > 体肢筋 > 上肢の筋 > 前腕筋 > 屈筋群 > 長掌筋 長掌筋(ちょうしょうきん、palmaris longus muscle)は人間の上肢の筋肉で手関節の掌屈、手掌腱膜の緊張を行う。 上腕骨内側上顆、前腕筋膜内面から起こり、橈側手根屈筋の尺側にそって下り、手掌腱膜で停止する。 体表からは、手首を軽く曲げ、母指と小指を対向させると長掌筋の腱を浮かび上がらせ観察する事ができる[1]。 尺骨動脈の枝によって栄養される。 人差し指、中指の過度な上下運動で筋肉痛になることがある。 なおこの筋肉は、しばしば欠如することがある(日本人で3〜5%、白人で15〜20%)[1]。長掌筋の働きは橈側手根屈筋などで容易に代行されるため、欠如しても機能的に全く支障をきたさない[1]。 欠如していても障害を生じることはないため、靱帯の移植手術に使われることがある。 トミー・ジョン手術では、主に野球選手の断裂した肘関節の内側側副靭帯に本人の長掌筋の腱を移植する[2]。 脚注1. ^ a b c 解剖実習の手びき 南山堂発行 ISBN 978-4-525-10311-8 2. ^ “ダル手術成功、数日中にリハビリへ「パワー送ってくださった方々、ありがとうございました」”. 夕刊フジ. (2015年3月18日) 2015年3月19日閲覧。 |
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· 長橈側手根伸筋 長橈側手根伸筋
長橈側手根伸筋(ちょうとうそくしゅこんしんきん、extensor carpi radialis longus muscle)は人間の上肢の筋肉で手関節の背屈、橈屈を行う。 上腕骨外側上顆から起こり、第2中手骨底背側で停止する。 |
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· 長内転筋 長内転筋
長内転筋(ちょうないてんきん、adductor longus muscle)は人間の恥骨の筋肉で股関節の内転、屈曲、外旋を行う。 恥骨上枝から起こり、大腿骨の粗線内側唇の中1/3で終わる。 |
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頭板状筋
頭板状筋(とうばんじょうきん)は、長背筋のうち、後頸の深層に位置する筋肉である。板状筋のうち、頭板状筋と頸板状筋の2部に分けられたものの一方である。頸椎および胸椎の棘突起を起始とし、外側上方に向かって走り、側頭骨乳様突起、後頭骨に付着する。 |
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· 頸板状筋(musculus spenius cervicis) 頭板状筋
頭板状筋(とうばんじょうきん)は、長背筋のうち、後頸の深層に位置する筋肉である。板状筋のうち、頭板状筋と頸板状筋の2部に分けられたものの一方である。頸椎および胸椎の棘突起を起始とし、外側上方に向かって走り、側頭骨乳様突起、後頭骨に付着する。 |
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· 脊柱起立筋(musculus erector spinae)
脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)は、長背筋のうち、脊柱の背側に位置する筋肉である。脊柱起立筋のうち、外側の筋群を腸肋筋、中間内側の筋群を最長筋、最内側の筋群を棘筋とよぶ。 |
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· 腸肋筋(musculus ilicostalis) 腸肋筋
腸肋筋(ちょうろくきん)は、脊柱起立筋のうち、最も外側に位置する筋肉である。 腸肋筋は、更に腰腸肋筋 (musculus iliocostalis lumborum)、胸腸肋筋 (musculus iliocostalis thoracis)、頸腸肋筋 (musculus iliocostalis cervicis)の、3筋に分類される。
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· 最長筋(musculus longissimus) 長筋
最長筋(さいちょうきん)は、脊柱起立筋のうち、中間に位置する筋肉である。 最長筋は、更に頭最長筋 (musculus longissimus capitis)、胸最長筋 (musculus longissimus thoracis)、頸最長筋 (musculus longissimus cervicis)の、3筋に分類される。 |
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· 棘筋(musculus spinalis) 棘筋
棘筋(きょくきん)は、脊柱起立筋のうち、最も内側に位置する筋肉である。 棘筋は、更に頭棘筋 (musculus spinalis capitis)、胸棘筋 (musculus spinalis thoracis)、頸棘筋 (musculus spinalis cervicis)の、3筋に分類される。 |
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· 半棘筋(musculus semispinalis) 半棘筋
半棘筋(はんきょくきん)は、横突棘筋のうち、最も上側に位置する筋肉である。 半棘筋は、更に頸半棘筋 (musculus semispinalis cervicis)、頭半棘筋 (musculus semispinalis capitis)、胸半棘筋 (musculus semispinalis thoracis)の、3筋に分類される。 |
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· 多裂筋(musculus multifidus) 多裂筋
多裂筋(たれつきん)は、横突棘筋のうち、最も中間に位置する筋肉である。 多裂筋は、更に腰多裂筋 (musculus multifidus lumborum)、胸多裂筋 (musculus multifidus thoracis)、頸多裂筋 (musculus multifidus cervicis) の3筋に分類される。 |
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· 回旋筋(musculi rotatores) 回旋筋
回旋筋(かいせんきん)は、横突棘筋のうち、最も下側に位置する筋肉である。 回旋筋は、更に腰回旋筋 (musculi rotatores lumborum)、胸回旋筋 (musculi rotatores thoracis)、頸回旋筋 (musculi rotatores cervicis)の、3筋に分類される。 |
つ
· 椎前筋 椎前筋
椎前筋(ついぜんきん)は、深頸筋のうち、頸部脊柱の前面に接して上下に走る細長い筋肉である。前頭直筋と頭長筋、頸長筋(斜角筋も含まれることもある)、外側頭直筋の4部に分けられる。 |
て
底側骨間筋 底側骨間筋
底側骨間筋(ていそくこっかんきん、Interossei plantares muscle)は人間の下肢の筋肉で第3~5趾の内転を行う。 第3~5中足骨の内側で1頭から起始し、長足底靭帯からの線維も含む場合もある。第3~5指の基節骨底内側で停止する。
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臀筋 臀筋
目次構成する筋肉
筋肉注射部位ヒトの臀部への筋肉注射を行う際は、臀筋のうち中臀筋の限られた領域に行うことが推奨されている[1]。 出典 |
と
· 頭蓋表筋 頭棘筋
頭棘筋(とうきょくきん)は、長背筋のうち、前胸の深層に位置する筋肉である。棘筋のうち、頸棘筋と胸棘筋、頭棘筋の3部に分けられたものの一方である。第1~第7頸椎横突起を起始とし、前側上方に向かって走り、大後頭孔に付着する。頭半棘筋の一部ともされる。 頭部および脊柱の後屈、側屈を行う。 |
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· 瞳孔括約筋 瞳孔括約筋瞳孔括約筋(どうこうかつやくきん、英: sphincter pupillae muscles)とは、虹彩筋に含まれる虹彩を調節して瞳孔を調節する筋肉である。 |
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· 瞳孔散大筋 瞳孔散大筋瞳孔散大筋(どうこうさんだいきん、dilator pupillae muscles)とは、虹彩筋に含まれる虹彩を調節して瞳孔を調節する筋肉である。 |
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· 頭長筋 頭長筋
頭長筋(とうちょうきん)は頚部の筋肉のうち、頚堆と後頭骨正中よりの間を長く繋いでいる筋肉である。頭を前方に曲げる作用を持つ。 頭長筋の起始は、第3から第6頚堆の横突起から起こり、後頭骨の底部に停止する。 |
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徒手筋力検査徒手筋力検査法(としゅきんりょくけんさほう)、Manual Muscle Testingとは、Danielsらによって開発された、徒手によって人体中の主要な筋肉の筋力を判定する検査法である。主に、医師、理学療法士、作業療法士によって実施される。 通称はMMT(エムエムティー)。 目次検査方法検査は、個々の筋、または協働して動く筋群に対して順に行われる。多くの場合、筋を等尺性に収縮させた状態で徒手抵抗を加える、抑止テスト(ブレイク・テスト)と呼ばれる方法で行われる。 まず、対象の筋を収縮させ、被検査者にはその状態を保持するよう指示する。 検査者はその筋に伸張方向(または関節運動での逆方向)の徒手抵抗を加える。その際の筋の収縮保持能力によって、段階づけし、判定する。 検査の信頼性、妥当性から、また、本検査法はスクリーニングによる検査であるため、全ての対象者に同一の最大徒手抵抗を加える必要がある。 段階づけ検査結果は数値、またはアルファベットによって量的に表現される。基本的には以下の6段階である。 ただし、検査項目によって個別に規定されている場合もあるので注意が必要である。 また、+(プラス)や-(マイナス)などの記号を用いて、段階間の筋力を判定する場合もある。 5(Normal):運動範囲全体に渡って動かすことができ、最大の徒手抵抗に抗して最終運動域を保持できる。 4(Good):運動範囲全体に渡って動かすことができ、中等度〜強度の徒手抵抗に抗して最終運動域を保持できる。 3(Fair):運動範囲全体に渡って動かすことができるが、徒手抵抗には抗することができない。 2(Poor):重力の影響を除いた肢位でなら、運動範囲全体、または一部に渡って動かすことができる。 1(Trace):筋収縮が目に見える、または触知できるが、関節運動はおこらない。 0(Zero):筋収縮・関節運動は全くおこらない。 具体的な検査方法
体幹
下肢
上肢帯僧帽筋(Trapezius) 肩を挙上させ抵抗を加える。副神経、C2、C3、C4支配である。副神経は延髄根と脊髄根があるため注意が必要。 三角筋(Deltoid) 両上肢を横に水平に挙上させ検者は上腕上部から下に押すようにし、それに対して上肢を挙上するように命じる。重力に抗しえないときは仰臥位で肩関節の外転を命じる。 棘上筋(Supraspinatous) 上肢を側方へ挙上させ抵抗を加える。ただし体幹より30度以内ある。脊髄神経根ではC4、C5、C6レベル、肩甲上神経支配である。 棘下筋(Infraspinatous) 肘を屈曲させ、前腕を外方へ回転させて抵抗を加える。小円筋の筋力も加わる。脊髄神経根ではC4、C5、C6レベル、肩甲上神経支配である。 菱形筋(Rhomboids) 手を腰にあてさせ、肘を検者の加える力に逆らって、後方へ突き出させる。脊髄神経根ではC5、C6レベル、肩甲背神経支配である。 大胸筋(Pectralis major) 上腕を側方へ水平へ上げた位置で内転を命じる。脊髄神経根ではC5、C6、C7、C8、T1レベル、前胸神経支配である。 大円筋(Teres major) 広背筋 (Latissimus dorsi) 肘をまげて、ほぼ水平に外転した腕を検者の力に逆らって内転させる。脊髄神経根ではC6、C7、C8レベル、胸背神経支配である。 上肢上腕二頭筋(Biceps brachii) 肘関節を屈曲させ、検者はそれを伸展するように前腕に抵抗を与える。脊髄神経根レベルC5、C6レベルの障害として重要である。 上腕三頭筋(Triceps brachii) 肘関節を伸展させ、検者はそれを屈曲するように腕に抵抗を与える。脊髄神経根レベルC7の障害として重要である。 腕橈骨筋 (brachio radialis) 手関節屈筋群(wrist flexors) 手関節を屈曲させ、検者はそれを伸展するように抵抗を与える。 手関節伸筋群(wrist extensors) 手関節を伸展させ、検者はそれを屈曲するように抵抗を与える。 指関節屈筋群(digi flexors) 指関節伸筋群(digi extensors) 長母指外転筋(abductor pollicis longus:APL) 手首を背屈させ、母指を外転させる。脊髄神経根レベルC7の障害、末梢神経レベルでは橈骨神経の障害の評価として重要である。 母指内転筋(adductor pollicis:AP) 母指を屈曲させず内転させる。しばしば紙を示指との間にはさみ、紙を引っ張ってぬけたら筋力低下という方法で代用される。脊髄神経根レベルC8の障害、または尺骨神経の障害の評価として重要である。 短母指外転筋(abduttor pollicis brevis:APB) 親指を手掌側に垂直にたたせる。脊髄神経根レベルC8の障害、または正中神経の障害の評価として重要である。 下肢内転筋群(adductors of thigh) 両膝を力一杯くっつけるように命じ、検者は膝の間に両手をいれ、これを開くような力を加える。 外転筋群(abdutors of thigh) 腸腰筋(iliopsoas) 坐位で大腿の股関節で屈曲させるように命じ(即ち膝を上にあげる)、検者は膝を上から下へ押すように抵抗を与える。仰臥位で行う場合は股関節、膝関節を90度屈曲させた状態から被験者にさらに股関節を屈曲させるように命じる。脊髄神経根レベルL2〜L3の障害およびL2〜L3より上位ニューロンの障害で筋力は低下する。 大腿四頭筋(quadriceps) 膝関節の伸展を行わせ、検者は下腿遠位側に力を加え抵抗を与える。膝を伸ばすイメージで行う。脊髄神経根レベルL2〜L4の障害およびL2〜L4の障害で筋力は低下する。 膝関節屈筋群(hamstrings) 腹臥位で膝関節の屈曲を命じる。検者は下腿中央部を上から押え抵抗を与える。この筋は脳卒中など上位ニューロン障害で早期から低下する。下肢バレ試験で評価している筋である。脊髄神経根L4〜S3の障害またはL4〜S3より上位ニューロンの障害で筋力は低下する。 前脛骨筋 (Tibial Anterior) 足関節の背屈、内反を行わせる。 下腿三頭筋 (triceps surae) 簡便な方法としては膝関節を伸展したままつま先立ちをしてもらうことで評価できる。仰臥位の場合は踵の下に手をおき、アクセルを踏むように足を底屈する。脊髄神経根S1〜S2の障害およびS1〜S2より上位ニューロンの障害で筋力は低下する。 長母趾伸筋(Extensor hallucis longs) 母趾の背屈を行わせる。 問題点この検査方法は、検者の主観によって被検査者の筋力を判定するということが最大の特徴であり、問題点でもある。 例えば、本来は段階4の被検査者に対して、徒手抵抗が不十分であると段階5として判定される。その為、十分に練習し抵抗の強さを体で覚える必要がある。同様に、徒手抵抗が強すぎる場合、より低い判定結果となる可能性があるため注意が必要である。 段階1レベルの判定においても、筋収縮を触知し難い筋の場合、段階0と判定されることもある。 これらの問題点のため、解説書などでは「臨床経験が必要」と表記されていることが多い。 徒手筋力検査で判定可能なのは、あくまでも正常レベルであり、この検査でNormal(5)と判定されたからといって100%までの筋力を判定されたわけではなく、筋断面積の大きな筋(ex.Quadriceps,Hamstrings)や、出力の多い筋では、その最大筋力の一部までしか判定できない。 筋ごとに検査肢位が異なり、当該検査肢位をとれない場合、筋や関節に問題が無くても検査自体が実施不能となる。 その他人間が健康な日常生活を営むためには、MMT3+以上の筋力が必要とされる。それを下回ると、様々な動作で機敏性が著しく失われ、周囲の人間の動作(例えば歩行など)に合わせることができなくなる。 |