アオツヅラフジ (ツヅラフジ科アオツヅラフジ属:つる性落葉:樹高 〜 メートル:花期 〜8月)
|
薬効 |
リューマチ |
神経痛(しんけいつう) |
関節炎 |
消炎 |
利尿 |
鎮痛 |
|
|
|
|
|
|
分布生育場所 |
科名:ツヅラフジ科/属名:アオツヅラフジ属
和名:青葛藤/学名:Cocculus trilobus
本州、四国、九州に分布。
低山地や草原などの普通に見られる落葉性のつる植物。
(←拡大画像はクリックします)
|
見分け方・特徴
|
茎は、緑色で細毛があり、ときどき分枝しながら他の物に巻き付いて生長します。
葉は互生して卵形か広卵形で柄があり、細毛があって、多くは3浅裂します。
花は、雌雄異株で7〜8月ころ葉のわきから円錐花序をだし、黄白色の小花を多数つけます。
果実は径8ミリほどの球形で、黒く熟して、秋遅くなると、表面に白い粉をふき、液果で、指でつぶすと黒紫色の汁がでます。
種子はU字型に曲がり、こまかい横しわがあります。 |
採集と調整 |
つるや根は秋に採取して、輪切りにし、日干しにしておきます。
根茎を乾燥したものを生薬(しょうやく)で、木防己(もくぼうい)といいます。
果実は、そのまま日干しにして保存します。
|
薬効・用い方 |
木防己(もくぼうい)は防己(ぼうい)の同類で、ともに漢方では消炎、利尿、鎮痛薬としてリューマチ、神経痛、関節炎のむくみに用います。
特に木防己(もくぼうい)にはとくに強い鎮痛作用があります。
木防己(もくぼうい)5〜10グラムを1日量として0.5リットルの水を加え煎じて、約2分の1量まで煮詰めて、3回に分けて服用します。
また、秋に採取して乾燥した果実を1回量3〜6グラムを水0.2リットルで煎じて服用します。
生の果実なら、1回につき5個のしぼり汁を、そのまま飲んでも効果があるとされます。
|
その他 |
アオツヅラフジには、カミエビという名前もあり、日本、朝鮮半島、中国、フィリピン、インドに広く分布します。
中国名は木防己(もくぼうい)、別名に土木香(どもっこう)、牛木香(ぎゅうもっこう)、青藤(せいとう)の名前があります。
防己(ぼうい)は、中国の最も古い薬物書である「神農本草経」(しんのうほんそうきょう)の中品に収載され、「体内で風気と寒気がぶつかり合って、発熱したり痛んだりする風寒の病や・・・人に悪い邪気をとり除き、大便や小便の出をよくする作用がある」と記載されています。
漢中(かんちゅう)(現在の陜西(せんせい)南部)に産する漢中防己の根が防己であるといわれますが、実際に防己として使用されている生薬は、ツヅラフジ科とウマノスズクサ科の2科にわたる数種類です。
アオツヅラフジ(木防己(もくぼうい))、シマハスノハカズラ(粉防己(ふんぼうい))、アリストロキア、ウエストランディ(広防己(こうぼうい))、アリストロキア・ヘテロフィラ(漢中防己(かんちゅうぼうい))などです。
|