エゴノキ       (エゴノキ科エゴノキ属:落葉高木:樹高 〜7メートル:花期 〜6月)

薬効
洗剤  魚捕り
 
分布生育場所

科名:エゴノキ科/属名:エゴノキ属
和名:-/別名:チシャノキ/セッケンノキ/学名:Styrax japonica
北海道(日高地方)、本州、四国、九州、沖縄の山野
朝鮮半島、中国、フィリピン北部の温帯から亜熱帯に広く分布

見分け方・特徴

樹皮は、暗紫褐色〜淡黒色で滑らか、若枝は緑色のちに暗紫褐色になる
葉は互生、長楕円形〜卵形、長さ4〜8センチ、幅2〜4センチ、葉縁は全縁〜浅い鋸歯があり、始め葉の裏面や葉柄に星状毛があるがのちに落ちる
花は5〜6月頃、新枝の先部に白い花を数個下垂する
花柄の長さ2〜3センチ、花冠2〜3センチ、5深裂、雄しべ10本、雌しべ1本は雄しべより長い
果実は刮ハ、卵球形の灰色、長さ約1.2センチ、8〜9月頃熟して縦に割れ、卵形で褐色長さ約1センチの種子が出る
採集と調整
古くは、8月頃の未塾果実を採取して、果皮を集めて洗剤、小魚捕りに用いた
薬効・用い方
果皮には、エゴサポニンを含む

果皮を入れた水で洗濯をすると、泡が立って汚れがとれるので、古い時代には、この果皮を洗剤として利用していた時代があった

魚毒植物のひとつで、未熟果実に毒性があることから、砕いた汁を小川に流すと小魚が、エゴサポニンの中毒により浮き上がる
その他
名の由来は、果実の毒性により、えぐみ(えごい・えぐい)があることに由来するという

また、方言も多く、チシャノキの由来は、キク科の野菜チサ(チシャ)の花の咲く頃に由来するという
「本草綱目啓蒙(ほんぞうこうもくけいもう/1803)」には、エゴノキを「チサノキと呼び、俗にチシャノキ。ロクロギ紀州、チチエ石州、エゴ江戸、サボン加州、ボトボトノニキ越前」などを地方名として記述がある

有名な芝居で「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」には、「こうちの裏のチシャノキに」の一説は、当時のエゴノキをチシャノキ(チサノキ)と呼んでいたことを知ることができる

また、種子はヤマガラの好物、材は白く均質で美しく、くりもの、傘のろくろ、床柱、杖に利用され、駆虫剤や肥料にも使うという