乙字湯(おつじとう)
適応症
痔
核(じかく)
脱肛
女子前陰部掻痒(そうよう)症
目標
便秘して時々少量の出血があり、局所の痛みのはなはだしいもの。
構成
大黄(だいおう):1
柴胡(さいこ):5
升麻(しょうま):1.5
甘草(かんぞう):2
黄今(おうごん):2
当帰(とうき):6
備考
痔核、脱肛など痔疾患には、まず始めに試みるべき処方でが、下痢・軟便傾向の人やとくに虚弱な人には用いません。
痔疾は痔静脈のうっ血・充血が原因となりますが、この傾向の強い場合には、
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
や桃核承気湯(とうがくじょうきとう)などの「ふる血」を去る処方を合わせます。また、体力・気力が乏しく、内臓下垂の傾向があったり、直腸や肛門括約筋の弛緩によるものには、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を使います。また痛みの激しいものには、
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
との合方を考えます。痔ろうなどの化膿性痔疾患にはほとんど用いません。