13.督   泳 27穴(日経委では28穴) MERIDIEN DE TOUMO OU VAISSEAU GOUVERNEUR (GV

 

督脈は、前陰(外陰部)と後瞼(月工門)の間、すなわち、会陰部から起って、脊椎骨を上って、後頭より脳髄に入。、鼻凱頭頂)に上って額に出て、鼻茎端(鼻尖)より唇の裏の離交穴に終る背部から頭部の正中線をはしる経絡である。

 この間第3椎のところで別れて、風門に行き、再び第1椎の下で合流する。




















蛙「1.貰 諒(慰急こ絶景昔下空、)  TM1TchrangtSiangGV1

部 位′ 尾骨先端の直下にある。

取り方j尾骨端から月工門にかけて月工門尾骨靭帯があり、穴はこの上に取るが、その内部に肛門挙筋がある。

【筋肉】肛門尾骨靭帯、月工門番筋

【血管】下直腸動・静脈

【神経】尾骨神経、月工門尾骨神経

【主治症】急性、慢性の淋病に効き、失精すなわち遺精に効く。遣精にもいろいろな原因があるが、神経衰弱、局部神経の過敏、全身衰弱に基づくものは、われわれの立場からみれば気虚の一症である。治療としては全体的治療でなければならないが、局部治療もまた非常に効果的である。長強の治験例として、数年前42歳男子、慢性腎臓炎、高血圧症が悪化して全身衰弱をきたした。そしてわずかの刺激でも遺精する。のちには妻がそばにきただけでも射精するようになった。そこで、いつもの腎虚証の治療のほかに長強穴に灸五壮を施したところ2日ほどで止まり、以後1回もなくなった。後に別の男子患者に会陰穴に施灸したことがあるが、これも効いた。

 痔疾に対しても特効穴である0療(いぼ)痔、脱肛いずれにも効く。症痔には、長強のほかに症の周囲に糸状灸を数か所すえるとなおよい。急性症であれば一回ごとに鮮かに効く。痔胤脱肛、痔出血の鍼では、側臥して両膝を前にまげ、長強大から3寸あるいは2寸の鍼で仙骨の前面に沿って深く刺入すると速効がある。ただし第1回の治療後出血量を増すことがあるが、これは内部の欝血がとれ、かえって予後がよいように思われる。

 また、長強は脳出血や腰痛、小児引きつけにも効くことになっているが、このような場所の治療点をしいて選ぶ必要はないと思う。また中老年以後になると月工門および膀胱の括約筋が弛緩してわずかのことでも放屁(ほうひ)したり、大便や小便を泄(もら)したりするようなとき、長強大を用いて非常に効果があり喜ばれることがある。試み亭づき穴であると思う。

 

 

愈(別名、腰柱、髄孔、髄府)TM2.Ⅰ。0i。  (GV2

部 位 孔(古書の第21椎)の下部にある。

取り方 伏臥位で尾骨の尖端から上に押し上げてくると、約3寸のところで仙骨管裂孔の陥凹部に触れることができる。左右の第4後仙骨孔、すなわち賊‰内下部にあたる。

【筋肉】棟上靭帯、胸横筋膜

【血管】下殿動・静脈

[神経】仙骨神経後枝、下殿皮神経

【主治症】婦人病、月経閉止、痔疾、膀胱炎、足腰の神経痛、筋の弛緩。ぺ・j′;′√篭る子守

 

 

 冨.陽   関 TM3IangkoannGV3

 

部 位 腰部、第4腰椎林突起(古書の第16椎)の下部にある。

【筋肉】根上靭帯、柿間靭帯、林間筋、胸腰筋膜

【血管】腰動・静脈

【神経】聴神経後模

〔主治症】腸仙痛、腰・膝の痛み、中風による半身不随に効果がある。ま

 

4・器 肖(別名、楓精宮)TM4Ming蒜竺。)

部 位 腰部、第2腰椎棟突起(古書の第14椎)の下部にある。

取り方 左右の腸骨稜をつなぐ背部正中線が第4腰椎輔突起にあたる。これより1椎の上の陥凹部が命門穴である。左右の腎愈の中間にあたる。

〔筋肉】辣上靭帯、梯間靭帯、林間筋、胸腰筋膜

〔血管】.腰動・静脈

【神経】腰神経後横

【主治症】第2腰椎林突起の下、左右腎愈の間にあたり、男子は精を威し、女子は子宮を支え保つところであるとした。また先天的な生命力、すなわち父母から伝えられた精、先天の原気はこの両腎の問に保持され、一部は経脈中の栄衛に注がれて三焦の原気となって、個体維持の作用にあたり、一部は、女子は子宮に、男子は精道にそそがれて種族維持の作用、すなわち生殖作用にあたるのである。これは古代文化にありがちな比喩(ひゆ)的な表現法であるが、命門穴はこの作用に加えて部位的に、また治療的に関係あることをしめすたとえである。ゆえに精力の減退に用いられ、また子宮出血、あるいは帯下(たいげ=こしけ)に効果がある。

 命門はまた諸出血に治効があるとされ、子宮出血はもちろん、腸出血、痔出血、鼻出血に血止めの灸として用いられる。つぎに命門は腰痛の名穴でもあって、その取穴法は竹杖の灸(265ページ参照)として有名である。

 

5・腰  枢 TM55iuann・とcbrouGV5

 

部 位 腰部、第1腰椎林突起(古書の第13椎)の下にある。

取り方 左右の腸骨稜を結んだ線の中央を第4腰椎灘突起として、これより2椎上の第1腰椎突起の下の陥凹部に取る。

【筋肉】凍上靭帯、林間靭帯、辣間筋、胸月要筋膜

【血管】腰動・静脈

【神経】腰神経後枝【主治症】主として消化不良や下痢などの胃腸病に用いられる。また腰背痛にも効果がある。

 

6.背 中 (別名、脊柱、脊食)TM6TsitChong  (GV6

部 位 背部、第11胸椎妹突起の下部にある。

取り方 左右の腸骨稜を結んだ線の中央から4椎越えた上の萩突起の下、陥凹部に取る。すなわち第11と第12胸椎萩突起の間にあたる。ただし腰椎の激突起は大きく、胸椎の麻突起は小さくなる。

【筋肉】凍上靭帯、林間靭帯、林間筋、胸腰筋膜

【血管】後肋間動脈背枝、肋間静脈

【神経】胸神経後枝

【主泊症】痔疾、腸出血、黄痘、積衆(しゃくじゅ)に用いられる。

 

 

、ヾ)音 義(GV7)は264ページにあり。

、、匂・/蒜 諒(別名、筋束)TM7TsinnCh。。(GV8

部 位 背部、第9胸椎株突起の下部にある。

1胸椎、あるいは第4腰椎(ヤコピー線中央)から頼突起を上に数えて、第9胸椎の林突起の下に取る。左右肝愈の間に当る。

【筋肉】棟上靭帯、頼間開、棟闇路、胸背筋膜

管】後肋間動脈後枝、肋間静脈

【神経】胸神経後彼

【童泊症】左右肝愈の間にあって、肝は筋をつかさどるところから、癌痛、セステリ叫、その他脳脊髄疾患により強直性痙攣をおこした場合に、この穴の鍼灸によって著効があるところから、この先名がでたのである。

 

 9・主 義(別名,肺底)TM8Tche・;angGV-。)

他 方

部 取 背部、欝7胸椎韓突起の下部にある。

1胸棚突起より下に数えて第7胸椎麻突起の下に取る。左右の肩甲骨の下端を結んだ線の上部に当る。しかし、肩甲骨の高さに個人差があるので、人によってはやや下部に当る陥凹部に取る場合もある。

【筋肉】頼上靭帯、新聞靭帯、僧帽筋

【血管】後肋間動脈背私肋間静脈

【神経】胸神経後私副神超

【主治症】呼吸器疾患によってしだいにやせほそるもの、また硝化器官の虚弱で起る食欲不振、消化不良等に効く8これは四花患門の主治症に似また脊髄性麻痺によ膵足がしびれ痛む場合にもよいとされているが、試みるべき穴である。

 

部 位

牒十(GV10

背臥第6胸椎棟突起の下部にある。

取り方第1胸椎から数えて第6胸椎の妹突起を定め、その下に取る。

【筋肉】辣上靭帯、親閲嘲喘、林間臥僧帽筋【血管】後肋間動・静脈背枝

【神経】胸神経後枝、副神超

【主治症】隠鋸こ効く。

 

 

--勅/領空r、矧ぞ(?恥

部位背部、第5胸椎線突起の下部にある。

取り方背部の諸宍臥すわって頭を前に垂れ、背を前にかがめるようにすると、疎突起がよく表われて数えるのに便である。第5胸棚突起下に取る0左右心愈穴の間に当る。

〔筋肉】疎上靭層、疎開靭臥鵬筋、僧帽筋

【血管】後肋間動脈背私頸横動帆肋間静脈

 踊経】胸神経後払副梱

【主拍症】左右心愈の問にあって、頭痛、場裏漁ヒステリー、鮎症、小児引きつ順の脳神感性疾患と、また心悸冗進等の心臓性疾患に用いられる。

 

弁才2一・孝ィ讐‘/(胆、智季Uチ_・讐気)T凧・C怒豊u

部位背部、離脚佳梯突起の下部にある。

取り方頭を前に垂れて、大椎穴(第7頸椎と第1胸椎の森突起問)より数えて3椎下の麻突起の下に取る。

〔筋肉】疎上抑、林間媚、辣問臥僧帽臥菱形筋

【血管j後肋間動脈背枝、濱横動脈、肋間静脈

【神親胸神経後枝、副神経、

【主治症】脳脊髄疾患一般に用いられ、特にヒステリー、磁痛に用いて効また小児の好の虫(かんのむし)によく効くというのでヽ小児の保健の目的にちりげの灸れて広く用いている。 第2章 十四経絡と経穴各論

 

 1S.陶   道 OGV13

 

部 位 背部、第1胸椎棟突起の下部にある。

取り方 頭を前に垂れて、大椎穴(第7頸椎と第1胸椎の林突起間)の下の妹突起の下に取る。すなわち第1と第2胸椎棟突起間にあたる。

【筋肉】林上靭帯、柿間靭帯、疎間筋、僧帽筋、菱形筋

【血管】最上肋間動・静脈

【神経】胸神経後枝、副神経、肩甲背神経

【主治症】主として脳神経系のやまいで、頭重く、眩牽、項強(うなじこわばる)といった症状で熱性病からきた場合、または脳充血、高血圧症の場合に用いて効果がある。 陶道の両側は大抒穴で、呼吸器のやまいに効くといわれるが、陶道はあまり用いられない。

 

 

GV14

取り方 頭を少し前に垂れて肩を動かないようにして、頸を左右に動かしてみる。これに伴って動く突起は頸椎の突起であり、動かない突起は胸椎の突起と定める。このようにしてその動く突起の最下部のものと、動かない突起の最上部の突起の問に大椎穴を取るのである。

【筋肉】項靭帯、林間靭帯、柿間筋、僧帽筋

【血管】深頸動・静脈

【神経】頸神経後枝、副神経

【主治症】主として肺結核、あるいは結核性疾患の発熱のときに用いられる。また嘔吐や鼻出血を止めるのに著効がある。急性鼻炎に灸30壮を行うとたいへんよく効く。

 なお大椎はマラリヤの名穴とされていることはあまりにも有名で60壮施灸すると非常によく効く。

 

 15.痘   門 (別名、唖門、倍門、音横)TM14Iame。。 (GV15

部 位 後頸部、項寓の正中、後髪際を入ること5分?ところにある。(後髪際は大椎より35分上にある)

取り方 後頸部の上部、外後頭隆起の下部には左右両側の地蔵筋ぞ脊柱起立筋)、頸棟筋、僧帽筋などのたかまりの間に形成される項萬がある。その陥凹部の中心が療門穴で、骨では第1、第2頸椎妹突起問に当る。

【筋肉】項靭帯、僧帽筋、頭半裸筋

【血管】浅、深頸動・静脈

【神経】第2頸神経後枝(大後頭神経)

【主治症】脳脊髄性疾患からくる頭痛、背や項(うなじ)が強ばる、反折(後弓反張)、鼻出血、後頭神経痛、頭重等に効く。また痘という名称から、言語障害、舌炎等にも効くとされている。

 

16・風   府 (別名、古本、鬼枕、鬼穴)「GV16

部 位 後頭部、外後頭隆起の直下1寸にある。

取り方 後頭部の正中線で、外後頭隆起の直下1寸、項嵩の上部を圧すと痛むところがある。ここに取る。

【筋肉】頭半株筋、僧帽筋

【血管】後頭動・静脈

【神経】大後頭神経

【主治症】府とは集まるところの意で、風府とは風の集まるところという意味である。風とは病気の原因となる外邪(風、寒、暑、湿)のうちの一つで、軽いものは感冒、頭痛から各種急性運動麻痺、あるいは言語障害、重い場合は卒中風、半身不随、人事不省などをさすもので、この風の証には多くの疾患が含まれる。すなわち感冒や半側運動麻痺、知覚麻痺、言語渋滞等の証をきたすやまいに効果のある穴である。同じように風のつく穴に風門穴(第2胸椎蘇突起下の外方2横指径)がある。風府と同じように、風の証に効く。この2穴のあいだにある後頸部から肩背部の諸穴は、前述のような風の証には著しく効くものである。ゆえにこれらの穴の付近に散鍼や施灸がよく用いられる。

 また、咽頭、喉頭の炎症、頸のすじの引きつるのにも効果がある。

 

17.脳

戸(別名、匝風、全額)(GV17

部 位 後頭部、外後頭隆起の上の陥中にある。

取り方 仰臥して枕があたるところで、やや隆起し突出している骨をむか~趨蔽いったが、現在の外後頭隆起である。この隆起の上部の陥凹部に取る。

【筋肉】帽状腱膜

【血管】後頭動・静脈

【神経】大後頭神経

【主治症】面赤く、頸部慮れ、または顔面や頭が痛む場合、すなわち脳充血や三叉神経痛等により顔面部の痛む場合に効果がある。

 

18・論う 嵩(別私大羽) (GV18

部 位 後頭部.後項(百会の下15分)の下15分にある。

取り方 百会穴(頭部、両耳最高部を結んだ線の中央の陥中)の後下方3寸に取るが、また前記脳戸穴を外後頭隆起の上陥中に定めてその上15分に取ってもよい。

【筋肉】帽状腱膜

【血管】後頭動・静脈

【神経】大後頭神経

【主治症】療病や狂、高血圧、低血圧等に起る諸症、すなわち項強、嘔吐、海沫(えんまつ一流延症-)、頭痛、眩畳等に効く。

 

 19.後   頂 (別名、交衝)(GV19

部 位 後頭部、百会(帝項、両耳を結んだ線の中央陥中)の後下方15分にある。

取り方 頭をまっすぐにして、左右両耳の最高部を結んだ線と正中線との交点の陥中に百会穴を取り、この後下方15分に後頂穴を取る。

【筋肉コ帽状腱膜 

【血管】後頭動・静脈

【神経】大後頭神経

【主治症】大体、強問と同様な効果がある。

 

  28.官   金 (別名、嶺上、三陽五会、泥丸宮)TM19PaerOeGV20

部 位 頭頂部、両耳の最高部を結んだ線の中央の陥凹部に奉る。

取り方 頭をまっすぐにして、左右両耳輪の最上部を結んだ線と正中緑との交点に当るところの陥凹部に取る。古典では「旋毛(つむじ)中ニアリ」と記載されているが、人によっては必らずしも旋毛が正中にあるとは限らない。またこの部の正中線がかえって小高く隆起している者もあるので、旋毛とか陥中とかにかかわらないで、前記の取大法に従って定めるべきである。百会穴は頭頂骨の矢状縫合部に当り、強く圧したり、施灸すると頭の芯(しん)までとおるところである。

【筋肉】帽状腱膜

【血管】浅側頭動・静脈

【神経】大後頭神経

【主治症】この百会穴は頭頂にあって、圧すだけで内部まで痛みがとおるところである。諸書をみるとあまりにも多くの病名が列記されているが、これを概括すれば、脳脊髄神経系の病気にはなんでもよく効くということができる。このはかに百会は、痔のやまいによく効く。痔痛、脱月工によく効く。また目や鼻のやまいにも実際によく効く。また古典には心臓病の証があげられているが、私の経験では心臓病にきわめて′トさい文を少壮施し て効果があることが何度もあった。『衆英』に「百病皆治ス」とあるが、これはちょっと大げさであるが、足の三塁穴と同様、鍼灸ともに応用範囲の非常に広いものである。

 

 21・前   頂 (GV21

 部 位 頭部正中線、百会の前15分にある。

 取り方 百会(頭頂、両耳の最高部を結んだ線と正中線との交点の陥凹部)の前15.分で、矢状縫合部上の陥凹部に取る。また前髪際より35分に取る方法、あるいは厩会(前髪際より入ること2寸)の後15分に取る方法等ある。

【筋肉】帽状腱膜 

〔血管】浅側頭動・静脈

【神経】眼窟上神経の内側枝

【主治症】風邪による頭痛、眩章、児引きつけ等に効き、また、顔面の充血や腫れに用いられる。

 

 

  融.]ま  eGV22

 部 位 頭部正中線、前髪際を入ること2寸の部にある。

 取り方 百会の前3寸に当り、前髪際より2寸、また上星(前髪際より入ること1寸)の後方1寸に取る。大泉門部に当る陥中である。

【筋肉】帽状腱膜 

【血管】浅側頭動・静脈

【神経】眼駕上神経の内側枝

【主治症】脳貧血、飲酒過多による頭痛、また鼻塞、顔面充血、鼻出血等の頭部充血によく効く。また頭のふけの多い者にものぼせ引き下げの意味で使っても効果があることがある。頗会は百会とともに上記のような証の場合に多く用いられる穴である。

 

2吉 星((Ⅴ-23

部 位 頭部正中線、前髪際を入ること1寸の陥中にある。

取り方 頭部正中線を前髪際から1寸の少しくぽんでいるところ、神三庭(前髪際より5分入る)の後方5分のところにあたる。

【筋肉】前頭筋、帽状腱膜

【血管】浅側頭動・静脈、前頭動・静脈

【神経】眼窺上神経の内側枝

【主治症】百会、前項、騎会についで上星、さらにその前方の神庭はいずれも使用頻度が高く、その効果も著しい。脳の貧血性、充血性、発熱性の諸症からくる頭痛、日玄桑などに効くほかに、とくに眼疾、鼻疾に効く。目や鼻のやまいで頭部に取る穴としては、この上星穴は最も高く評価されなければならないであろう。

 また頭風といわれた頭の激痛、すなわち前頭神経(三叉神経第1枝眼神経の分枝)痛による痛みにも著効がある。

 

24.神   庭 (別名、髪際)(GV24

部 位 頭部正中線、前髪際に入ること5分にある。

取り方 鼻上の前髪際より5分入ったところに取る。髪際の定め方 督脈の髪際に前髪際と後髪際とがあるが、前髪際は眉間(みけん)から上方25分に、後髪際は大稚から上方35分に定める。この分寸は、前は眉間から、後は大椎までの長さを18寸としてこれを18等分した長さが1寸である。人間は老令になるとはげあがってくるが、皮膚の肌日(きめ)によっても額の部と、頭の部との境界は区別がつくものである。

【筋肉】前頭筋

【血管】前頭動・静脈

【神経】眼裔上神経の内側枝

【主治症】療病やその他のやまいから人事不省になった場合によく使われる。また鼻炎や蓄膿症にも効く。喘息に効くといわれるが、まだ試したことがない。

 

25.棄膠 (別名、面王、準頭) (GV25

部 位 外鼻の先端、すなわち鼻尖の陥中にある。

取り方 鼻の最も尖端のところで、押すと少しくぼむところにあたる。

【筋肉】鼻背筋膜 

血管】顔面動・静脈

【神経】三叉神経第1枝、前筋骨神経外鼻枝

【主治症】鼻尖にある欠で、普通はあまり使われない穴であるが、鼻のやまいで鼻茸(はなたけ)、鼻瘡(はながさ)、肥厚性鼻炎等のときに鍼を1分くらい刺入するか、または小指頭大のもぐさで施灸し、熱さを感じたら除去する方法(知熱灸)を行えば効果があることがある。この方法は顔面神経麻痺からきた鼻曲がりにもよいようである。

 

26臥 水   溝 (別名、人中、鼻人中、鬼市) (GV26

部 位 鼻柱の下郡、人中の正中中央にある。

取り方 鼻中隔の直下に人中といわれる溝がある。この溝の正中中央に取る。

【筋肉】口輪筋

〔血管】上唇動・静脈

【神経】上顎神経の上唇枝,顔面神経分枚

【主治症】この穴は知覚鋭敏なところで、指端等とともにいわゆる気付け鍼の行われるところである。脳充血、脳出血、脳塞栓、ヒステリ叫、療病、ショック、溺死等からきた人事不省、仮死に一応試みてみる穴である。施術の程度は病症にもよるが、鍼では10番以上を刺し、灸でも多壮すえるのが効果的であるが、彼の灸痕のことを考えて少壮を試み、百会とか、指端に施術点をかえる場合も多い。水溝は下の承梁穴とともに顔面咽斜(ゆがみ)(顔面神経麻痺)にもよく効く。水の字の名称が示すように水腫にも使われる。また糖尿病にも用∨られる。

 

吻・釜 議

端 (別名、唇上端、壮骨)(GV27

部一柱 上唇の粘膜と皮膚との境界部 正中線上にある。

取り方 人中の下端部で赤(粘膜)白(外皮)肉の境い目のとがったところの正中に取る。

【筋肉】口輪筋

【血管】上唇動・静脈

【神経】上顎神経の上唇枝.顔面神経の分枝

【主治症】歯肉炎、黄症、糖尿病に効くといわれている。

 

 28.敵  交 [GV28

部 位 上歯肉の前面正中、上唇小帯の付着部にある。

取り方 口腔前庭の正中に上唇の後面より歯肉部に張っている′ト帯がある。この上唇小帯の付着部、歯肉の上に取る。

【筋肉】上唇小帯 

【血管】顎動・静脈の分枝

【神経】上顎神経の眼窟下神経の分枝、前上歯槽枝

【主治症】『衆英』その他の古典には、皐や眼の疾患、黄症等の症に効くように記載されているが、現在ではほとんど使用されない穴である。

 

      督 脈 絵 論

 

『十四経発揮』に著者、滑泊仁は「督ガ言タルコト郡也。背部ノ中行ヲ行キ陽脈ノ都綱タリ」とあり、また岡本一抱子のこの註に「都ハ総也、綱ハ綱総也、綱ノ大縄ヲ綱卜言フ、綱ノ小目ヲ総べルモノ也云々」とあって、督脈の督は総督の意味である。すなわちすべての経路を統括するという意味である。ちょうど網の大綱の役目をしている形である。また背部の中央を上行しているから特に陽脈の都綱と名付けたものである。腹部の任脈に相対していて椎骨間、頭蓋骨上とか、鼻端、唇等の肉の浅い部分に経穴が一直線に並んでいる特別な経脈である。

 督脈の流注臓器は生殖器→月工門→脊髄→脳→鼻→上歯肉となっている関係上これらの経絡に関するやまいに効く経穴の多いことはいうまでもないが、また消化器、呼吸器疾患に関する穴もあることはつぎのとおりである。これを下部から見て行くと、腰仙部 長強から懸枢までの5穴中、男女生殖器、特に婦人病に長強、腰愈、命門穴が効くが、陽関穴も効果がある。痔疾につても同様である○背 部 の第7椎下の至陽穴より以下は、胃腸など消化器疾患に効果のある穴が多い。

 至陽、霊台、大椎等は呼吸器疾患に効果を現わすことが多い。

 神道より上、痘門までの諸穴は、すべて脳脊髄神経の疾患に特に効果がある。神経衰弱、諸種の精神病には背部、後頸部の穴は特に効果が認められる。

 頭蓋部 の諸穴は、主として脳神経系疾患に多く用いられる。特に百会、頗会、上星等は最も代表的な穴である。眼、鼻、顔面のやまいにも効く。

 鼻尖、上唇、歯肉部 にある経穴はあまり使う穴ではないので忘れがちであるが、むかしから経穴として存在している以上、追試研究もまた必要であると思う

13.督脈・主拾症一覧表 27穴    (日経委では28穴)

13.督脈)穴 名】部位】第(共這症)症 第  2  症 (特に効ある症)

骨端 骨

尾先 仙

生(長森二淋)痔(監)

生(語盃響さ)痔(学監)

腸出血、腰痛、引きつけ

5.懸 枢

6.脊 中

7.中 枢

8.筋 縮

9.至 陽

10.霊 台

11.神 道

12,身 柱

13.陶 道

14.大 椎

15.症 門

16.風 府

17.脳 戸

18.強 間

19.後 項

20.百 会

21・前 頂

脳(療病)

呼(管

肋病

いそう

 呼(語気腫)

脳(そ讐欝聖)背腰急)

脳(狂、精神病)

脳(墓筐裏雷、眩、)

呼(清覧磨咳)

脳(欝由実痛)

脳(狂、中風偏風)

脳(充血、三叉神経痛)

脳(諾警嵩監題計)

脳(同上)

脳(一般、中風)

脳(緊克罰誓っけ)

腸(仙痛)中風麻痺

坐骨神経痛

嘉腸(雫浣不良)腰背痛

腸出血、黄症、積衆

食道痙攣、小児貯

消(墨票減退)四肢麻痺

嘔、傲(はなぢ)、鼻炎、

マラリヤ.かたれザ

儲薩喜急不レ語、臥

頸急

面赤痛、頭部腫物

熱頭痛、片頭痛

痔、心煩

面(充血、麿)

2章 十四経絡と経穴各論

穴  名

第 1 症

 (共通症)

第  2  症

(特に効ある症)

22.願 会

23.上 星

24.神 庭

25.素 膠

26.水 溝

27.発 端

28.敵 交

前 頭

鼻 尖

人 中

上 唇

歯 肉

脳(眩、頭捲く、貧血)

脳(同上)

脳(癒、人事不省)

鼻(痴)

面赤、鼻塞、二日酔、ふけ

頭風、目晴痛、鼻塞、

鼻茸、面赤j

鼻炎、蓄膿、心境

(鼻茸、瘡、咽斜)

卒中風回生、喘斜、水

腫、糖尿

歯肉炎、黄痕、糖尿

1.生殖器疾患(主として婦人病)

1.痔 疾

1.脳脊髄疾患

1.その他(消化器、呼吸器、鼻、日、顔面)

注、崩血(ほうけつ)、婦人病の一つで、子宮の内部がただれて出血するも

  のをいう。(子宮内膜炎)