ケナシヤブデマリ (スイカズラ科ガマズミ属:落葉小高木:樹高 〜4メートル:花期 〜6月)
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薬効
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寄生性皮膚病 |
いんきん |
たむし |
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分布生育場所 |
科名:スイカズラ科/属名:ガマズミ属
和名:毛無藪手毬/学名:Viburnum plicatum var.glabrum
本州の東北地方〜北陸地方の日本海側の山野の谷沿い、川沿いに多く自生する日本固有種
スイカズラ科ガマズミ属ガマズミ
スイカズラ科ガマズミ属ミヤマガマズミ
スイカズラ科ガマズミ属ムシカリ
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見分け方・特徴
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東北〜北陸の日本海側の山地に自生する落葉低木で高さ2〜4メートル
樹皮は灰黒色、葉は対生、柄があり倒卵形〜楕円形、長さ8〜15センチ、新枝は卵形、葉の主脈から多くの支脈が明瞭に見え、葉縁には鋸歯がある
若い葉の裏面や枝に毛があるものをヤブデマリと呼び、無毛か少ないものをケナシヤブデマリ(ヒロハヤブデマリ)と呼ぶ
花は、4〜6月枝先に5〜10センチの白花を散房花序につける
花序の中央には5〜6ミリの小さい両性花が多数あり、その周りを5深裂した白色の装飾花が囲む
両性花は、花冠5裂、雄しべ5、雌しべ1
果実は核果、長さ5〜6ミリの楕円形、8〜10月に赤色〜黒色に熟す
ムシカリとの違いは、ヤブデマリは枝を横に伸ばし葉の基部がくさび形〜円形、ムシカリは枝を斜上に出し葉の基部は心臓形、花序の柄が短い
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採集と調整
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4〜6月の開花期に花を採取して、日干しにして良く乾燥させる
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薬効・用い方
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有効成分:花からフラボノイドのケンフェロール、ルチン
寄生性皮膚病、いんきん、たむしに乾燥した花1回量5〜10グラム、水0.4リットルで3分の1量まで煮詰めて、冷ましてから患部を洗う
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その他 |
名の由来は、オオデマリ(別名テマリバナ)に花が似ていて、花穂が丸く山野の藪(やぶ)の中に自生があることから、ヤブデマリの名になった
大和本草(やまとほんぞう/1708)には、「京畿にてカイバと云、筑紫にてヤブデマリと云、林中に多し形テマリバナ(オオデマリ)に似て光あり大葉なり」という記述がある
本州の太平洋側、四国、九州に分布するヤブデマリ、本州の東北地方〜北陸地方の日本海側に分布するケナシヤブデマリ、本州の静岡県以西、四国、九州に分布するコヤブデマリ(葉が2〜5センチ)がある
オオデマリ(テマリバナ)は、江戸時代から庭木として栽培され、ヤブデマリの母種という説や日本海側に分布するケナシヤブデマリの園芸品種という説があるという
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