イラクサ (イラクサ科イラクサ属:多年草:草丈
〜100センチ:花期 〜9月)
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薬効 |
虫さされ |
浴湯料 |
茶材 |
山菜 |
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分布生育場所 |
科名:イラクサ科/属名:イラクサ属
和名:刺草/別名:アイコ/学名:Urtica thunbergiana
イラクサは、日本全土の山地などに自生。
ミヤマイラクサは、東北地方の山地の比較的うす暗い場所に自生。
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見分け方・特徴
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高さが1メートルにも達する大型の1年草で、人里離れた道端など余り人の入らない場所に群生します。
茎は、直立して堅い刺に覆われていて触ると非常に痛い。
葉は、互生で広い卵形で10〜25センチ、先端は尖り、葉縁には大きな鋸歯があります。
葉にも、堅い刺があり、一度さわると皮膚に残り、いつまでもチクチクして痛い。
花は、7〜9月に咲き、雄花は葉の脇に咲いて、雌花は茎頂につきます。 |
採集と調整 |
夏に草花の一番勢いのある時に、茎葉を採取して乾燥させます。
これを生薬で、蕁麻(じんま)といいます。 |
薬効・用い方 |
イラクサの茎葉を乾燥させて浴湯料として、頑固な疼痛などに用います。
乾燥茎葉を適量、布袋に入れて、鍋などに入れて煮出してから、風呂に入れて入浴します。
血行を良くして体が温まります。
蛇や毒虫などの場合には、イラクサの新鮮な葉を良く揉んで出てくる汁を患部に塗布します。
毒消しや痛みを和らげる作用があります。
戦時中には、日本の救荒植物として、茹でた葉を乾燥させて食料にしていました。
ミヤマイラクサは、アイコと呼び、若葉を茹でて、季節のおひたしやあえものにして食べます。
痛みの原因の毒成分は、煮ることによって水に溶けて無毒になります。
ヨーロッパでは、薬草として用いられていて、血糖値降下作用があり、糖尿病に健康茶として広く親しまれています。 |
その他 |
イラクサは、絹に似た光沢を持つ柔らかな繊維の原材料になります。
イラクサの皮から採れる繊維は、上質な織布になり、ヨーロッパでは、古くは第一次世界大戦下のドイツで、大規模な、イラクサの加工産業が発達しました。
アンデルセンの童話で「白鳥の王子」に、11人の兄にかけられた魔法を解くために、イラクサの服を、末の妹が、イラクサの刺で、血で手を真っ赤にして編み上げたという話があります。
イラクサの学名も「urtica」で、「焼く」という語源があり、これも、イラクサを触った時のヒスタミンの毒による、「焼けるような痛み」から付いた名前です。
蕁麻疹(じんましん)とは、イラクサの茎葉に細かい刺があり、この刺にヒスタミンを含むため、指でさわると、いつまでも、痛くて痒くて、これによって起こる炎症を、蕁麻疹(じんましん)と言ったのが、ジンマシンの名前の始まりとされています。
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