4.足の太陰牌経 21穴 PMERTDIDIEN DE RATEPANCREAS

流 注 脾経の始まりは、胃経と脾経を連絡する支脈が衝陽天から第1指(母指)の爪甲板部の内方にくる隠白穴に起る。これより内果の上3寸の三陰交から膜の内側を通り、大腿の内側を上って腹に入るのである。この間の経過は衝門、府舎、次は任脈の中極、関元に行き、そして腹結、大横と再び正中の下朕、また返って腹哀、月旦経の日月、肝経の期門に上り、これより任脈の上腕、中脱に下行して脾臓に属会し、また胃を連続する。これで本分は達したわけだが、経脈はさらに上行し、腹哀のところから胸部に上り乳線の外方2寸くらいのところを上行し周栄穴にいたり、また、下って腋下6寸の大包穴にきたり、これより反転上行して咽(のど)をはさみ、舌の根本から舌下に散るように終る。支脈は腹哀から別れて牌胃に至った先の本経の胃の部から別れて上行し、胸部心臓の部に至って終り、これより少陰心連の起始点に交る







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1,遠  昌(別名、陰自、鬼臥鬼塁)(草野.)RP1∫乃乃・ア0SP1

 

部 位 母指内側爪甲根部を去る1分にある。

剛方足の母指の内側筋友部を去る1分のところに取る。

【筋肉】長母指伸筋腱

【血管】背側指動脈(前脛骨動脈の分枝)、背側指静脈

【神経】第1足背指神経(浅跡骨神経の分枝)

【主治症】井木穴の共通の特徴として、救急法に用いて速効を現わす代表的な穴である。まず消化器病として、胃腸の裏熱、すなわち急性胃炎、急性腸炎、肝臓や胆嚢に炎症、黄症等に溶血を行ってよく効く場合が多い。

 また生殖器病として子宮癌攣や月経過多に灸をして効果がある。また失神や小児引きつけのような場合には、少し太い鍼か灸を行うことによって意識力葦軍票瀞.

 

 

 

取り方 第1中足骨と母指基節骨との関節は大きな丸い顆状をなしている。足の第1指を屈すると、その内側のほぼ中央に折れ目ができる。そのすぐ後で、足の裏の肌目(きめ)と足背の肌目が異なっているのが見られる。大都はその境い目、すなわち赤白肉のきわ    に取る。

【血管】背側指動脈、背側指静脈

【神経】第1足背指神経

【主拍症】胃腸病、腹脹、嘔吐、神経性胃痛等に府いる。また、消化器病で黄熱のある場合、隠白と同様、溶血して効果があることも多い。栄火穴として邪熱を濁す意味である。手足の冷える場合、ここに灸して効果がある。肝経の栄火穴、行

 

部 位 第1中足骨

取り方 手の中手指節関節と足の中足指節関節を古典では本節と呼んでいるが、足の第1中足指節関節は大きく豊隆をなしている。太白穴はその豊隆部の後側で肌目(きめ)の赤白肉のきわ中足骨の内側を後方から先の方へさすって行くと止まるところに取る。

【筋肉】短母指屈筋、母指外転筋

【血管】前脛骨動脈の分枝、大伏在静脈の分枝、足背指静脈

【神経】内側足背皮神経、伏在神経

【主治症】消化器病のとき、一般に取穴される穴である。便秘、消化不良、腹痛、嘔吐等に特に用いられる。次に脾経のやまいとして挙げられる精神病、神経衰弱、不眠症、ヒステリー、狂等にも取大して効果があることは著者もしばしば経験するところである。また同じように牌経のやまいとして、身体がだるい場合にその原穴である太白を使用して効果が多い。さらに太白は牌土経中の土穴であり、また脾経の原気を通じ、代表する原穴であって、他経のやまいに相関的に牌経を補潰する場合、太白穴を取るなど重要な穴である。たとえば肝経の実に太白の補、肺経虚に太白のを補、腎経虚に太白の漬等

 

 

部位第1中足諸

評、(絡穴)RP4肋′卯0〟〃(SP4

駄表太白の後1寸にある。

取り方 太白(第1中足骨前端の豊隆部の後内側)の後約1寸で、太白から第

 

 

公孫

竺(錘㌔署)

1中足骨に添って後にさすって行くと止まるところに取る。

【筋肉】母指外転筋、前脛骨筋腱

【血管】前脛骨動脈の分枝足背動脈、大伏在静脈の分枝、足背指静脈

【神経】内側足背皮神経、伏在神経

【主拍症】主として胃腸病で、腸出血、嘔吐、胃痛、あるいは脱月工に効く。勝美症に基づく狂瞑す。夏期、急性に吐き下し,頭痛、発熱、苦悶する感訃とiやうやまいに効く。で

 

 

  丘 (商垢とヰ書く)(経金穴)RP5Cゐα刀g・わfo

し前下方の陥中にある。

部位足の寵ご;にいたる。これが肝経の中封穴であり、さらにこの腱を越えて78分外方の関節陥凹部が胃経の解詔穴である。

【筋肉】前脛距靭帯

【血管】前脛骨動脈の分枝、大伏在静脈

【主治症】本穴は脾越中の肺金穴であ…卑の喝と肺のやまいを兼ねている場合に用いられる。皮膚の色白く、乾き、咳があり、胃腸弱く、身体だるく、肺、脾の脈虚という証の各種のやまいに効く。たとえば、胸膜炎、肺結核、神経衰弱、心臓病、神経痛、胃アトニー、婦人病、胃下垂症等の適応症が非常に多く、非常によく効く穴である。また、局所的に足関節の捻挫、関節聖ラ用いられる

取り方 内果の上約3横指で脛骨の後縁より1筋、すなわち後脛骨筋の約3分離れたところに当る。牌経は脛骨後縁の骨ぎわに沿って上るが、三陰交穴は太陰脾経、少陰腎経、廠陰肝経の3経がここに会するところからこの名がある。なお内果の上とは内果の上際から測る説(挨(あい)大法)と内果の最も隆起しているところから測る説(+四連和語抄)とがあるが、ここではその上際から取る説に従って置く。

【筋肉】後脛骨筋、長指屈筋

〔血管】後脛骨動脈、ト伏在静脈

【神経】伏在神経、脛骨神経

【主拾症】婦人病と男子生殖器病の名犬である。各種婦人病には腎経の照海とともによく効く穴で婦人の三里とも敬称されているたいせつな穴である。また、男子の生殖器のやまいにも効く。淋病、陰療、遣精、尿道炎等に効く。婦人の更年期障害には陰陵泉とともに灸してよく効く例が多い。

足が冷えて頭に血がのぼる人に、三陰交に置鍼を30分以上していると足が次第に温まってくる場合がある。行間の灸と併用してみると興味ある治験例が多く出る。

 堕胎の秘伝法として、姫娠1か月あるいは2か月日の月経予定日に三陰交に2寸くらいの鍼を上方に向けて刺入し、響きが子宮にとおれば堕胎すると伝えられている。これは任脈の石門穴にも同じことがいえるが、ほかに原因があって流産し易い場合には堕(お)りることがあるから、慎んで行い、みだりに鍼すべきではない。

 三陰交は、男女ともに虚弱体質、胃腸が弱い人が足の三里とともに健康灸として毎日施灸して健康になった例が非常に多い。ありがたい穴である。脚気にも承山、腎愈、ともに欠かすことのできない穴であ

 

 

7.漏   谷大陰絡、陰経)(SP7

部 位 下腿の中央、脛骨の後縁で、内果の上方6寸にある。

取り方 内果の上際と膝の内側の折れ目のほぼ中央部で、内果より上へ6寸を測り、脛骨後縁の骨ぎわに取る。

【筋肉】後脛骨筋、長持屈筋、ヒラメ筋

【血管】後脛骨動脈、小伏在静脈 

【神経】伏在神経、脛骨神経

 

 

部浣㌫-;膝の露寸、′壷盲云豪にある。(SP8

取り方 膝の下とは膝関節部の横の線の下である。膝を伸ばして膝窟の中

 

4●足の等級)

央の委中大を前面に引いた線のことで、肝経の曲泉、腎経の陰谷はみなこの線上にある。また、膝蓋骨の中央もこの部に当るので、ここを日当に測るのが便利である。地機はこの線より下5寸で脛骨後縁の骨ぎわに取る。

【筋肉】ヒラメ筋、俳腹筋、長指屈筋、後脛骨筋

【血管】後脛骨動脈、小伏在静脈

【神経】伏在神経、脛骨神経(内側俳腹皮神経)

【主治症】大腸炎、精力減退等に用いられる。また腰や膝・足のやまいに効果があり、果がある。

 

 

帖陰…-

(別名、院の陵泉)(合水穴)  RP91nn1in9tSiuannSP9

部 位 下巌内側の上部、脛骨内側顆の直下の後縁の陥凹部にある。

準互夢足を伸ばして指で脛骨の後縁をさすり上げて行くと骨の攣曲部にいたって指の止まるところに取る。胃経の三塁穴より約1寸、⊂下方に当る。

【筋肉】排腹筋とヒラメ筋の間、縫工筋腱の停止部

分積、大伏在静脈

【神超〕伏在神経、

【血管】脛骨動脈の畏こ

【主治症】三陰交と共に非常に適応症の多い経穴で、主として胃腸、婦人生殖器、泌尿器、腰・膝・足のやまいに効果のある穴である。胃腸炎、腹の冷え、子宮病、その他婦人病一般に効き、膝関節炎、脚気の名犬とされる。また′ト優に関係ある遺尿・尿閉の諸病に試みて好い結果

 

海 (別名、血部)(SP10

多い。婦人

10.血

部 位 大腿内側、膝蓋骨内上際の上方25分にある。

取り方 膝を伸ばして力を入れると、膝の上の諸筋が緊張してよく現われる。膝蓋上方の中央の筋肉は大腿直筋で、その内側、膝蓋骨の上方約25分のところからふくらみかかったところに血海穴を取る。ここを強く押すと痛む。その外側には胃経で陰市(3寸上)梁丘(2寸上)穴がある。血海は『十四経発揮』では膝蓋骨の上2寸となっているが、『甲乙超』の通り2寸半とする。

【筋肉】大腿直筋の内側、内側広筋

【血管】大腿動脈の分枝、大伏在静脈

【神経】閉鎖神経皮枝、大腿神経

【主拍症】文字が示す通り、婦人の血のやまいに関係が深く、血を調える穴である。したがって月経不順、子宮出血によい。ある人の秘法に鍼を上方に向けて1寸剃入し撚鍼すれば、月経閉止に100%の効果があると称している。命門穴は血を止めるところ、血海は癖血(ふる血)を下すところである。血に関する他の穴では『難経』に胴愈穴(血会=血の金銀するところ)

 

 

RP11T最・∽g乃乃(SP11

部 位 大脇内側のほぼ中央、膝蓋骨内側上端の上方8寸の拍動部にある。

取り方 膝を伸ばして大腿直筋を手でつかみながら上方に向い、大腿内側のほぼ中央で膝蓋骨の上方8寸のところのくぼみに取る。縫工筋と大腰直筋内線の交るところ、深部に長内転筋があり、大腿動脈の拍動を感じる。ここが箕門である。

【筋肉】長内転筋、大・小内転筋、内側広筋、縫工筋

【血管】大腿動脈、大伏在静脈

【神経】閉鎖神経度枝および筋枝、大腿神経前皮彼

【主治症】精巣炎、鼠径ヘルニヤ、横症(よこね)に効き、また大腿神経痛によく効くところである。また痔疾、遺尿、婦人病、努子生殖器病等、すべて下焦のやまいに効果のある穴である

 

 

 12.嵩  肖(別名、慈宮、前章門)  (SP12

部 位 側腹部と大腿前面との境界部、鼠径溝のほぼ中央で大横の下5寸にある。

取り方 大腿動脈の拍動の感じるトニろ、上前腸骨妹のななめ下方で、恥骨のまがり上線にある胃経の気衝天の約1横指外上方に取る。大横(臍の両側4寸)の下5寸に当る。

【筋肉】外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋

【血管】下腹壁動脈、浅腹壁動・静脈

【神経】腸骨鼠径神経、第12肋間神経前皮枝

【主治症】この穴や胃経の気衝穴の付近は、男子生殖器病、婦人病の場合に引きつるような痛みや圧痛の出るところで、診察上にも重要な穴である。精巣炎、脱腸、精索神経痛、子宮痙攣から、腸仙痛、腸痙攣、腰聴神経痛、あるいは子宮位置異常からくる痛み、癒着性の鈍痛等によく効果を現わす穴である。また気衝と同様、骨盤内の炎症からきた発熱の場合に笥荒あげ苧璧聖(SP

 

13,斬頼

部 位 側腹部、衝門の上方7分にある。

取り方 衝門(大横の下5寸)の上方7分、したがって大横の下43分のところで、下前腸骨梯の内方に当る。

【筋肉】外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋

【血管】下腹壁動脈、浅腹壁動・静脈

【神経】腸骨下腹神経、肋間神経前皮枝および筋枝(1012

【主治症】便秘の場合、下方に向けて斜鍼を行うとよく効く。下腹部痛、胃腸炎に灸して軽快する場合がある。

 

 

14・腹  結(別名、腸結、腸窟)RP140“・。加(SP14

部 位 側腹部、大横の下13分にある。

取り方 大横(臍の両側4寸半、乳頭線上)を先に定め、この下13分のところに取る。さぐると縦に線状のすじが感じられる。

【筋肉】外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋

【血管】下腹壁動脈、浅腹壁動・静脈

【神経】腸骨下腹神経、肋間神経前皮枝(1012

【主治症】主として消化器病、特に大腸や小腸のやまい、便秘に効く。まえ・揖た黄症にも・リサ驚く悉忍慧-15ご乃‥r?刷)

部 位 側腹部、臍の両側約号寸、乳義旗上にある。

取り方 臍の両側で、乳頭線を真直ぐに下ったところに取る。胸部では正中より乳頭線までは4寸(両乳の間8寸にとる)で、この寸法によれば臍の両側4寸とし、乳頭線上に取る。ここを指で探ると縦に線状のものを触れるが、人によっては痛む。

【筋肉】外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋

【血管】下腹壁動脈、浅腹壁動・静脈

【神経】腸骨下腹神経、第10肋間神経前枝

【主治症】腹結同様に消化器病が主で、便秘や急性下酢こ効果がある。また神経衰弱に灸し

 

 

横  長ニノ(別名、腸裳●腸屈)RP168“仰eSP16

部 位 側腹部、大横の上3寸にある。

取り方ノ大横(臍の両側4寸半、乳頭線上)の上3寸に取る。第9肋軟骨の下にある日月穴(胆経)の下15分に当る。

【筋肉】外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋

【血管】上腹壁動脈、浅腹壁動・静脈

【神経】肋間神経節度枝および筋横(810

軋威デ習買病のほかに、肝臓病や月号石症に応早される

 

 

 17.食   費   (SP17

 

部 位 胸部、乳中の下外方、第5肋間、正中より6寸外方にある。

取り方 乳頭下の肋骨(第5肋骨)の下を横にさすって2寸外方、すなわち正中より6寸外方のところに取る。肺経の雲門、中府両天の直下の線に当っている。

【筋肉】大胸筋、内・外肋間筋

【血管】内胸動脈肋間枝、内胸静脈

【神経】第5肋間神経前皮枝および筋枝、前胸神経

【主治症】食車以下大包までの5穴は胸部肋間にあって、胸腔内のやまい、すなわち肺、気管、胸膜、心臓等のやまいに応用される穴である。食資は肋間神経痛、湿性胸膜炎等によい

 

部 位 胸部、乳中の外方2寸、第4肋間にある。

取り方 乳申すなわち乳頭、第4肋間から外方2寸(正中線の両側6寸)に当るところに取る。肺経の中府大の線に当る。

【筋肉】大胸筋、′ト胸筋、内・外肋間筋

【血管】内胸動脈肋間彼、内胸静脈

【神経】第4肋間神経前皮枝および筋枝、前胸神経

【主治症】肋間神経痛、胸膜炎のほか、乳腺炎にも効く。

 

 

亀し叩.′ 胸   郷 (Sp19

 

部 位 胸部、第3肋間で正中より6寸外方にある。

取り方 乳中より上方に1肋骨越えた肋間で、乳腺より2寸外方に取る。

【筋肉】大胸筋、′ト胸筋、内外肋間筋

【血管】内胸勤脈肋間枝、内胸静脈

【神経】第3肋間神経前皮枝および筋枝、前胸神経

【主治症】肺結核や心臓病の場合の刺鍼は非常にむづかしいが、軽い皮膚

  鋏、あるいは鑓鍼で効果を現わすことが多い。

 

20.周   栄    (SP20

 

部 位 前胸部、第苛肋間の外縁で正中線より6寸外方にある。

取り方 乳頭線より2寸外方に取る。肺経の中宿穴の下16分のところに当る。

【筋肉】大胸筋、小胸筋、内外肋間筋【血管】内胸動脈肋間枝、内胸静脈

【神経】第2肋間神経前皮枝および筋枝、前胸神経

ん賢警】蔓竿、巨軍鷲ゝ篭野こ軽窄禦背くk齢讐り慰とも書く)RP21rα瑚S21

部 位 側胸部、腋喬の下6寸、第6肋間にある。

取り方 管(ひじ)を挙げて腋窟を開き、正中の極泉穴(心経)の下3寸に淵腋穴(月旦経)がある。その下3寸、すなわち腋窟の下6寸に大包穴を取る。

【筋肉】前鋸筋、内・外肋間筋

【血管】胸背動脈、内胸動脈の分枝、肋間動脈、内胸静脈【神踵】第6肋間神経外側皮枝・筋枝、長胸神経

【主治症】喘息、胸膜炎、肋間神経痛等に用いられるが、肺結核、心臓病には皮膚鍼か鎧鍼で充分効く。

 

 

脾 経 細 論

 

  流注と臆 太陰牌経は、足の隠白の穴から足の陰側を上行して下腹に至ク、任脈の中極、関元を経過する。これから牌や胃、すなわち主要な消化器を循って側胸部を上り、咽・舌に至るのであるが消化器はもちろん、下腹部の生殖器や胸部臓器に関係するほか、さらに支脈は心中に注ぐので、精神作用にも影響を与えることになるのである。 漢方でいう脾臓とは現在の膵臓を指すもので、古典では胃とともに消化作用を営む主要な臓器としたのである。すなわち胃は食物を入れるところ、これに脾の力が加わって初めて消化作用が行われると推定したのである。現在の消化、吸収作用は牌と胃の作用であり、したがってこの程の盛衰は消化、吸収機能の盛衰を指示するものであるといってよい。大腸や小腸は血となり肉となる栄養分の吸収にはあづからないと考えたので、これらの轟の諸穴はあまり消化吸収に関係がない。

 脾経は胃経とともに、こんにちの胃腸を主とした消化器系統のやまいに効く経であり、胸部の穴と血海、箕門を除く全天が消化器に効く穴となっている。

 次の特徴は生殖器系統のやまいに効くことである。指端と三陰交から下腹部の衝門までの間の穴は、みなこのやまいに効くことになっている。

 胸部の諸穴は、他部の病気にはあまり効果がなく、いわゆる胸部疾患に効く。肺炎、胸膜炎はもちろん、肋間神経痛等に使われてきた。

 なお、脾経は身体がだるく重いとか、神経衰弱とかに深い関係がある。

呼吸器疾患の場合、全身の栄養をよくするためには、どうしても脾胃の経が順調でなければならない。やまいのうちで牌、腎両経の虚というものは一番恐ろしいものである。先天、後天の原気から虚となるのである。呼吸器病、婦人病、脚気の悪質なものは多くはこれである。

 婦人科疾患で脾虚からくる場合が相当ある。三陰交は婦人の三塁といわれ、陰陵泉とともに多く使われていることはいうまでもない。血海は血の海と書き、子宮出血とか、月経異常のように血に関係したやまいによい。

また、三陰交は横産、逆産のような異常分娩に鍼して好結果を得る場合が多いことは、古来から認められている。

 衝門は、胃経の気衝と近い部位にあり、生殖器関係の実証性のやまいに効き、溶血を行うのによいところであることは気衝と同じである。

 小児の府(痛)は、脾経と肝経からきている場合が大部分であるから、腹部の穴、足の要穴のうちから選んで使うべきである。引きつ桝こは隠白とか商丘の灸が効く。隠白はまた一般に、黄症に溶血して著効があると古くからいわれている。

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4.足の太陰牌経・主拾症一覧表21

穴   名

第 1 症 (共通症)

第  2  症(特に効ある症)

鯵  や

1.隠  白

 2.大  都

◎・太 白

4.公  孫

く及 商一 丘

β・三甲奏

7.漏一 谷

8.地  機

砂陰険泉

醇血、海

11.箕  門

12.衝  門

13.府  舎

14.腹  結

15.大  横

⑳腹 京

17.食  舞

18.天  齢

愈胸 表

20.周  栄

21.大  包

屋(

腹脹、嘔

食下らず

暴泄、痙攣

〝(脹、嘔、痘攣)

〝(脹、痛、壮、嘔)

〝(出血、脱肛、嘔、痛)

〝(便秘、腹鳴、嘔、黄症)

〝膿ヲ寿恕)生(黒字森林)

〝(腹鳴、脹)

〝(泄)生(警詣)

〝(泄、腹冷)生

婦人病

一切

  生(詣鴇)

  生(警誉鮎)

胃腸(柿)生(同上)

腸(便秘、痙攣、炎)

腸(症、泄)黄症

腸(便秘、泄痢、炎)

胃腸(離嘉て古壷蛋賢)

 呼(霹笑壷馨膜炎)

  呼(同)

  呼(同)

  呼(同)

  呼(同)

足冷、小児引きつけ

倦怠、腰痛、手足寒、

熱病汗不出

腰痛

脾実、狂、寒熱

神経衰弱、寒熱、小児

泌尿器(造靂不利)

神経衰弱

腰痛、水腫

脚気、膝関節炎

横疫、尿閉、脱腸

神経衰弱 

乳腫、吃逆

  同

  同

1.消化器疾患       1.生殖器疾患

1.その他、脳、精神病、泌尿器、呼吸器病