小柴胡湯(しょうさいことう) | ||||||||||
適応症 | かぜ感冒 | 気管支炎(気管支カタル) | 百日ぜき | ぜんそく(気管支ぜんそく) | 小児ぜんそく | 肺結核 | 肋膜炎 | 胃炎(胃カタル) | 胃・十二指腸かいよう | 十二指腸かいよう |
肝炎 | 肝硬変 | 胆石、胆のう疾患 | 胆のう炎 | すい炎 | 腹膜炎 | 腎炎 | ネフローゼ | 腎盂(じんう)炎 | 腎臓結石 | |
膀胱結石、尿路結石 | 貧血症 | へんとう炎 | 中耳炎(ちゅうじえん) | 耳下腺炎 | 麻疹(ましん) | 産褥(さんじょく)熱 | 乳房炎 | フリクテン | 角膜炎 | |
虹彩炎 | 鼻炎 | 蓄膿症(ちくのうしょう) |
目標 | 胸や脇腹が重苦しく、微熱があったり、熱感と悪感(おかん)が交互にあったりして、食欲不振で口にがく、ときに舌には白苔(はくたい)があり、悪心(おしん)、嘔吐(おうと)、咳嗽(がいそう)を伴うなどの症状があるもの。 |
構成 | 柴胡(さいこ):4 | 半夏(はんげ):3 | 生姜(しょうきょう):3 | 黄今(おうごん):2 | 大棗(たいそう):2 |
人参(にんじん):2 | 甘草(かんぞう):1 |
備考 | 本方は、「柴胡剤(さいこざい)」の代表処方で、体力中等度の人の季助下部の圧痛抵抗「胸脇苦満(きょうきょうくまん)という」、寒熱往来(かんねつおうらい)「悪寒と熱感を交互に感じる」、食欲不振があり、口が苦く悪心(おしん)、嘔吐(おうと)があって、舌に白苔(はくたい)を生ずるなどの症状を目標に使用します。
本方は、極めて、応用範囲の広い処方です。まず、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)との合方を、柴朴湯(さいぼくとう)と呼び、気管支ぜんそくの発作時ではなく、緩解に体質改善的に用います。また、亜急性・慢性の咽頭炎や中耳炎には、本方に桔梗石膏(ききょうせっこう)を合わせて用います。五苓散(ごれいさん)との合方を柴苓湯(さいれいとう)といって、腎炎・ネフローゼあるいは、慢性肝炎の代表処方となります。また、慢性肝炎には、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)との合方がしばしば用いられます。 |