アオギリ           (アオギリ科アオギリ属:落葉高木:樹高 〜15メートル:花期 〜7月)

薬効
血圧降下  動脈硬化予防 腹痛・胃痛 健胃
 
分布生育場所

科名:アオギリ科/属名:アオギリ属
和名:青桐/生薬名:悟桐子(ごとうし)/学名:Firmiana simplex
沖縄、中国、台湾、インドシナの亜熱帯
江戸時代の始めに中国から渡来した。伊豆半島、紀伊半島、四国、九州の沿海地域に野生化。庭木、公園、街路樹に植栽

アオギリの花アオギリの種子

見分け方・特徴

亜熱帯地域に自生する雌雄同株の落葉高木で高さ15メートルになる
樹皮は緑色でなめらか、古くなると灰白色になる、若枝にはやわらかい星状毛がある
葉は、枝先に集まってつき互生、長さ幅とも15〜25センチ、大型で3〜5裂の掌状、葉縁は全縁、基部は心形
花は、5〜7月に枝先に大型の円錐花序を出して帯黄色の小花を多数つけ、ひとつの花序に雄花と雌花が混じってつく
5個の花弁に見えるのが細いがく片で反り返る。雄花は花糸が合着して長さ約1.2センチ先端に葯が球状に集まる。雌しべは退化している
果実は、黄緑色の袋果で長さ8〜10センチ、成熟する前に5裂してはぜると、遠くにはじき飛ばされる、裂片には数個の種子がある
種子は、不規則な球形直径約0.8センチ、網状のしわがある
戦時中には、コーヒーの代用にした
採集と調整
薬用部分は、葉と種子。
葉は、春〜夏まで採取して、細かく刻んで天日で乾燥して、ミキサーで粉末にして保存する。
種子は、10〜11月に熟した果実を採取してたたいて種子を集めて天日で乾燥させたものを、生薬名で
悟桐子(ごとうし/Firmianae Semen)と呼ぶ
薬効・用い方
種子には、caffeine、脂肪油(奇数炭素脂肪酸のsterculicacid)、葉にはルチン、シトステロール、ベータ・アミリンなど

血圧降下、動脈硬化予防には、葉の粉末に熱湯を入れて、1日3回食後に飲用する

腹痛・胃痛には、乾燥した種子10グラム水0.6リットルを煎じて1日3回に分けて服用する。即効性があり症状が改善するという
種子は、飲み続けると健胃の効果があり、種子を潰して白髪に塗ると毛が黒くなるという
その他
名の由来は、葉が桐(きり)に似ていて樹皮が緑色をしていることから、青桐(あおぎり)の名になった

中国名は、
悟桐(ごとう)で、戦時中は、種子を炒って、コーヒーの代用として飲んだという
アオギリは、生長が早く公園、街路樹に多く植栽されていて、材は器具材に利用される