アジサイ           (ユキノシタ科アジサイ属:落葉低木:樹高 〜2メートル:花期 〜7月)
薬効
風邪 解熱 有毒
分布生育場所
科名:ユキノシタ科/属名:アジサイ属
和名:紫陽花/生薬名:紫陽花(しようか)/学名:Hydrangea macrophylla form. macrophylla
本州中部以南に自生するガクアジサイから、日本で改良された園芸種。庭、公園などに植栽。
本州中部地方中心の半木陰に自生するタマアジサイ、本州日本海側〜東北地方の木陰に自生するエゾアジサイ 、奥只見近辺のエゾアジサイ、日光杉並木のクサアジサイ

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見分け方・特徴
茎は群がって伸びて群生する。
葉は、対生、広卵形で先端は尖り縁には鋸歯(きょし)があり、長い柄がある。
花は、6〜7月ころ3〜5枚のガクが花弁のように発達して半玉状に群がって咲く。
色は、アジサイ(紫陽花)のように、美しい青藍色の中性花で、日本各地でアジサイを植栽している。
園芸用に多種のアジサイが改良されているという。
採集と調整
アジサイの花が咲いている時期に花を採取して、細かくちぎって日干しにして乾燥させます。
これが生薬名で、紫陽花(しようか)といいます。
薬効・用い方
民間では、紫陽花(しようか)を、風邪で発熱や咳などの場合に、1日約10グラムを水0.5リットル程度で半量まで煎じて、かすを除いて、食間に3回に分けて服用するという。

紫陽花(しようか)には、花の色素アントシアニン、有機酸3-カフェオイルキナ酸、3-パラクマロイルキナ酸、配糖体・ヒドラゲノシドAを含有。
その他
日本には、日本海側や東北に自生するエゾアジサイ、山地に自生する、ヤマアジサイなどがある。

名前の由来は、「和名抄(わみょうしょう・934年頃)」には、白氏文集律詩に云(い)う、紫陽花、和名安豆佐為(あつさい)」という記述がある。
これは、安豆(あつ)とは、集まるという意味をあらわし、佐(さ)は、真を意味し、為(い)は、藍(あい)を意味して、「真の藍色(あいいろ)の集まり」という花の様子から、安豆佐為(あつさい)と名がつき、安豆佐為(あつさい)が転訛(てんか)して、アジサイの名がついたという。

「シーボルト」と「お滝さん」
シーボルトが日本(長崎)に住んでいたとき、日本の妻「お滝さん」を、オタクサと発音したという。
シーボルトは、アジサイの花を、ことの他好きだったらしく、アジサイの学名を、ハイドランジア・オタクサとつけた。(その後、ハイドランジア・マクロフィア・ヴァル・オタクサと変更)
植物学の創世記には、新種の植物を発見した場合には、自分の妻や娘などの名をつけることが流行ったといい、当時の楽しい名づけが想像できますが、現在は禁止されているという。

医者として植物学者として名を残した、シーボルトは、膨大な数の桂川甫賢などが書いた「日本の植物図」を、植物学者・ツッカリーニに送った。
ツッカリーニは、シーボルトの植物画をもとに、「日本植物誌」を編纂した。これには、発見した新種の植物にも、「ツッカリーニ・エト・シーボルト(ツッカリーニとシーボルト)」と2人に名が付いていて、このことから、シーボルトが植物学者としても名を残すことになった。

また、桂川甫賢(「解体新書」を訳した桂川甫周の養孫)という人は、シーボルト来日の約50年前に来日した、ツュンペリーという植物学者に協力して、日本の植物のことを教えている。