クマザサ        (イネ科ササ属:多年草:草丈 〜100センチ:花期 〜 月)

薬効
便秘 糖尿病 糖尿病合併症 口内炎    
           
分布生育場所

科名:イネ科/属名:ササ属
和名:隈笹/学名:Sasa veitchii var.veitchii
近畿、中国、九州の山野に自生及び各地で栽培、本州の山地に自生するチマキザサ
朝鮮半島や千島、カムチャッカなどに分布

見分け方・特徴

チュウゴクザサを栽培して、とくに葉質がうすくなったもので庭園や公園などにも栽植されています。また、栽植品が野生化している地方もあります。
草丈は1〜1.5メートル程度で、基部で分枝します。竹の皮には長毛が密生していて、葉は線状の長楕円形で先は尖り、基部は丸く、葉は両面ともに無毛です。


採集と調整
新鮮で青々した柔らかい部分を採取して陰干しで乾燥して、細かく裁断します。
また、青汁は、新鮮で新しい新芽の柔らかい芽を採取して、1回量として20〜30グラムをミキサーにかけて青汁にして飲みます。

クマザサの粉末は、非常に消化吸収が悪いので注意が必要です。


薬効・用い方
有効成分は、アンソッコウ酸(殺菌、防腐作用による食品防腐効果)、ササ類に共通した成分として葉緑素、ビタミンC.K.B1.B2、カルシウムが多く含まれ、血液の弱アルカリ性化や葉緑素が胃炎を抑制するという

胃のもたれなどに、ササの葉の青汁を飲みます。ササ類ならばどれも薬効は同じですので、身近にあるササ類を利用できます。
ササの成分のササ多糖類(バンフォリン)には、抗癌作用がありガン細胞の増殖を抑制する作用があるとされています。
また、ササ類には栄養素がバランスよく含まれています。蛋白質、多糖体、葉緑素、カルシウム、ビタミン類です。
さらに、強心作用のあるフラボン誘導体などの有効成分は若葉のときに一番含まれているとされています。
口内炎や口臭などの原因の虫歯、歯槽膿漏や胃炎、胃潰瘍などには、クマザサに含まれるビタミンKの抗菌作用、抗炎症作用、免疫力を高めて雑菌の増殖を抑制するとされています。

クマザサは、1日量20グラムに水1リットルを、沸騰させないように3分の1量まで煮詰めます。いったん火を止めて、これを数回繰り返して茶褐色になるまで煮詰めて飲用します。

クマザサ茶は、適量を沸騰したらクマザサを入れて10〜40分、弱火でトロトロと煮詰めます。沸騰する100度以上になると有効成分が破壊されてしまいます。

糖尿病、高血圧、口内炎、便秘、胃腸などや抗癌作用があるといわれ、血液の弱アルカリ性化が期待できる


その他
ササは、イネ科で厳寒の冬に雪に埋もれても、その緑を保つ生命力には驚異的です。ササの類は、ほとんどが日本特産であり、日本で分化発達したグループと考えられています。
また、朝鮮半島や千島、カムチャッカなどにも分布します。

名の由来は、一般には「熊笹」の字と思われがちですが、葉の縁が秋ごろから白く枯れてくることから「隈笹」という名があるのです。
隈どる順序は、葉の内側から順次に始まり、外縁に移っていきますが、葉の縁は黄質が薄くて、寒気にあうとすぐに黄色くなると考えられます。
笹(ササ)の仲間で、ニッコウザサ、オオバザサ、ミヤコザサも美しい隈があります。

ササの葉は、古くからおきぎり、チマキザサは新潟の名物のササダンゴのように、食べ物を包むのに利用されています。笹ずし、笹だんご、笹あめ、ちまきなどがあります。
新潟には、名物の「笹だんご」が有名です。