眼精疲労の原因から症状を解消する対策を解説

§  眼精疲労の主な症状

§  眼精疲労の原因

§  眼精疲労の鍼灸治療

§  当院2階「眼精疲労専門治療室」のご案内

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眼精疲労」とは、大まかには目を過度に酷使することによって、目の疲れ・目の痛み・頭痛や肩こりや吐き気など身体に様々な症状が出る状態をいいます。また、厳密には、パソコンを長時間見た後によくあるような一時的な「目の疲れ」(一日寝れば改善するもの)と、「眼精疲労」とは違っていて、寝て起きた後も目の疲れ・目の痛み・頭痛や肩こりや吐き気などの身体の症状がとれない状態を「眼精疲労」いいます。

 

眼精疲労の主な症状

§  目がしょぼしょぼする

§  目が乾く(ドライアイ

§  目の奥が痛い

§  まぶたがピクピク痙攣する

§  夕方になると目がかすむ

§  蛍光灯の光がやけに眩しく感じる

§  肩こりがひどい

§  頭痛、頭が重い

§  吐き気、嘔吐

§  頭がボーっとして仕事がはかどらない

§  集中力が続かない

§  よく眠れない

 

 

 

 

これらの症状が回復されずにさらに疲労が蓄積されていくと、イライラ・全身の倦怠感(身体がだるい)・心当たりがないのに「気分が落ち込む」といった軽いうつ症状などが現れます。

 

眼精疲労の原因

目の3つの筋肉の過緊張によるもの

パソコンの画面やスマートフォンを見る時のような「近くの物を見る」という動作は、次に挙げる目の3つの筋肉にとても大きな負担がかかります。

§  寄り目にする(内直筋の過緊張)

§  瞳孔を縮める(瞳孔括約筋の過緊張)

§  水晶体の厚みを増す(毛様体筋の過緊張)

近くの物を見続ける時、両目を内側に向ける必要があるために内直筋が緊張します。そして、水晶体の厚みを増してピントを合わせるために毛様体筋が常に緊張します。また、パソコンの画面のような明るいものを見続ける場合、網膜上で焦点が合う範囲を広くするために瞳孔括約筋が常に緊張します。(入ってくる光の量を少なくしてものを見やすくさせる。)

 

眼精疲労は、多くの場合パソコンなどを長時間使用することで起こります。目のピント調整をしているのは、毛様体筋(もうようたいきん)という目の内側にある筋肉です。目に比較的近い距離にあるモニター画面などを朝から見続けると、夕方になる頃には毛様体筋は疲れ切ってしまい遠くを見ようとしても動かなくなってしまい水晶体の厚みを薄くすることができずに遠くのピントが合わずぼやけてしまう「ピントフリーズ状態」になることがあります。毛様体筋の負担が大きくなり、眼球周囲の筋肉や眼球内部の筋肉が固まってしまいます。

ドライアイによるもの

ドライアイとは、上まぶたの外側にある涙腺から出る油性の涙液の量が減ったり涙の性質が変化したりすることで、目の表面が乾きやすくなりその結果、角膜や結膜に傷がついてしまい目の痛みや充血などの症状が起こります。涙は通常まばたきをすることにより涙腺が刺激されて涙が分泌されます。パソコンの画面を見続けて仕事に集中すると「まばたきの回数」が減ってしまってそれがドライアイや眼精疲労を引き起こす原因になっていることもあります。また、眼精疲労の症状によるストレスによって交感神経と副交感神経のバランスが乱れが副交感神経の働きを低下させてしまうことが涙の量を減らすことにつながり、眼精疲労がドライアイを引き起こす原因になることもあります。パソコンを毎日長時間使用する場合は、眼の矯正は、0.7前後で良いそうです。矯正視力は1.0~1.2位まで上げられますが、これは遠くを見るためです。近くをみるには、適していないので、ピントを合わせようとして、眼筋を使い眼精疲労が起きていることもあります。

 

眼精疲労の鍼灸治療

眼精疲労の症状では、眼筋をほぐして、柔軟性を取り戻すこと。血液の循環を良くすることが大切です。また、眼精疲労は、目の疲れがきっかけとなって、様々な辛い症状が身体にまであらわれます。目の働きは、神経によって調節されている為、脳の疲れ、脳の興奮による神経の緊張やストレス、首・肩など筋肉のコリ・身体全体の疲れを改善することで、よい治療効果が得られると感じています。

 

東洋医学では、目は「肝」(かん)がその働きを司っています。

長時間のパソコンなどをすると、「肝」を栄養する「血」(けつ)が消耗され「肝血虚」(かんけっきょ)という状態になります。また、「肝」は、筋肉の働きにも深く関わっています。ストレスや緊張などによって、「気」の流れが悪くなると、「肝」の働きも低下し、血液の流れが悪くなるため、目の周囲・頭・首・肩など目に関係する筋肉に疲労が蓄積されやすくなります。

 

治療では、「肝」や「脾」(ひ)などの経絡(けいらく)にあるツボを使って「血」を養います。また、身体全体の疲れや「気」の流れをスムーズにするためのツボに鍼・お灸をします。三陰交(さんいんこう)・太衝(たいしょう)・合谷(ごうこく)・脾兪(ひゆ)・膈兪(かくゆ)・肝兪(かんゆ)など手・足・背中のツボに鍼灸治療を行い、身体全体の治療をします。

ツボで目の疲れを取る!

 

また、目の周りには目の疲れを取る沢山のツボがあります。

§  晴明(せいめい):目頭の少し鼻よりのくぼみ

§  太陽(たいよう):こめかみのくぼみ

§  四白(しはく):目のしたの骨のくぼみ

他には、パソコン作業の姿勢を続けることで腰から上の筋肉にかなりの負担がかかる為、首、肩、肩甲骨周り、腰などの筋肉のコリをゆるめる治療をします。特に、首のから頭にかけては沢山の小さな筋肉がありますが、鍼治療により深いところの筋肉を丁寧にゆるめていきます。

 

眼精疲労は、蓄積された目の疲れです。

また、肉体的な疲れも、知らずしらずのうちにストレスになっていることがあります。長時間パソコン作業をする場合は、1時間に1回は、目を閉じて目を休ませたり、目の周りや目の疲れを取るツボを、気持良い位の強さで押したり、マッサージすると良いでしょう。また、モニターの位置・画面の明るさなどは、自分に合った仕様に調節しましょう。そして、目の疲れを翌日に持ち越さない為にも、ホットパックやアイスパックなどを利用して、目をあたためたり、冷やしたりすると疲れが緩和されますので、ぜひ試してみて下さい。