アラビア語

アラビア語

اللغة العربية

発音

IPA: [alːuɣatulʕarabiːja]

話される国

アラブ首長国連邦ルジェリアイエメンイスラエルイラクイランエジプトエリトリアオマーンカタールガンビアクウェートコモロサウジアラビアシリアスーダンソマリアチャドチュニジアパレスチナガザ地区ヨルダン川西岸地区)、バーレーンマリモーリタニアモロッコ(および西サハラ)、ヨルダンリビアレバノン

地域

中東 アフリカ

話者数

23500万人

言語系統

アフロ・アジア語族

·         セム語派

o    西方セム語

§  中央セム語

§  アラビア語

表記体系

アラビア文字

公的地位

公用語

アラブ首長国連邦ルジェリアイエメンイスラエルイラクエジプトエリトリアオマーンカタールガンビアクウェートコモロサウジアラビアシリアスーダンソマリアチャドチュニジアパレスチナ自治政府バーレーンモーリタニアモロッコヨルダンリビアレバノン


国際機関: 国際連合アラブ連盟イスラム協力機構アフリカ連合

統制機関

エジプト: アラビア語アカデミー

言語コード

ISO 639-1

ar

ISO 639-2

ara

ISO 639-3

araマクロランゲージ
個別コード:
arq — アラビア語アルジェリア方言
aao — アラビア語サハラ方言
bbz — Babalia Creole Arabic
abv — アラビア語バーレーン方言
shu — アラビア語チャド方言
acy — Cypriot Arabic
adf — アラビア語ドファール方言
avl — Eastern Egyptian Bedawi Arabic
arz — アラビア語エジプト方言
afb — アラビア語湾岸方言
ayh — アラビア語ハドラマウト方言
acw — アラビア語ヒジャーズ方言
ayl — アラビア語リビア方言
acm — アラビア語イラク方言
ary — アラビア語モロッコ方言
ars — アラビア語ナジュド方言
apc — North Levantine Arabic
ayp — North Mesopotamian Arabic
acx — アラビア語オマーン方言
aec — アラビア語サイード方言
ayn — アラビア語北イエメン方言
ssh — アラビア語シフフ方言
ajp — South Levantine Arabic
arb — フスハー
apd — アラビア語スーダン方言
pga — Sudanese Creole Arabic
acq — アラビア語南イエメン方言
abh — Tajiki Arabic
aeb — アラビア語チュニジア方言
auz — Uzbeki Arabic

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アラビア語が公用語の国・地域
緑:アラビア語が唯一の公用語
青:アラビア語がいくつかの公用語の一つ

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アラビア語(アラビアご、اللغة العربية, UNGEGN式:al-lughatu l-ʻarabīyah, アッ=ルガトゥル=アラビーヤ)は、アフロ・アジア語族セム語派に属する言語の一つ。主に西アジア北アフリカアラブ世界で話されている。ISO 639による言語コードは、2字が ar3字が ara で表される。

日本語では亜語あるいはと表記される。

世界で3番目に多くの国と地域で使用されている言語であり、アラビア半島やその周辺、サハラ砂漠以北のアフリカ北部の領域を中心に(非独立地域を含めて)27か国で公用語とされており、また、国連公用語においては、後から追加された唯一の言語でもある。

目次

概要

en:Arabic languages」も参照

「アラビア語」は、もともとアラビア半島で話されていたが、北アフリカやイラク、シリア方面まで広がった。次の2つに大きく分類する。

フスハー(正則アラビア語)はアラブ諸国の共通語であり、アラビア文字で書かれる。起源は西暦4世紀ごろのアラビア半島にさかのぼるといわれ、イスラーム文明の出現と拡大にともなって北アフリカにまで使用地域が広がり、現在まで言語として大きく変わらずに使われている。

イスラームの聖典であるクルアーンは古典アラビア語で書かれているが、これはムハンマドがいたヒジャーズ地方のアラビア語をかなり反映していると考えられる。クルアーンの記述によれば、イスラームを伝えるために神が選んだのがアラビア語だったことから、ムスリムはこれを「アッラーの言葉」としてとらえている。クルアーン(コーラン)はアラビア語で詠唱して音韻をふむように書かれ、またアラビア語原典がアッラーが人類に与えたオリジナル版とされるため、翻訳は教義上原則禁じられる。クルアーンの勉強や暗誦は敬虔なイスラム教徒の必須の義務とされるが、クルアーンを学ぶためには必然的にアラビア語を読めなくてはならず、アフリカからトルコインド東南アジアにかけてのイスラム圏では、アラビア語がイスラム知識人層の共通語として通用している。

マカーマート』〈訳は平凡社東洋文庫3巻〉のような古典に見られる書き言葉は、とくにオスマン帝国の時代に一時期衰退したが、話し言葉は続けて用いられていた。文語は近代になってより簡単なものとして練り直され、書籍・雑誌・新聞などの文章はもちろん、公的な場での会話やテレビニュースなどでも使われるようになった。

一方、アーンミーヤ(方言)は、日常会話で用いられる話し言葉を指す。現代の話し言葉としてのアラビア語は、国・地域によって異なる地域変種(ラハジャ)に分かれ、これには正字法が無い。日常会話はこの話し言葉で話されるが、私信などではこれを文字化して表現する。また、大衆向けの小説や演劇、詩歌は現代口語の諸変種で書かれる。 

湾岸方言ヒジャーズ方言イラク方言シリア方言英語版)、レバノン方言英語版)、パレスチナ方言エジプト方言スーダン方言マグリブ方言英語版)、ハッサニヤ方言などに大別され、それぞれの地域のなかでも違いがある。地域によっては、宗派ごとに話されるアラビア語に差異があるなどする。また、生活形態によっても、地域を越えてそれぞれ共通の特徴がある。遊牧民方言、農村方言、都市方言の3つに分けられる。

現代アラブ世界での書き言葉と話し言葉の関係は、中世カトリック教会地域におけるラテン語ロマンス諸語の関係に似ている。後者が前者から派生し(異論もある)、多くの変種に分かれていること。前者が日常語としては死語であるが、公的な話し言葉、書き言葉として通用し、後者は基本的に書かれることはまれであることが、その理由である。

なお、エジプト方言、シリア方言、レバノン方言などはマスメディアで多用されるためアラブ世界各地で理解される一方、異なる地域同士の住民では方言での会話に支障が出ることもある。また、書き言葉が日常で話されることはほぼ皆無であり、読み書き・演説や報道番組での使用に限定される。従って、非ネイティヴが現地でスムーズな日常の会話を行うためには当地の話し言葉を習得する必要があり、読み書きも習得する場合には話し言葉と重ねて学習しなければならない。

アラビア語の特徴

多くの単語は、三つの子音語根として分析することができる。そこに、母音接頭辞接尾辞接中辞を付けて、語彙を派生したり、活用したりする。形態論的には屈折語である。

文字

詳細は「アラビア文字」を参照

発音

詳細は「アラビア語の音韻」を参照

文法

詳細は「アラビア語の文法」を参照

アラビア語を起源とする語彙

Category:アラビア語の語句」も参照

「アル」で始まる言葉が多いのは、al-定冠詞だからである。アラビア語の冠詞も参照。

他にもペルシア語テュルク諸語(オグズ、キプチャク、チャガタイ語群)、スペイン語ヒンドゥスターニー語マレー語スワヒリ語などの言語にはアラビア語からの借用語が少なくない。これらの言語は現在もアラビア文字で書かれているか、過去の一時期にアラビア文字で書かれていたという歴史を持つ(ペルシア語を除き、現在はそれぞれ別の文字で表記されている)。

方言

en:Varieties of Arabic」も参照

Arabic Dialects.svg

アラビア語を公用語とする国家等

現代標準アラビア語を公用語とする国家

アジア

アラブ首長国連邦 - イエメン共和国 - イスラエル国 - イラク共和国 - オマーン国 - カタール国 - クウェート国 - サウジアラビア王国 - シリア・アラブ共和国 - バーレーン王国 - パレスチナ自治区 - ヨルダン・ハシミテ王国 - レバノン共和国

アフリカ

アルジェリア民主人民共和国 - エジプト・アラブ共和国 - エリトリア国 - ガンビア・イスラム共和国 - コモロ連合 - ジブチ共和国 - スーダン共和国 - ソマリア - チャド共和国 - チュニジア共和国 - モーリタニア・イスラム共和国 - モロッコ王国 - リビア共和国

アラビア語を公用語としている国家は増加傾向にある。これは、かつてイギリスやフランスの植民地だったアラブ人国家が独立したのち、公用語を英語やフランス語からアラビア語に変更する傾向が強いためである。特にアフリカにおいては、アラビア語圏以外のほとんどの新独立国が旧宗主国の公用語をそのまま使用し続けているのと明確な対比をなしている。

現代口語アラビア語を公用語とする国

マルタ共和国マルタ語は、現代アラビア語口語の一変種である。語彙などの面でヨーロッパ諸語からの借用が多く、またラテン文字で綴られる。現代アラビア語口語諸語の中で国家の公用語となっているのはマルタ・アラビア語のみである。

イスラエルにおけるアラビア語の状況

 

英国委任統治領時代のパレスチナにおいては、英語、アラビア語、ならびにヘブライ語の3か国語が公用語とされ、当時のパレスチナにおける通貨や切手などは左記の3か国語で記載されていた。そして、イスラエル建国後は、アラビア語とヘブライ語のみがイスラエルの公用語とされ、英語は公用語ではなくなった。しかしながら、ユダヤ系イスラエル人の児童や生徒を対象とした初等教育ならびに中等教育機関においては、公用語であるアラビア語よりも公用語ではない英語の教育を重視している。しかし、アラブ系イスラエル人の児童や生徒を対象とした初等教育ならびに中等教育機関においては、ユダヤ系イスラエル人よりもアラビア語やアラブ文学などに割り当てられる時間数が多い。また、イスラエルにおける雇用条件において、多くの場合は「ヘブライ語と英語が話せること」が語学的な条件として課されており、公用語であるアラビア語は全く理解できなくても、イスラエル社会においては特に問題視されない。それ故、イスラエルにおけるアラビア語は、公式には公用語であるにもかかわらず、事実上はアラブ系イスラエル人というマイノリティのみが用いる言語になっている。また、現在のイスラエルにおける通貨や切手などは、ヘブライ語、アラビア語、ならびに、英語の3か国語で記載される。

アラビア語を公用語とする国際機関

参考文献

脚注

関連項目

アラブ語学院 - エジプトカイロにあるアラビア語の発展・統制を目的とする研究機関

外部リン

東京外国語大学アラビア語専攻公式ホームページ

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アラビア語 العربية

概説

Caligrafia arabe pajaro.svg

文字

書法

文法

マグリブ方言

アラビア半島方言

中央方言

レバント方言

東部方言

その他の方言

消滅した方言

 

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国際連合公用語

Flag of the United Nations.svg

 

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アフリカ連合の言語

Working

英語 · フランス語 · アラビア語 · スペイン語 · ポルトガル語 · スワヒリ語

Transnational

ハウサ語 · ソマリ語 · ヨルバ語 · ボ語 · オロモ語 · ルワンダ語/ルンディ語 · スワジ語 · ツワナ語 · ソト語 · ウォロフ語 · コンゴ語/キトゥバ語 · カヌリ語 · フラニ語 · チェワ語 · リンガラ語 · マダガスカル語 · アフリカーンス語 · ショナ語 · ティグリニャ語 · モシ語 · ズールー語

National

アムハラ語 · サンゴ語

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