胆のうの病気としてもっとも多いのが、胆のう炎と胆石症です。胆のう炎と胆石症とは、互いに因果関係が深く、胆石があると胆のう炎を起こしやすく、胆のう炎は胆石をつくるもとになっています。
胆のうや胆管の炎症、胆汁のうっ帯、胆汁成分の異常などが原因となり胆石が生じて、これが胆汁の通路を遮断(しゃだん)して黄疸(おうだん)を起こしたり、胆のうや胆管を刺激して発作性の激しい痛みを起こすのが胆石症です。
胆のう炎は、胆のうや胆管の内側に細菌が原因で炎症を起こして、発熱を伴い、激痛、吐き気、寒気などの症状がでる病気です。胆石が生じて、胆のう壁が傷つけられたときに、細菌が入り込むと、細菌が増殖して炎症を起こしやすいと考えられています。胆石症は胃けいれんによく似ていますが、胆石症の痛みは、上腹部の右寄りの部分を中心に起こり、胃けいれんは胃の部分にのみ痛みが起こります。
漢方では、柴胡(さいこ)を主剤としたものが多くて、また発作に対する対症療法と、体質を改善していく原因療法とに分けて治療していきます。胆石ができるのは動物性の脂肪のとり過ぎが原因とされています。そこで、脂肪や砂糖の摂取をひかえて、野菜を多くとるように注意することが大切です。 |