血の道、更年期障害
血の道とは、漢方だけの表現で、女性特有の一種の神経症です。これは、若い人では冷え性、月経困難症、中年以後では更年期障害としてあらわれ、月経に関するいっさいの病状を含んでいます。

具体的には、月経の前中後、妊娠、分娩後、流産後、人工妊娠中絶後、避妊手術後、更年期前後に見られる頭痛、のぼせ、冷え、神経性発汗、めまい、動悸(どうき)、心臓病の圧迫感、興奮、憂うつ、肩こりなどの症状としてあらわれます。

更年期障害とは、40歳を過ぎた女性にあらわれる障害です。更年期とは、月経のある時期からなくなる時期に移る間をいい、この時期には、卵巣機能の衰えや、そのほかの内分泌器官との調和がくずれるため、血管運動神経に障害が起こったり、精神的に不安定になったりします。

症状としては、冷え、のぼせ、顔のほてり、めまい、肩こり、頭痛、不眠、発汗、動悸、胃腸障害、月経痛、神経過敏などとしてあらわれます。
「血の道、更年期障害」 (民間薬)
ゲンノショウコ サフラン ベニバナ モモ        
薬用植物名 採集時期 成 分 薬 効 用法説明
ゲンノショウコ 全草(7〜10月) タンニン・フラボノイド・芳香化合物 下痢・健胃整腸・利尿・強壮 @全草を採り、日陰で干す。A1日15〜20gを200mlの水で、1/2になるまでゆっくり煎じる。B3回に分け、食前に飲む。Cお茶として飲む場合は、10グラムを1日量として0.5リットルの水を10分煮出して3回に分けて、食前・食間に飲用。副作用がなくすぐれた健胃整腸剤。
ミヤギノハギ インドールアルカイイド・レスペダミン、アルカロイド・ジメチールトリプタミン 女性のめまい・のぼせ 乾燥した根を2〜5グラム、水0.3リットルを半量まで煎じて服用
「血の道、更年期障害」 (漢方薬)
温清飲(うんせいいん) 加味逍遙散(かみしょうようさん) 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) 香蘇散(こうそさん)
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう) 柴胡桂枝干姜湯(さいこけいしかんきょうとう) 四物湯(しもつとう) 大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)
釣藤散(ちょうとうさん) 桃核承気湯(とうがくじょうきとう) 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) 八味丸(はちみがん)
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう) 抑肝散(よくかんさん) 抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)