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ボタン
(ボタン科ボタン属:落葉低木:樹高 〜2メートル:花期 4〜5月)
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薬効
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漢方処方
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消炎、解熱、鎮痛、浄血、通経
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分布生育場所 |
科名:ボタン科/属名:ボタン属 和名:牡丹/生薬名:牡丹皮(ぼたんぴ)/学名:Paeonia suffruticosa
園芸用として栽培、園芸品種花大臣・白王獅子
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見分け方・特徴
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地下の根には特有の芳香があり、落葉低木、約1.5メートルで枝分かれします。
葉は、淡緑色、長い柄があり互生(ごせい)、2回3出複葉か羽状複葉(うじょうふくよう)、小葉は卵形で先が3〜5裂します。
花は、4〜5月ころに枝頂に大型の、白色、紅色、紫色などをつけます。
薬用には、淡紅色の単弁花を用います。
ボタンに似た花の、シャクヤクは、多年草草本で、冬に地上部が枯れ、翌年に芽を出します。
葉も光沢があり、葉脈(ようみゃく)、葉柄(ようへい)が赤みががってるので区別します。
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採集と調整
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生薬(しょうやく)として用いるのは、根ですので根が太るように栽培します。
花は、蕾(つぼみ)のうちに摘み取り、苗から4〜5年した、9月25日から10月5日ころに、株分けして採取します。
根頭部分の芽を残して、根を切って水洗いし、木槌で叩いて割れ目から芯を除いて、皮を剥ぎとり、長さ10センチくらいに切って、日干しにして乾燥させます。
これが生薬(しょうやく)の、牡丹皮(ぼたんぴ)です。
栽培:ボタンは、秋に株分けをして、うね間1.2メートル、株間0.6メートルに植え、翌年の秋から、油粕などの肥料を与えて栽培します。
根の発育の目的で、花つぼみは摘み取り、4〜5年目に根を掘りあげます。
ボタンの根は、横に広がるので、鉢植えには適さないので、園芸用に販売されているのは、シャクヤクの根に、ボタンを接木したものがほとんどです。これは、薬用には、用いません。
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薬効・用い方
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牡丹皮(ぼたんぴ)は、ペオノールなどの配糖体を含み、消炎、解熱、鎮痛、浄血、通経の目的で、漢方処方に配合されます。
大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)は、1日量を煎じて、3回にわけて服用します。
これは、比較的体力があって、下腹部に痛みがあり、便秘しやすい人の場合に用います。
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その他 |
名前の由来は、中国の古書の本草綱目(ほんぞうこうもく・1596頃)には、「牡丹は色のあか(丹)なるをもって上とする。種を結ぶが、新苗は根から生ずる。ゆえに、牡(牡牛座などの、雄という意味)丹というのである」という記述があります。
日本では、藤原忠通の歌に「咲きしより散りはつるまで見しほどに花のもとにて二十日へにけり」という句があります。
これから、ハツカグサという別名がありますが、実際の開花期間は5日程度のようです。
ボタンは、中国西北部原産の落葉低木で、日本に渡来したのは、奈良時代ころに薬用としてですが、江戸時代になると盛んに栽培されるようになります。
元禄時代には、園芸用の品種が多く栽培されるようになり、「紫陽三月記(しようさんがつき・1691)」という、牡丹栽培の手引書などが出版されました。
「立てばシャクヤク、座ればボタン、歩く姿はユリの花」は、古くから美人のたとえとしてよく知られています。これらの植物は全て婦人病の薬草です。
シャクヤクは、冷え性、月経不順、産後の疲労回復。ボタンは月経困難、便秘。ユリは乳腺炎やできものの薬草です。シャクヤク、ボタン、ユリを薬草として用いると美人になるという昔の言葉には奥深い味があります。
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Photo Masayuki Tsuno
E-yakusou.com 2-6-2,sakaihigashi,nishi-ku,Niigata-shi,950-2041,Japan |
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