7.足の太陽膀胱経 63穴(日経黍では67穴) ()MERIDIEN DE LA VESSIE
流 注 腸脱経は小腸靂の支脈が目の内眼角の晴明穴に至るところから始まる。これより実直ぐに上り髪際に至って、任脈の神庭で左右の脈が交り、曲差に離れ、通天よりまた督脈の百会で交り、再び離れて脳に入り、これを終い、ここからでて項(うなじ)に下るのでる。
その支脈は、百会より別れて耳の上角に下る。本経は萌から背の両側を下り、各臓腑の愈穴を経て腹の中に入って腎を縫い、膀胱に属会する。その支脈は、腰中から下って殿部を貫き、大願の後側を下行し、膝嵩の中に入る。ここで合する別の支脈がある。すなわち頸の天柱天から別れて下る膀胱経第2側線の末端がここで合するのである。これより下行し、外果の上7寸でアキレス腱の頼子:.-㌻聖を下行し、外果の下に至り、第5指(足)の外側よりそ仁梢削こ終る
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頼ノ・こ.一票顧靭帯書置荒・・(BL-1)
部 位 内眼角の内方の陥中にある。
取り方 鼻根の上方で、内眼角の内方約1分の陥んでいるところに取る。
【筋肉】眼輪筋
【血管】眼角動・静脈
【神超】三叉神経第1彼の分枝、滑車上神経、顔面神経分枝
【主治症】主として眼病に効くことになっているが、余り用いられない。しかし、結膜炎や鼻涙管閉塞の場合に糸状文一壮の施灸、または一番鍼を吉・眉衝 BL-3は132頁にあり。涙管に沿って5ミリぐらい刺入することによって充血が去るものである。また小児の描坊(ちくでき)にも効果がある。
度、遠 祖(別名,殆光.光明.眉本.眉頭,∂眉毛内端の陥中にある。
(BL-2)
取り方内眼角の上方、眉毛の内端で指で探れば陥凹部がある。爪で左右に探ると縦にこりこりした限裔上神経に触れる、強く圧すると痛みが前頭部一帯に透って気持がよい、ここに犬を取る。
【筋肉】穀眉筋
【血管】眼窟上動・静脈
【神経】眼喬上神経内側枝、顔面神経
【主拍症】眼病、頭痛、療病や精神異常に効果がある。灸はあまり適しないが、鍼は浅く刺入する0鍵鍼によって圧し押さえると眠から,
雪男きのであ和解働沌(別名・菅野)(BL-4)
の如けf寺5’み、’姦感よオ▲三分羞七ころにある。
取り方神慮(鼻上、髪際に入ること5分)の外側1寸5分で内眼角の直上に当る0髪際は眉上2寸5分であって、禿(抑ヂている着でも前頭部にしわをよせることによって、しわの最上部と頭皮の肌目(きめ)との境界部を髪際として判別する。
【筋肉】前頭筋帽状鷹膜
【血管】眼宮上動・静脈
【神経】眼寓上神経 内側枝(三叉神経第1勧、顔面神経
【主治症】鼻のやまいに効き、瓜血、鼻塞、鼻瘡等が挙げられているが、蓄膿症にもよく効くようである。隣りの臨泣穴(月旦経)もまたよく似た効果があるので使われる。
空・モ\ノ篭朽 u(BL-5)
位 上星の外側1寸5分、曲差の上方5分にある
取り方 督脈の上星(神庭の後5分で鼻上髪際に入る上方1寸にある)の外側1寸5分で、曲差(神庭の外側1寸5分)の上方5分のところに取る。
【筋肉】帽状腱膜
【血管】眼席上動・静脈
景讐J】撃力減退、発熱による頭痛や脳病に効く
6.(BL-6)
適し過 去奥あぅしちゞ寸5分にある。
ち取り方前頭部正中より外へ1寸5分離れたところで五処穴(臓の上方1寸)のうしろ1寸5分に取る。
【筋肉】帽状腱膜
【血管】浅側頭動・静脈前頭枝
【神経】眼寓上神経内側枝
【主拍症】脳疾患による発熱・頭痛・眩曇、または眼や鼻のやまいに用い(別名、去旧忘
8.露 諒(別名、強陽、脳蓋)(BL-8)
部 位 通天のうしろ1寸5分にある。
取り方 前頭部正中より外側1寸5分、通天(前髪際より4寸、百会の斜め前をはさむ)のうしろ1寸5分、百会をわずかうしろに下がった両側に取る。
【筋肉】後頭筋停止部
【血管】浅側頭動・静脈頸頂枝
【神経】大後頭神経
症】目.?内筒(そこひ)や種々の脳疾患に効く。
盃誓うしろ1寸5分に部、悔も左定富加
部聴も泉光おうしろ1寸5分にある
取り方前頭部正中の外側1寸5分、髪際より4寸うしろに当る0百会の 前を斜めに挟む。
【筋肉】帽状腱膜
【血管】浅側頭動・静脈前頭枝
【神経】眼席上神経内側枝
【主拍症】鼻のやまい。図血、項頸重痛、ロ眼鴨斜(顔面神経麻痺)等の
症によく効く。
ダ枕 (BL-9)
の上部、脳戸の外側1寸3分にある。
部 位
取り方 後頭骨の出ているところは外後頭隆起であるが、正中線上にややくぼんだところがあり、脳戸穴はここに取る。玉枕穴はその両側1寸3分に取る。(玉枕大の部位に関して異説がある。)
【筋肉】頭板状筋停止部
【血管】後頭動・静脈
【主拍症】脳軍息にラご節苧環窄ま号状、目や鼻のやまいに効く
71、て菜t:;這:ナ美(BL-10)
部㌔嘉窓蓋の外側、鮒にある。
り剛方後頭骨の下縁でその中央のくぼみを項裔という。その中央は癌門穴である。その両側約1寸3分、僧帽筋腱の外側に取る。ほぼ髪際の部に当る。
【筋肉】僧帽筋、頭半株筋
【血管】後頭動・静脈
【神経】大後頭神経(第2頸神経後枝)、副神経
【主拍症】脳神経疾患や目、鼻、耳等の頭部諸器官の疾患一般に効果がある。月旦経の風池穴とならんで脳神経系疾患には忘れることのできない経穴である。この穴が用いられる病名を挙げれば、頭痛、血圧冗進、半身不随を始めかぞえきれない。また肩こりや手の痛みにも効く。
芙 諒(別名、鰍首労)BL-11)
部位肩背誠第1胸椎棟突起と第2胸椎棟突起との間の外方1寸5分にある。
取り方 まず第1胸椎を定めなければならない。通常、背を動かぬようにしておいて、頭と頸を前後・左右に揺り動かし椎骨を見て、動くものが頸椎、動かないものを胸椎とする。胸椎の最上部の助かないものは第1胸椎林突起、動くものの最下部を第7頸椎林突起と する。大椎穴はその間に取る0大抒は第1、第2胸椎棟突起の間、すなわち陶道穴の両側1寸5餅こ取る
【筋肉】僧帽筋、大および小菱形筋、背脊柱起立筋(仙頼筋)
【血管】肩甲背動・静脈、肋間動・静脈
【神経】胸神経後枝、副神経、肩甲背神経
【主治症】これより以下、風門、肺愈、歓陰愈までの4穴は上背部にあって、いづれも呼吸器疾患にすぐれた効果のある経穴である。風邪による発熱、咳噺、
部 位 第喉炎から結核性疾患に至る風韓軍芯使われる
12.(BL-12)
2胸椎棟突起下男外方1寸5分にある0
取り方正坐して第2酬政突起を定め、その下の外方1寸5分に取る。
【筋肉】僧帽筋、大および′ト菱形筋、脊柱起立筋(仙錬筋)
【血管】肩甲背動脈、肋間動・静脈
【神経】胸神経後枝、副神経、肩甲背神経
【主拍症】風邪の入口であるという意味での風門であるが、また適当な治療によって風門は、風の出口ともなるのである。風邪による託といえば東洋医学では、いわゆる発熱、頭痛、咳欧、食欲不振、倦怠等を伴う感冒から、言語障害、諸種運動・知覚神経の障害、卒中、中風に至るまでみな風狂である。また風邪と寒邪が兼ねて侵せば悪性気管支炎や肺炎、胸膜炎になることもある。
風門穴はこれらのうちで特に風邪や寒邪によって、鼻、咽喉、気管支、肺臓を侵された発熱症によく効くものである。あるいは呼吸器疾患による肩凝りにもよく効く。
1言.肺 愈 (BL-13)
部 位 第3胸椎棟突起下の外方1寸5分にある。
取り方 正坐して第3胸椎棟突起を定め、その下の陥凹部は琴脈の身往年である。肺愈はその両側1寸5分のところで、多くの場合、風門、肺愈以下腰部の腎愈までの勝胱経の背部の第1線は脊柱起立筋群(仙蘇筋)上のほぼ中央で、中に太いすじようのものが触れることができる。
【筋肉】僧帽筋、大菱形筋、脊柱起立筋(仙萩筋)
【血管】肋間動・静脈
【神経】胸神経後枝、副神経、肩甲背神経
【主治症】肺臓の付着する位置であるとされるところから、肺経の愈穴である。肺に関する種々の疾患を治す代表穴である。胸部の肺の募穴である中府穴と表裏をなし、東洋医学概念による肺に関する疾患、すなわち鼻、咽喉、気管、肺、胸膜等の呼吸器系続から皮膚に至るまでの疾患に治効がある。また黄症のような脾臓のやょいや、腎経のやまいなどにも、経絡理論に基づき、用いて効果があることは、臨床的にも認められている。
14.靡 陰 南 柏ついんとも読む) (BL-14)
部 位 第4胸椎棟突起下の外方1寸5分にある。
取り方 正坐して第4胸椎棟突起を見定め、この下端の点より外方1寸5分に取る。
【筋肉】僧帽筋、大菱形筋、脊柱起立筋(仙妹筋)
【血管】肋間助・静脈
【神経】胸神経後枝、副神経、肩甲背神経
【主治症】肺愈と心愈の中間にあるので、その治効としては上下いずれにも通ずるが、肺愈の呼吸器系と心愈の心臓病の両方にも効果が認められるき爵声膏と並ケで甲子、り.肩癖(軌びき)に効果がある
帝 朋、BL-
甲.厚第5胸椎棟突起下の外方1寸5分にある0
取り方 正坐して第5胸椎辣突起の下に督脈の神道穴を定め、その両側1寸5分に取る。
【筋肉】僧帽筋、大菱形筋、脊柱起立筋(仙疎筋)
【血管】肋間助・静脈
【神経】胸神経後枝、副神経、肩甲背神経
【主拍症】心愈は心の臓の位置するところ、またこのやまいを治するところである。心臓の似きは東洋医学では精神作用を司どるところ、血(けつ)の生ずるところとされている。したがってここに生ずるやまい、精神異常、血液循環障書等に効果がある。神経衰弱、ヒステリー、狂、療痛、脳出血、あるいは脳充血による人事不省から心臓弁膜症、心惇冗進等はこの穴の主治症に属する。また胃腸、特に胃の疾患に用いて効果のあるのは、五行からいって心火は牌土の母であるからである。
16.督 愈 (BL-16)は132頁にあり。
17.贋 愈 (BL-17)
部 位 第7胸椎疎突起下の外方1寸5分にある。
取り方正坐して第7胸椎錬突起を見定め、この下に督脈の筆曝見があり、その両側約1寸5分のとこうにある。多くの場合、なかに太い筋を触れる。しかし虚している場合はかえって筋の溝を触れて陥凹(脇下)している場合もあるなお、第7胸椎林突起は、左右肩甲骨の下端を結んだ線のわずかに上、あるいはわずかに下にある。これは筋肉の肥痩や肩甲骨の上がっている人、あるいは下がっている人によって多少の差があるからである。
【筋肉】僧帽筋、広背筋、脊柱起立筋(仙麻筋)
【血管】肋間動・静脈
【神超】胸神経後枚、副神経、肩甲下神経
【主治症】胴とは横隔膜のことであって、胸部と腹部を隔てる膜である。臍の症とは飲食物がうまく通じないでつかえる、吐くなどの症をきたナことである。食道狭窄から食道癌、あるいは神適性嘔吐、慢性胃炎や胃癌の場合もある。このような病気で飲食物が下に通じない屑の症(胃癌など)によいとされている。
奇穴で四花の穴の2穴はほぼ臓愈にあたり、栄養をつけヽ盗汗(ねあせ)のある呼吸器疾患や腹膜炎などの結核性疾患に効果があるとされているが、実際にもよく効く
18.(BL-18)
部/越r誠意⇒胸棚突起下の外方1寸㌢分にある。
取り方正坐して第7胸椎棟突起の下の重陽穴より下2椎をかぞえ、筋縮穴を取る。肝愈はその両側1寸5分、探って太い筋の上に取る。
【筋肉】広背筋、脊柱起立筋
【血管】肋間動・静脈
【神経】胸神経後枝、肩甲下神経
【主治症】心愈以下腰殿部にいたるまでの穴は、胃腸その他消化器系の疾患に効果があることは、I村政体壁反射の学説からいっても肯定される。肝愈は胃痙攣(神経性胃痛)、慢性の胃弱、黄症等の胃・肝臓疾患に効く。また肝の愈穴であり、肝は精神作用の内、意志と感情方面に関係しているといわれるから、肝が弱ると気力が衰え、感情がたかぶり、神経衰弱、ヒステリー、不眠症等を起す。眩卓(めまい)、怒る、防が引きつる等の症状も肝の症(証)とされているところから、このような場合にも効く。不眠症の名穴とされ、鍼を下に向け2寸ぐらい刺入する。これを左右とも行なう。また場合によっては、30分ぐらい置鍼しておくと、すやすやと眠りにつくこともある。肝は目に関係しているところから、眼病のすべてに用いて効果があるもの幣視力響守翠にそ享年くハニとのできない経穴である。
19.過 食 (BL-19)
部 位 背部、第10胸椎梯突起下の外方1寸5分にある。
取り方 第7胸椎棟突起下の至陽穴より下3椎の第10胸椎突起を見定め、この下より外方1寸5分のところに取る。
【筋肉】広背筋、下後鋸筋、脊柱起立筋
【血管】肋間動・静脈
【神経】胸神経後妓、肩甲下神経、肋間神経
【主治症】肝と胆は表裏一体であるところから、肝愈と胆愈もまた治効は一体である。消化器、特に肝臓や月旦嚢のやまいに効果がある。胆石仙痛や胃癌攣(神経性胃痛)の場合には背部までとおる痛みが、胆愈付近にあり、強い圧痛も現れるのが常である。また胸膜炎の場合にも効果がある。頭痛、目のやまいにしも効く。背部の愈穴に対応して腹部の寡夫である日月(胆)、また朋千愈に対応して期門(肝)などは、陰陽相応じてともに使われる重要な穴である0
20.脾 愈 (BL-20)
部 位 第11胸椎梯突起下の外方1寸5分にある○
取り方 第7胸椎妹突起下の至陽穴より下4椎の第11胸椎疎突起を見定め、この下の脊中の穴より外方1寸5分のところに取る
【筋肉】広背筋、下後鋸筋、脊柱起立筋
【血管】肋間動・静脈
【神経】胸神経後枝、肩甲下神経、肋間神経
【主治症】牌臓は現在の膵臓であり、消化器としては重要な器官であるという考えはいまもむかしも同じである0胃の疾患を始め消化器系疾患の全般に効果がある。その他、脚気、糖尿病、神経衰弱等にも脾経の関与するやまいとして広く使われ効果がある0また、急性関節リウマチ(リウマチ熱)
21.胃 南 (BL-21)
部 位 第12胸椎棟突起下の外方1寸5分にある
取り方 正坐して第12胸椎棟突起を見定め、この下より外方1寸5分のところに取る。
【筋肉】広背筋、下後鋸筋、脊柱起立筋
【血管】肋間動・静脈
【神経】胸神経後枝、肩甲下神経、肋間神経
【主治症】牌愈とともに消化器疾患一般に効くが、その中でも胃癌撃(神経性胃痛)、または急性胃炎からくる激痛に臥ここに深く刺入することにょって頓挫的に効果がある。効果てきめんとはこのことである。
22.三 集 愈 (BL-22)
部 位 第1腰椎櫛突起(古書の第13椎)下の外方1寸5分にある○
取り方 伏臥位で左右の腸骨稜上線の最高部を結んだ線(ヤコピー)の中央がおよそ第4腰椎林突起に当る、ゆえに腰部の取穴はここを基準とする。その2椎上の第2腰椎棟突起の下の陥凹部が命門穴、さらにその1椎上が懸枢穴、その両側約1寸5分のところを強庄すれば痛みがとおるすじがある。ここに三焦愈を取る。
【筋肉】広背筋、下後鋸筋、脊柱起立筋(胸腸肋筋)
【血管】腰動・静脈
【神経】腰神経復校、肩甲下神経、肋間皮膚上から触れられる腸骨健の上線を結ぶ線乳神経
【主治症】三焦とは、上焦、中焦、下焦の天人地3部のわけ方からきているが、飲食物がロに入ってから出るまでの系列、すなわち消化栄養系と排泄系とを指しているのである。したがって消化器系の疾患や泌尿器系の腎臓、膳胱等のやまいにも用いられる。また、頭痛、眩畳、肺結核にも効く
2冨.腎 愈 (別名、高蓋)(BL-23)
部 位 第2腰椎棟突起(古書の第14椎)下の外方1寸5分にある。
取り方 伏臥して左右腸骨稜の最上線を結んだ線の中央が第4腰椎辣突起に当る。ゆえにその2椎上の第2腰椎棟突起の陥凹部、すなわち命門穴(督脈)の両側1寸5分に取る。通常、強圧すれば痛むすじがある。
【筋肉】胸腰筋膜、下後鋸筋、脊柱起立筋
【血管】腰動・静脈
【神経】腰神経後枝、肋間神経
【主治症】腎愈は腰部では最も運動するところであり、腹腔内臓、下肢の違和、疾病の場合にいずれも痛み、圧痛、無力感、屈伸不能、倦怠などの自覚症状が現われるところである。特に下腹部内臓の腎臓、膀胱、生殖器、大腸、直腸などに起こった異和は、腎愈に現れることが多い。したがって足、腰のやまいのほかに内臓に起った疾患に対しては、非常に多く使われる。
東洋医学では腎臓の機能はたんに泌尿器の機能のみでなく、生命力の根元であり、生殖作用を主につかさどり、精神機能の一部を分担し、耳や骨に関係し、また水の臓として泌尿器の作用をもつかさどっていると考えた。靂絡はこれらの作用と関連ある点(経穴)を循るようになっている。したがって東洋医学的にいえば、次に示す腎の虚実の証にはすべて用いられ、効果がある。腎の虚実に関係し腎愈を使うやまいの例を挙げると次のようなものがある。
(1)生殖器疾患…婦人科疾患、男子生殖器疾患、精力減退
(2)泌尿器疾患…腎臓、膜胱、尿道における疾患
㈱ 呼吸器疾患…肺、胸膜、腹膜などにおける疾患
(4)耳病、心臓病
(5)神経系疾患…下腹部、腰仙部、下肢部における神経痛、あるいは知覚神経麻痺、運動麻痺
(6)さらに経絡治療においては肝・胆経の虚証の場合は補法を、肺経、
脾経の虚実には対岸的に、また腎愈を補清の要穴として広く用いることが多い。
このように腎愈は腎経の愈穴であり、腎経の関与するやまいにはほとんど用いられ、全身の経穴のうちで最も多く用いられる。
1 さらに腎愈周辺の穴のうち命門は、左右腎愈大の中央の督脈にあって、その主治は内臓性諸出血に特効のあるほか、一般的に泌尿器、生殖器、腰痛に効く。腎愈の外方約1寸5分のところにある同じ勝胱経の志重大は、また泌尿器、生殖器、消化器疾患に効果があるが、泌尿器、生殖器疾患などの治効には共通性がある。またその近くでやや斜め上方にある京門穴(第12肋骨端ニアリ)は、胆経に属してはいるが腎経の募穴であり、腎経の愈穴である腎愈と表裏一体をなすものである。したがってその使用目的も1共通性を有していることは勝胱のやまい、腸炎、腰痛などに効くことによってもわかる。 〔参考〕腎愈は「腎を治する所」の義であって、この南に対する募穴は京門である。内経によれば、腎は先天の原気の宿るところであって、精と志を蔵し、一身の精力の発源地であると言われている。 (代田文誌「鍼灸治療基礎学」より)
25.大 腸 愈
(BL-24)は132,265ページにあり。25.l(BL-25)
部 也 第4腰椎麻突起(古書の第16椎)下の外方1寸5分にある。
取り方 伏臥して、左右腸骨稜の最上線を結んだ線の中央が第4腰椎兢突起に当る。その下の陥凹部の両側1寸5分に大腸愈を取る。
【筋肉】胸膜筋膜、脊柱起立筋
【血管】腰動・静脈
【神経】腰神経後枝
【主拍症】主として腰痛のほかに、大便の下るやまい(下痢や赤痢など)に効くように書かれてあり、赤痢には著効があるが、また便秘にもよく効く。普通の体格の人で約5cmは刺入できる。痔のやまいにも効く。直腸、肛門は大腸の一部であるから当然である。
開 元 兪 (8L-26)は133,265ページにあり。
小 腸′兪 (BL-27)
1正中仙繭(古壷の第18椎)見下の外方1寸5分にある。
取り方 第1正中仙骨稜は孝右の第1後仙骨孔の間にある突起であ芦。伏臥位で上後腸骨棟の端に触れ、その内下方約3・4分のところに第2後仙骨孔を触れる。その上の孔が第1後仙骨孔で上膠穴である。小腸愈はその外方約6・一7金甲ところのわず衷娃陥んだところに牢る0すなわち第1正中仙骨稜の外方約1耳5分?と羊ろモこ占る。
【筋肉】大殿筋
【血管】上殿勤・静脈
【神経】仙骨神経復校、上殿皮神経
【主拍症】漢方医学では、小腸は小便を泌別(ひべつ・大便中より水分をわけること)するところとされるので、その愈穴である′ト腸愈は′ト優に関するやまい、すなわち腎、勝胱などのやまいに効く。「′ト便赤く渋(しぶ川淋渡(りんれき・少ししかでないの意)」等はその証である。また、大便中に膿や血液を混えて下す病である大腸の赤痢性、結核性あるいは梅毒性炎症等の場合にも、この小腸愈はぜひとも使わなければならない。糖尿、痔のやまいにも効く。小腸愈から勝胱愈、中背愈、白環愈、上、次、中、下の八膠愈はみな仙骨部にあって男女生殖器疾患に関係がある。小腸愈は婦人帯下(たいげ・こしけの意)のやまいに効く。帯下には赤と白とがある。子宮や卵管等のやまいからくるものである。
28.膀 胱 愈 (BL-28)
部 位 第2正中仙骨稜(古書の筋19椎)の下の外方1寸5分にある。
取り方 伏臥位で上後腸骨棟の内下方約3・4分にある左右の第2後仙骨孔を求め1この間の突起、第2中仙骨稜の下の両側1寸互生竺ところに取る。第2後仙骨孔すなわち次膠穴の外方7・8分のところに取るのもよい。/ト腸愈の下約5分に当る。
【筋肉】大殿筋
【血管】上殿動・静脈
【神経】仙骨神経後枝、下殿皮神経
【主拍症】『鍼灸兼英』には、小便赤黄、遺溺とあり、小便赤黄は「ウロビリン」の著しく増加したもので、狸紅熱のような急性伝染病、溶血性黄症の場合などであるが、別本には溺赤ともある。これは血尿のことで、急性腎炎、腎臓結核、腎臓腫瘍、腎孟腎炎、急性勝胱炎、膀胱癌、急性尿道炎、尿路結石などにくる場合が多い。膜胱愈の場合はむしろ後者(血尿)に特に用いて効を現わすものというべきである。婦人の下腹部の腫物や子宮癌攣等にも治効がある。
讐イ季 BL-29)
3正中
髄剋遮鮎憲摘読一
取り方 第3正中仙骨稜は第3後仙骨孔間にあり、その下の両側1寸5分に取る。第3仙骨孔は次膠(第2後仙骨孔)の下約5分にあり、中背内命は第3後仙骨孔の両側7・8分のところに取る。また、膀胱愈(第2後仙骨孔の外側7・8分)の下5分にあたる。
【筋肉】大殿筋
【血管】下殿動・静脈
【神経】仙骨神経後枝、下殿皮神経
【主拍症】腹膜炎のように腹の脹るやまい、腰痛、脚痛、糖尿病のほかに婦人腹の冷えによる不妊症の場合、また、便中血液を混ずるような大腸や小腸の出血性の悪性のやまいにも効く。
白 環 愈 (BL-30)
部 位 第3正中仙骨稜の下部は、仙骨管裂孔となり、与り中央部(古事
の第21椎)の外方1寸5分にある。
取り方 伏臥位で尾骨の方から中央を押し上げて行くと第3正中仙骨稜の下端につき当る。その下部は仙骨管裂孔となり、陥凹している。その中央が腰愈穴であ芦。白環愈はその外側1寸5分にあって仙骨外側緑に当る。
【筋肉】大殿筋
【血管】下殿動・静脈
【神経】仙骨神経後枝、中殿皮神経
【主治症】白環愈は婦人科疾患のほかに、脊髄の麻痩に基づく大小便の不通、手足の警箪笥詩ア0痔疾‡…‡㌔警ざ
51.上 膠 (BL-31)
部位上後腸骨鰊の下九箪皐、後世異型竺卵当する部にある0
取り方 八膠穴を取るには、次の次膠穴を基準にした方が最も都合がよい。まず次膠を取って、その上約5分のところですじようのものが感じられ、強く押すと孔のようになっているところが上膠である。
【筋肉】胸膜筋膜、脊柱起立筋
【血管】上殿動・静脈、外側仙骨動脈
【神経】仙骨神経後枝、中段皮神経
【主治症】「八膠放べテ腰痛ヲ治ス」とあるが、この腰痛は神経痛あるいは、いわゆる筋肉リウマチ(腹筋筋膜症)もあれば、また内臓疾患からきているもの(内臓起因性腰痛)もある。男女生殖器疾患、カリエス、脊髄・腎臓・膀胱のやまいからきている場合もある。いずれの場合でも直接、間接に効果がある。上軌ま婦人科疾患に特に効果があり、子宮内膜炎、子宮後屈のときの白帯下の著しいものや月経不順によい。このほか白環愈同様、大小便不通、片麻痺のような中枢性疾患にも効果がある。
級豪 追う (BL-32)
部位琴プ/御甥孔に相当する部にある0空葬
腸骨棟の申下方約3ところにすじのようのものが感れ、強く押さえると孔のようになっているところが次膠穴である。第2正中仙骨稜の外側約7分のところに当る。上膠、中膠、下膠およびこれらの大の両側にある小腸愈、膀胱愈、中背痢愈、白環愈等すべてこの次膠穴を基準にしてその上または下に取るのが最も都合がよい。
【筋肉】胸腰筋膜、脊柱起立筋(仙萩筋)
【血管】仙骨動脈、上殿動・静脈
【神纏】仙骨神経後枝
【主拍症】男女生殖器疾患、腰痛、泌尿器疾患に効果がある。
申 膠 (別名、中空)(BL-33)
部 位 第3琴叫即りこ相当するところにあり、第3正中仙骨稜の外方約予貰竺のところに当る
取り方 後生腸骨棟の内下方3・4分のところの次膠大の下5分の第3後仙骨孔を探り、ここを中膠穴とする。
【筋肉】胸腰筋膜、脊柱起立筋
【血管】下殿動・静脈、外側仙骨動・静脈
【神経】仙骨神経後枝
【主治症】男女生殖器疾患、ことに婦人科疾患、坐骨神経痛、あるいは腰脚部の神経麻痺、症気、腎、膀胱のやまいに効く。また肺結核にも効く。
冨心 下 膠 (BL-34)
部 位 第4後仙骨孔に相当する部にあり、仙骨管裂孔中央部の外方約5・6分のところに当る。
取り方 上後腸骨棟の内下方約3・4分の次膠穴の2孔下で、中膠穴の5分下の第4後仙骨鋸碑や0仙骨孔は下方にくるにしたがって内方に寄っiいるのホ駅は璧脛聖禦哩禦聖跡
【筋肉】胸膜筋膜、脊柱起立
【血管】下殿動・静脈、外側仙骨動・静脈
【神経】仙骨神経後枝、下殿皮神経
【主拍症】上・次・中膠と同様、下焦のやまい、生殖器、泌尿器、直腸、肛門等におけるやまい、ならびに腰、脚のやまいに効くが、『鍼灸説約』には肺結核の場合の四花の穴と同様に効果があると書いてあるが、下膠もまた消化器系の力を高め、体力を強めて結核性のやまいに特効を現わすと
謂.会 陽(別私利機)(BL-35)
部 位 尾骨下端の両側5分にある。すなわち長強大の両側に当る。
取り方 尾骨下端は長強大であるが、その両側5分・に取る。大殿筋起始部に当る。
【筋肉】大殿筋、肛門挙筋
【血管】会陰動・静脈
【神経】陰部神経、下殿皮神経
【主治症】主として、肛門のやまいで痔出血、痔核、脱月工にはすぐれた効果があり、腹が冷えてくだり腹にも効く。
8・附 分 (BL-36)
部 位 第2胸椎林突起下の外方3寸にある。
取り方 附分以下秩辺の諸穴は、背の膀胱経の第2側線にあってほぼ仙林筋の外縁部に当り、背の正中すなわち、督脈より外側約4指嘩径にある。また、塑主攣嬰革ヱ野望申攣ここよって被われている場合が多いので、肩甲骨を開くようにしなければならをり。嘩説、摩穴の取り方の項にある。困学穴法の図の如く左右の肘を前に鱒今合せる′睾取帽くなる0こ連立法-を開甲草字いう。野分は風門穴(第2胸椎麻突起の下の外方2指横径)の外方1寸5分に取る。
【筋肉】僧帽筋、大および小菱形筋、脊柱起立筋(胸腸肋筋、胸最長筋)
【血管】肩甲背動脈、肋間動・静脈
【神経】胸神経後枝、副神経、肩甲背神経
【主治症】附分以下秩辺までの背部の第3行線は、勝胱経愈穴線の副線ともいうべきものであって、大体の諸愈穴の補助大の線であるともいえる。附分穴は風門の外方にあり、風門が風邪の治療穴であるように、風邪のため、頸や肩が痛んで引きつり、頸を動かすこともできないような場合によい。
37 醜 戸(別名、魂戸)(BL-37)
部 位 第3胸椎疎突起下の外方3寸にある。
取り方 正坐して肘を前に組み合せ肩甲骨を開いて肺愈(第3胸椎妹突起下の外方1寸5分約2指横径)の外方1寸身る故に分5り詔下)の外方3寸に当る。
【筋肉】僧帽筋、大菱形筋、脊柱起立筋
【血管】肩甲背動脈、肋間動・静脈後項
【神経】胸神経復校、副神経、肩甲背神経
【主泊症】肺愈の外方にあって、呼吸器疾患の気管支炎、肺結核、胸膜炎、あるいは喘息等に効く、特に咳が甚しく、嘔吐して、胸苦しい場合にここに治療するのがよい。また後頸部が引きつって頸を廻せない場合にも
、夢ノ 青 首(けんべき)(BL-38)
部 位 第4胸椎麻突起下の外方3寸にある。
取り方 正坐して左右の肘を前に組み合せ肩甲骨を開いて、第4椎の下の外方3寸に取る。前図(11頁)のような開甲法を行って取る。強圧すれば痛むところである。
【筋肉】僧帽筋、大菱形筋、脊柱起立筋
【血管】肋間動・静脈
【神経】胸神経後枝、副神経、肩甲背神経
【主治症】膏胃穴は呼吸器疾患、肩関節、肩こり、精神疲労等の場合に圧痛が現われ、ここを圧し押さえると一時気分がよくなるので、むかしから診察、または拍療の場所として使われたものである。
呼吸器疾患、ことに盗汗のような場合にここに灸するのがよい。呼吸器疾患、神経衰弱、あるいは心臓病等で非常に衰弱した場合に、ここに灸してすぐれた効果のあったことが、多くの古典に書き残されている。また現在、われわれがこれを追試してもよく実証されるところである。ただしこのようなやまいにはドーゼ(刺激量)の問題をよく考慮して刺激過剰にならないよう十分注意して当らなければならない。また高血圧等の場合にもよく効く。膏胃穴は廠陰愈の外方にあり、治効はやや似ているが膏青の方が主体となる穴で、腎愈とならぶ名犬である。
9・神 堂 (BL-39)
部 位 第5胸椎麻突起下の外方3寸にある。
取り方 正坐して左右の肘を前に合せ、肩甲骨を開いて第5椎下の一神道穴、その外方3寸に取る。その中間に心愈穴がある。
【筋肉】僧帽筋、大菱形筋、脊柱起立筋
【血管】肋間動・静脈
【神経】胸神経後枝、副神経、肩甲背神経干三甲かL讐岬観であ繁華肩背痛を給する。
他 藩 藷。(別私五度食)(BL-40)
部 位 第6胸椎妹突起下の外方3寸にある。
取り方 正坐して左右の肘を前に組み合せ、肩甲骨を開いて第6椎の下の外方3寸約4指横径に取る。
【筋肉】僧帽筋、大菱形筋、脊柱起立筋
【血管】肋間動・静脈
【神経】胸神経後枝、副神経、肩甲背神経
【主治症】脚莫炎、肋間神経痛などで胸部が痛む場合、あるいは胸筋、背筋リウマチ巌膜症節齢
41(BL-41)
起下の外方3寸にある
取り方 正坐して左右の肘を前に組み合せ、肩甲骨を開いて第7椎下の至陽穴の外方3寸に取る。その中間に胸愈穴がある。
【筋肉】僧帽臥広背筋、脊柱起立筋
【血管】肋間動・静脈
【柚経】胸神経後枝、副神経、肩甲下神経
【主拍症コ脳愈の外方にあり、屑蘇の主治症と同じように飲食物がうまく通じない、すなわち屑の症に効くのである。食道痘攣、食道癌、胃の噴門部にやまい習合にもよい
42.(BL-42)
でケ≡デ讐:冨芸慧芸芸≡‡:ゝご臓筋の外縁部に当るところに取
【筋肉】僧帽筋、広背筋、脊柱起立筋
【血管】肋間動・静脈
【神経】胸神経後枝、副神経、肩甲下神経
【主拍症】肝愈の外方にあって、消化器疾患に、肝愈の補助穴として用いられる。肝臓病、胃癌攣(神経性胃痛)等に効く。ことに回虫による腹痛の場合に、魂門の上の腐開からその下の陽綱にかけて右側に強い圧痛が現わ軍虫冨誓竿よ子巧い轡ことがある
そさ≡;ナい陽・∠苧讐(BL ̄43)
部 位 第10胸椎妹突起下の外方3寸にある。
取り方 第10椎下の外方3寸で、その中間に月旦愈穴がある。この部から下方宵門大の付近までは背を伸ばすと外上方に走る下後鋸筋が隆起して見える。
【筋肉】広背筋、下後鋸筋、脊柱起立筋
【血管】肋廟動・静脈
【神経】胸神経後枝、肩甲下神経、肋間神経
【主拍症】牌蘭の外側にあって、右側の穴は肝臓病、月旦石仙痛に、また、神経性胃痛に効果があり、用いられる。
44.壷 芸(BL-44)
部位製ミ幣下の冬芽し3寸~きある。
取り方 第11椎下の背中大の外方3寸の部で、中間に牌愈穴がある。
〔筋肉】広背筋、下後鋸筋、脊柱起立筋
【血管】肋間動・静脈
【神経ヨ胸神経復校、肩甲下神経、肋間神経
【主殆症】牌命の外方にならび、消化器病の慢性・急性いずれの場合にも脾愈の補助穴として用いられる。また、神経性胃痛や胆石仙痛の鎮痛穴で
45・胃 倉 (Bし45)
部 位 第12胸椎萩突起下の外方3寸にある。
取り方 第12椎下の陥凹部の3寸外方に取る。その中間に胃愈穴がある。
【筋郎広背筋、下後鋸筋、脊柱起立筋
【血管】肋間勤・静脈
【神経ヨ胸神経後枝、肩甲下神経、肋間神経
【主拍症コ胃愈の外方にあって、意舎と同様にすべての消化器病に効くが、特に神経性胃痛や月旦石仙痛、そのに鎮痛効異がある経穴である。鍼でも灸でもよく効くが、鍼は少し深く刺入する方がよい0この効果は魂門、陽綱、意舎、胃倉、育門の5穴とも同じである。
抽塚澤縞
部 位 第1腰椎麻突起下の外方3寸にある。
取り方 伏臥して第1腰椎麻突起下の懸枢大の外方3寸のところに取るこれが奇大の
【筋肉】広背筋、下後鋸筋、脊柱起立筋
【血管】腰動・静脈
【神経】腰神経後枝、肩甲下神経、腸骨下腹神経、肋間神経
【主治症】三焦爺とならび、宿根と同様、胃や腸の痛みに効く。特に下腹部の痛みには帝門奉呈効く。また便秘にもよい。『衆英』には婦人乳房疾患にも効くように書いてあるが、著者はまだ応用して見たことがない。ある肺結核の末期の患者が、喘息発作を起した場合、胃門に2寸の鍼を上方に向けて刺入したところ、頓挫的に軽快させたことが数回あったが、この穴は救急的にいろいろな奇効を現わす穴のようである。
47.志 室 (別名、精宮)(8し47)
部 位 第2腰椎麻突起下の外方3寸にある。
取り方 伏臥して左右腸骨稜最上線を結んだ線の中央が第4腰椎突起に当るので、その2椎上の第2腰椎林突起の下が命門穴である。その1寸5分外方が腎愈ゼあり、さらにその外方1寸5分でほぼ脊柱起立筋(腰腸肋筋)の外線に当るところに志室を取る。強圧すると痛む。
【筋肉】広背筋、脊柱起立筋
【血管】腰動・静脈
【神経】腰神経後枝、腸骨下腹神経
【主拍症】即整塁色土5遡iが、また生殖器、泌尿器疾患等にも腎愈と同様よく唇われる。
部位第2正中仙骨稜(古壷㌶第19椎)嵩辛あ丸方3寸論定
取り方 伏臥して次膠(第2後仙骨孔)の外方約7分の膀胱愈の1寸5分外方に胞青天を取る。3穴が横にならぶ。この部は大殿筋の起始部に当る。
【筋肉】大殿筋、仙結節靭帯
【血管】下殿動・静脈
【神経】中殿皮神経
【主治症】腰、殿部痛に効くが、また大小便閉によく効く。大′ト便閉は脳 脊髄疾患からくることもあるので一概に言えないが、小便閉(尿閑)は膀胱や尿道の腫瘍、結石、婦人科疾患等によって尿道を圧迫することによって起ることもある。大便閉、すなわち便秘にはさまざまな原因があるが、そのうちで悪性のものは急性腸閉塞、急性盲腸炎等である。置鍼や多壮灸によって奇効を現わすことがある。
49.秩 辺 (BL-49)
部 位 第3正中仙骨稜(古書の第20椎)下の外方3寸にある。
取り方 伏臥して中膠(第3後仙骨孔)の外方約7分の中背愈の外方1寸5分に秩辺を取る。
【筋肉】大殿筋、仙結節靭帯
【血管】下段動・静脈
【神経】下殿皮神経
【主掩症】胞胃と同様に膀胱、尿道、直腸、肛門の排泄作用に異状のある場合によく反応の現われる穴で、痘聾と緩解しこれを通じる。また、痔にも効くことは、白環愈、会陽、長強等とともに忘れてはならない穴であ
(別名、肉部・皮部・陰関)(BL-50)
部 位 殿溝の中央の部、すなわち殿毅襲(でんすうへき)中央に当る。
取り方 殿部の下部、坐骨結節の下の横紋(殿溝)のほぼ中央で、正しく伏臥し、足を伸ばし、力を緩め、坐骨結節から起始する大腿二頭筋長頭の腱の外縁に取る。強圧すると痛みが響く。坐骨神経幹の経路である。
【筋肉】大殿筋、大腿二頭筋長頭、半腱様筋、半膜様筋
【血管】貫通動大腿静脈
【神経】下殿皮神経、後大腿皮神経、坐骨神経幹
【主治症】坐骨神経痛、腰背痛に効き、体虚して遺精をなす場合にも効く。
51.違 肖 (Bし51)
部 位 大腿後側の正中、承扶の下6寸にある。
取り方承扶(脚の中央)の下6寸のところで、大腿二頭筋上、半腱様筋の外縁部に当るところに取る○伏臥して足のカを緩めて取る。
【筋肉】大腿二頭臥半腱様臥半膜様筋
【血管】貫通動・静脈
【神経】後大腿皮神経、坐骨神経幹
【主治症】腰背痛、
どあ外上方、′轟瘍犬め土方1寸にある
寓の中央が委中穴であり、その外方約2寸で、大腿二頭筋腱の内側に当るところが委陽穴である。その上方1寸、大腿二頭筋停止腱の内側に取る。
【参考】『十四経発揮』に承扶の下6寸とあり、国立上野博物館所蔵の銅人像には殿門穴にならべてその外側約1寸に取っている。
【筋肉】大腿二頭筋
【血管】膝寓動脈の分枝
【神経】後大腿皮神経、
【主治症】便秘、勝胱炎。
′)敵勢 陽 一.尋(BL-53)
部品去の完這、一芸如触…ヱに訝鶴罵鵬筋痘罠
取り方 膝寮の正中、すなわち委中天の外方2寸のところに大腿二頭筋の太い腱が張っている、その内側に取る。強圧して探れば大腿骨外側顆の上線に当り、膝蕎横紋の外端に取る。
【筋肉】大腿二頭筋の内縁、俳腹筋外側頭
【血管】膝駕動・静脈
【神経】後大腿皮神経、絵俳骨神経
【主治症】中風による半身不軌脊髄炎による腰部、下肢の麻痺のほかに勝胱炎によい。
5ヰ.妻中(別名、委中丸血弧中部)(合土穴) (Bし54)
部 位 膝賓の中央、拍動部にある。
取り方伏臥して足を伸ばし、靡腐の横紋中央に取る。膝寓動脈の拍動を触れる。
【筋肉】後十字掛帯、斜膝窓掛帯、膝関節包
【抽管】膝窟動・静脈
【神経】脛骨神経
【主拍症】委中の特色は、手の尺沢と同じように静脈の浮いているところであり、むかしから溶血療法に用いられた。急性熱性疾患、高血圧症、脳出血、急性膝関節炎、リウマチ等のときに応用される。いまの医師は、高血圧、脳溢血の救急の場合、肘関節の静脈よ針溶血を行うが、むかしは委中から取るのが常であった。委中は急性の場合にも使うが、また前述のやまいで慢性の痛疾(長びいて治りにくい)にも使って効果がある。今村了庵著の『医事啓源』という本に、委中濱血の項があるが、これによると「腰痛、脚腫、難産、不月、瘡、梅毒、下実二係ル者二効有り」とあり、婦人病、膝関節のリウマチや下半身に熱性、陽証性疾患のある場合に治効があるとされたる
(BL-55)
部位下腿後側の正中、委中の下方3寸にある。
取り方膝寓の中央の委中大の直下3寸(約三指横径)のところを指で探ると俳腹筋の内側頭と外側頭の間に割れ目があり、圧すると痛む一か㍉碩ヤが㌍・ここに警㌔26盟
【筋肉】眺腹筋、ヒラメ筋
【血管】膝喬動脈、小伏在静脈
【神経】内側俳腹皮神経、脛骨神経
【主治症】主として腰背痛、下腿の痛む場合と婦人科疾患に効く。特に子宮出血に効き、また精巣炎にも効く。
l・ノ′タ承 筋(別名、胴腰●直腸)
下腿後側の正中、委中の下5寸、脱腸(勝腹部)“こむら”の中央陥中にある。
取り方 膝寮の中央、委中天の直下5寸、酢腹部の最もふくらんでいるところを指で探り、俳腹筋の内側頭と外側頭との間の筋満に取る。
【筋肉】俳腹筋、ヒラメ筋
【血管】後脛骨動・静脈、伏在静脈
【神経】内側俳腹皮神経、脛骨神経
【主綺症】勝胱荏のこれより以下の穴は、一般に背や腰、下腿の後側の痛みや腫れに効くといわれている。特に承筋、承山の穴は緋腹筋上にあって脚気、零乱等に現われる転筋(こむらがえり)、すなわち排膿筋痙撃に特効ある穴である。
また承筋、承山、飛陽の3穴はいずれも痔疾に効果があり、承筋、承山穴は便秘に効果があるとされ、よく用いられる穴でもある
S7・承 山(別名、腸山・魚腹・肉柱) (BL-57)
部 位 下腿後側の正中、膳腸(肪腹部)“こむら”の下、肉の割れ目にある。
取り方 俳腹部の下部で、アキレス腱を指で押し上げて行くと駅腹筋の内側部と外側部の割れ目で筋に移行するところ、強圧すると痛む、外果の上約7寸にある飛陽穴のやや内上方にある。
〔筋肉】排腹筋、ヒラメ筋
【血管】後脛骨動・静脈、小伏在静脈
【神経】内側排膿皮神経、脛骨神経
【主治症】承山は外果の上7寸、取帽レ、穴で、よく用いられるが、承筋大のところでも述べた通り、排腹筋痙乳痔疾、便秘に効き、脚気の場合に、欠くことのできない穴でもある。また下肢倦怠、小児引きつ机下肢
58・最 遠(別名、灰陽・粕)(絡穴)
部位下腿の後外側、足の外果の上方7寸にある。
剛方外果の上7寸の部で、アキレス健の外縁を下から押し上げていくと排膿筋の外側部(こむら)のふくらみに突き当るところに取る。承山犬(こむらの下、分肉の間)の外方でわずか下に当る。
【筋肉】排膿筋、ヒラメ筋
【血管】俳骨動脈、小伏在静脈
【神経】脛骨神経の分枝(外側排膿皮神経〉
【主治症】飛場は痔や足の症状を治すのによいが、これより以下勝胱経の穴は脳をはじめ、目、耳、鼻等の頭部器官の疾患に特殊な関係を有ナるところである0経絡論からいえば膀胱経は頭部に起っているからである。飛陽は目眩、狂、癒痛、鼻出血、逆上等の上部実証の症状があるときに取穴される。
鮒夕 陽(附陽、付陽とも書く)(BL-59)
部位下腿の後外臥足の外果の上方3寸にある。
取り方 アキレス腱の外線に削、外果(鮎)の上3寸の部に取る。
【筋肉】排膿筋、ヒラメ筋
【血管】排骨動脈、小伏在静脈
【神経】脛骨神経の分枝(外側別宴皮神速)
【主治症】足のやまい→噺こ効く。すなわち俳腹筋痘攣、足の麻風神経痛等である。また、腰痛にもよい。
60、藩 (別名、下丘嵩)(経火穴) (BL-60)
部 位 足の外果の後側、アキレス腱の外線、踵骨の上の陥中にある。
取り方 外果の後でアキレス腱の外線、踵骨の上に当るところで強圧すれば強く痛む。
【筋肉】アキレス腱、長・短節骨筋腱
【血管】誹骨動脈、/ト伏在静脈
【神経】脛骨神経皮枝の分枝(外側辟腹皮神経)
【主拍症】腰、足背の痛み、脚気に効果があるほか、眩費、目痛、頭痛、凰血、肩拘急等を伴う諸種のやまいに効く。高血圧症もその一つである。
鰐碍管トリウマチに効卦:ト児ヨー㌍アにも黎く
這莞束遠敷・慧藍去£慈:;fニニにある。
取り方 昆裔(外果の後、アキレス腱の外線)の下で踵骨隆起外縁を探ると、陥みがある。強圧すれば痛むところに取る。赤白肉の間、すなわち皮膚の陰面と陽面の肌日(きめ)が異るが、その境い日に取るのである。
【筋肉】下排骨筋支帯
【血管】排骨動・静脈外果枝、ト伏在静脈の分枝
【神経】外側足背皮神経
【主治症】霹乱、転筋、脊髄前角炎後遺症、リウマチによる足の療弱、腰野節琴のほか、藤野意識障軍等にも効く。
潤 中 晩▼(別名、隣・鬼路)(BL-62)
葺さ妄頭数ご去去′陥這㌫た去1る。7.
取り方 外果の直下約5分のところを指で探ると、腱や靭帯があって、その中に割れ目がある。すなわち短俳骨筋腱や下俳骨筋支帯、踵排靭帯等であるが、その割れ目を爪で押せば痛む、これが申脈穴である。
【筋肉】長および短俳骨筋、排骨筋支帯、踵隣靭帯
【血管】俳骨動・静脈踵骨枝、小伏在静脈の分枝
【神経】外側足背皮神経
【主治症】療病、眩畳に効果があり、脊髄療のように足が次第に療弱して立っことができないものに使われる。また足関節の捻挫のときに損傷しやすいとヲノ∈㌍箪良臥僕参とともによく用いられる晶上品態豪謹ま忘、立方骨との間の陥凹部にある。
門(別冬、関梁・梁関)(鄭穴)
外果の直下から7・8分前下方に下ったところに踵骨と立方骨との関節があり、圧すと強く痛む。ここに金門を取る。第5中足骨の後下部にある京骨穴と申脈穴とのほぼ中間に当る。
【筋肉】短誹骨筋と短指伸筋の間
【血管】俳骨動・静脈踵骨枝、ト伏在 静脈
〔神経】脛骨神経の分枝(外側足背皮神経)
【主拍症】部穴であるので多くは次のような激症に効果がある。療病、/ト児引きつけ、雷乱、転筋、脱腸による恢頓(ヘルニア)を起したような場合(暴店・にわかに引きつり痛む)に金門穴に2・30番くらいの太い鍼を刺して効果があることがしばしばである。
64・京 骨(あるいは、きようこつ)(原穴) (臥一64)
部 位 第5中足骨粗面の後下部にある。
取り方 むかしは第5中足骨のことを京骨といったのでこの名称がついたのであるが、この骨の後部の膨大部の下部に京骨穴を取る。
【筋肉】短排骨筋
【血管】誹骨動・静脈踵骨枝、小伏在静脈
【神経】浅排骨神経の分枝(外側足背皮神経)
【主拍症】籾血、頸・肩こり、日赤等に伴う慢性脳充血症や角膜翳(角膜のかげ=白斑)等に効く。また股関節痛にも使われる
65・箋 盲朋、刺骨)(納穴))
部位第5中足指節関節の後部、第5中足骨頭膨大部の後の陥中にある。
取り方 第5中足骨の外側を後から前に押していって指の止まるところに取る。第5中足指節関節(むかしは本節といった)の後の陥中である。
【筋肉】′ト指外転筋
【血管】外側足根動脈、小伏在静脈
【神経】外側足背皮神経
【主拍症】京骨と同様、瓜血、目赤く、眩畳、後頸部のこり等を伴うような症に芦く,1。轡血1_ヂ㌍墾辛い0また腰痛にも効く。
㌫貴 誌(栄水穴)u(Bし66)
部 位 第5指外側の中央、第5中足指節関節の前部にある。
取り方 小指の外側の中央部で第5中足指節関節(本節)の前に取る。
【筋肉】指背勝膜
【血管】背側指動・静脈
【神経】外側足背皮神経
【主拍症】頭痛、頭重、眩畳、傲血、項痛、目かすむ、すなわち脳充血、高血圧症によく効く。これらの多くは腎虚火実の証である。また、場合にチって欄貧㌣をこも効く
67.至 陰 (井金穴)(BL-67)
部 位 小指外側爪甲根部を去る1分にある。
取り方 爪で小指の爪甲の根の外側を探って止るところに取る。
【筋肉】指背腱膜
【血管】背側指動・静脈
【神経】外側足背皮神経
【主治症】足冷え、頭重、鼻づまり、胸脇痛む等の症によい。感冒による肋間神経痛等もこの一症である。本給法としては勝胱経(水)の母(金)穴であるので、その虚を補うのに用いる都合のよい経穴である。
『十四経発揮』、『鍼灸衆英』等以外の中国書で、足の勝胱経は63大のほかに、さらに4穴を加えているものがあり、現代のフランスやドイツの鍼灸界もみなこれに従って67穴としている。ゆえにこれらの穴を次に添加することとする。
吉.眉衝 (BL-3)
部 位 前頭部、眉頭の上方髪際に入ること息私神庭(頭部正中、前髪際を入る浅発2-と曲差(神慮の外側1寸5分)の間にある。
主治症 五痛、頭痛、鼻塞
16・督 兪 (Bし16)
部 位 背部、第6胸椎兢突起下の外方1寸5分にある。すなわち心愈(第5胸椎嫌突起下の外方1寸5分)と洞爺の間に当る。
主治症 胸膜炎、肺結核、神経性胃痛
24・気 海 南(BL-24)
部 位 腰部、第3腰椎萩突起下の外方1寸5分にある。すなわち腎愈(第2腰椎妹突起下の外方1寸5分)と大腸愈との間に当る。
主治症 腰痛、痔療、腸仙痛
2G.閑 元 兪 (BL-26)
部 位 腰部、第5腰椎棟突起下の外方1寸5分にある。すなわち大腸愈(第4腰椎麻突起下の外方1寸5分)と小腸愈との間に当る。
主治症 腰痛、急性および慢性下痢、勝胱麻痺、婦人諸病
膀 胱 経 絵 論
流 注 本程は、頭部より、肩、背、腰、仙骨、殿、下腿、足部に至る経絡で、前頭部、後頭部、体幹後側、下腿後側、足部外側など、手を除く身体の背面、すなわち陽側のほとんど全部を流行する経である。14経の内で最も長く広い範囲を支配する経である。したがって経穴も最も多く存在するのである。
その直接、間接に関与する臓腑器官もほとんどすべてであり、それらの疾患の全般に対して用いられていることはいうまでもない
主治症 以上63穴の主治症を前表によって通覧すると次のようになる。(日本経穴委員会案では67穴)
1.本治法一勝胱荏は水越の陽経であり、陰経である腎経と表裏をなしているところから水経の虚実に腎経と併用されることが多い。また、肺魚、心愈、胃愈等の各経の愈穴が背部、腰部、仙骨部に存在しているから、勝胱経の虚実のいずれの場合でも、各経各臓の虚実に取穴されるまことに重要な経である。特に灸治療に於いては背部に取穴されることが多いが、愈穴は背部陽面に存在するが、陰を治するのに適している穴であるから陰病に通ずる灸として使われるのである。
2.棲治法
ィ、筋痛一流注が前述の通り、頭部、後頸敵背腰部、殿部、下腿後側であり、身体の運動に最も重要な筋肉があるところである。したが第2章 十国産絡と経穴各店って筋肉の疲労から起る諸種の痛み、強直、痙攣ヽ麻痺等がこの部に現われる0その最も多いのは坐骨神経痛であり、続いて後頚部と肩のこり、痛みであり、背痛、腰痛、緋腹筋の痛み、あるいは痙攣等である0これらの場合はすべて局所的に取穴され、また遠隔部に効果をおよぼすことを目的として轟絡の関係から治療の始めにあるいは後に取穴される0たとえば腰痛に足寄や束骨が取られ、腰背痛に合陽が取られるなどである。
口、臓腑関係一勝胱産が直接流注するのは脳と腎、膀胱であるが、内臓の気はすべて陽であるところの背に通じているのである。その治癒穴はすべて背腰面に存在しているのである。すなわち、直接流注関係にある頭部疾患としては、目・鼻のやまい、頭痛や癖、狂、脳充血、脳貧血、高血圧症、脳出血等は頭部諸穴、飛陽以下の下肢の諸穴それに加えて心愈や肝愈、膏青に治療穴が求められる。
腎、膀胱-は現在の生殖器、泌尿器系統に属しているのでヽこの方面の疾患の治療穴は主として腰部(腎私志室)殿部・仙骨部(八膠穴、小腸愈、膀胱愈、胞宵、秩辺)に取られる。なお、足の方では膀胱のやまいに浮乳重陽も取られるが、多くは腎経や肝経、脾経の陰側に取られる0これらのやまいは陰病であるからである。
次に呼吸器系のやまいでは、大抒、風門、肺愈、腰陰愈の第1線と第2線の塊戸、膏青、語藩等が近接部の経穴であるので当然取穴される0なお、古典にある胸痛とか、喘、咳噺等の症は呼吸器疾患によるものばかりとは解釈できないであろう。現在の心臓ないしは大動・静脈に起る疾患に基づく場合をも指していると考えなければならないので、呼吸器系のほかに心臓病をも加えてよいと思う。
その次は消化器系疾患であるが、この中には胃、小腸、大腸、膵 臓、肝臓、胆嚢等に起る疾患を含むが、古典に記載されている症状を、どの臓腑に起こる疾患であるかとはっきりと決定することはできないが、多くは消化器系の主治症であると解釈できる。この系統には、心愈以下小腸愈までの10穴、腰関以下青門までの6穴が記載されておク、実際によく効く穴である。
ハ、其の他一散針と打膿灸
超穴と関係なく浅い鍼をかず多く打っのを散鍼(ちらしばりともいう)といい、同様に′ト灸をかず多く施すのを散灸(ちらしぎゆともいう)とも名付けるが、この膀胱経で行なわれるところは後頭部、後頸部、肩背部、澗愈、肝愈、牌愈までの仙棟筋部(脊柱起立筋)付近などである。後頭部、後頸部、肩背部の鍼灸は鎮静作用があって喘息発作、心惇先進、呼吸困難、吃逆等を鎮めるのに特効があり、肝愈付近とあわせて行えば精神の興奮が鎮静される。不眠症にもしばしば行って効果のあるところである。
民間療法に目星抜きというものがあるが、肩背部を灯油で焼く方法であるが、この代りに散灸や散鍼を行えば眼の充血は取れる。またひる(蛭)や吸角によって溝血することも行われているが、散鍼あるいは三稜鍼でこの部に軽い損傷を与えることにより、頭部の充血症は取れ、血圧の降下、耳、鼻、目等の充血による諸症が一時消滅して治癒傾向に向うことが非常に多いのも事実である。
さらに特殊な場合、打膿灸が行われ、比較的貰用されている。この場合も膀胱経に施されることが多い。すなわち大抒、膏肯、胸愈、l抒愈等は主な取穴部位であるが、膀胱経以外の穴も使われることがある。打膿灸は次のような目的のために行われる。
大 抒 頭部疾患、上肢疾患
膏 育 呼吸器、心臓、上肢の疾患
胸 愈 消化器疾患
腎 愈 腎、勝胱、生殖器疾患、腰痛、下肢痛、痔疾
三陰交 生殖器疾患、痔疾、下肢疾患
陰稜泉 膝関節炎、膝関節リウマチ
外膝眼 中風予防
肩偶の下(三角筋上) 中風予防方 法一母指頭大または′ト指頭大の文蛙によって火傷を作り、ここに赤膏薬を貼り、化膿させ膿を取る。10数日から40日位排膿させるものである。実証体質ではよく膿がでて、効果も顕著である。一般に慢性病に応用される。
化膿性疾患にもよく効き、以前は育地正徳博士提唱の「横壕(よこね)返しの灸」といって、殿部に打腰灸を施し、淋疾や横疫(梅毒性鼠径リンパ節腫脹)に応用されたものである。
7.足の太陽膀胱経・主拾症一覧表 67穴
大 名 |
第 1 症 |
(共通症) |
第 2 症 |
(特に効ある症) |
1.晴 明 |
釘据 竹 |
3.眉 衝 |
4.曲 差 |
5.五 処 |
6.承 光 |
7.絡 却 |
8.通 天 |
(サ 玉 枕 |
10.天 柱 |
11.大 抒 |
12.風 門 |
13.肺 愈 |
14.頗陰愈 |
感心 論 |
16.督 愈 |
17.腐 愈 |
18.肝 愈 |
19.月旦 愈 |
20.牌 愈 |
21.胃 愈 |
22.三焦愈 |
目+一 |
目十一 頭痛 |
鼻(助、塞、瘡)頭痛 |
目一 頭痛 |
目(翳)鼻(炎)頭痛 |
鼻(炎・瘡・図) |
目(緑内障) 頭痛 |
目(痛、近視)鼻(塞) |
鼻(塞) 頭痛 |
呼(咳、気管、肺、胸膜) |
呼儲義F晶質●肺、) |
呼(ク) |
呼(〃) |
消(嘔、食不下) |
消(嘔吐、食不下、胃痛) |
消(小腹痛)目+一 |
消(馳意志岩)頭痛 |
消(晶定業病_ぶ |
消(語学是翌:鑑) |
消償てと霊泉鼓避頭鱒 |
癖、狂 |
癖、反折(前、後弓反張、 |
脳膜炎、脊柱筋痘壁) |
項頸重痛、口斜 |
耳鳴、狂(躁欝) |
脳病 |
頭部疾患一般 |
身熱、風邪による肩こり |
皮膚痔、黄症、背部癌症 |
心(煩悶)歯痛 |
精神薄弱、神衰、狂痛、中 |
風、半身不随、人事不省 |
呼(消耗熱)屑症 |
肝症(禁薩警森暮雲) |
労熱、嘔吐 |
水腫、夜盲、脚気、糖 |
尿病、リウマチ |
宜 名 |
第 1 症 |
(共通症) |
23.腎 愈 |
24.気海愈 |
25.大腸愈 |
26.開元愈 |
27.腸愈 |
28.膀胱愈 |
29.中背愈 |
30.白環愈 |
31.上 膠 |
32.次 膠 |
33.中 膠 |
34.下 膠 |
35.会 陽 |
36.附 分 |
37.塊 戸 |
珍膏 胃 |
39.神 堂 |
40.話 語 |
41.腐 関 |
崎魂 門 |
43.陽 綱 |
44.意 舎 |
45.胃 倉 |
第 2 症 |
(特に効ある) |
消(姦悪)生僕籍減退) |
腸(賞翫質警便秘) |
腸膿誤り)生 |
生(帯下) |
(姦嘉) |
(彙蓋) |
生(言嘉男 |
生(同) |
生(芳志不調) |
生(同) |
腸(泄、慢性下痢) |
呼(労、感冒、胸膜炎) |
呼(肺、労、喘) |
呼(肋膜炎) |
呼(肋、労喘) |
消(芸詣ヂ迦 |
消(霊左らず、泄雪 |
消(管掌下)泌腰掛 |
腎虚、小便濁、呼吸器 |
病、腰痛 |
泌(鰭姦発熱)糖尿、痔 |
泌(軍産莞胱炎)便秘 |
糖尿、坐骨神経痛 |
標墓警速さ懲弓荒肢) |
(犠)大小便不利) |
腰足麻療、大小便不利 |
五労七傷、大小便不利 |
痴気、労症、四華に同じ |
痔(出血) |
頸肩背拘急(風による) |
喘息、嘔吐 |
健忘(高血圧、神衰) |
肩背痛 |
日痛、班、手痛 |
背痛、小便黄 |
小便赤黄 |
小便赤渋 |
/ト便赤黄 |
背痛 |
(7.足の太陽膀胱経) |
第 1 症 |
(共通症) |
第 2 症 |
(特に効ある症) |
46.育 門 |
47.志 室 |
48.胞 胃 |
49.秩 辺 |
50.承 扶 |
51.段 門 |
趣.浮 部 |
53.重 陽 |
54.委 ヰ |
55.合 陽 |
翰承 筋 |
57.承 山 |
58.飛 陽 |
59.射 陽 |
60ニ 鬼 籍 |
61.僕 参 |
62.申 脈 |
し91金 円 |
64.京 骨 |
65.束 骨 |
66.通 谷 |
67.至 陰 |
消(票貸)泌(叢) |
泌(響こ濃霧) |
泌(質胱) |
生(哲学警由監痛) |
脳(逐上そ管助) |
脳(未鮎㌣遠耳病) |
脳(癖、狂言) |
脳(志㌘匙晶?造言) |
脳(慧語脳充血症) |
脳(同) |
脳(端) |
乳疾(宿根) |
生(失精)腰脇痛 |
背痛 |
痔 |
腰背痛、坐骨神経痛 |
同上 |
勝胱(炎)、零乱、転 |
筋、便秘 |
膀胱(炎)、病気、腰痛 |
風熱(溶血)中風、腰脚 |
痛疾 |
腰背腹引痛 |
痔、便秘、転筋、脂 |
(腕腹)痛 |
痔、便着払 転筋、小児 |
引きつけ |
脚臓劇痛 |
転筋、腰痛、足麻痺 |
殿腰脚痛 |
脚気、転筋 |
脊髄療 |
膝足激痛、零乱 |
背腰、足痕攣 |
腰痛 |
上衝(豊慧あ頭重)璧是、 |