カワラケツメイ (マメ科カワラケツメイ属:1年草:草丈 〜60センチ:花期 〜10月)
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薬効 |
腎炎
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黄疸
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慢性便秘 |
脚気 |
滋養強壮
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せき・たん
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小便不利
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インポテンツ
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分布生育場所 |
科名:マメ科/属名:カワラケツメイ属
和名:河原決明/別名:ネムチャ/マメチャ/学名:Cassia mimosoides subsp. nomame
本州、四国、九州の日当たりのよい原野、河原、道端、荒地に群れる1年草。
マメ科カワラケツメイ属ハブソウ(波布草/生薬名:望江南(ぼうこうなん))
マメ科カワラケツメイ属エビスグサ(夷草/生薬名:決明子(ケツメイシ))
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見分け方・特徴
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カワラケツメイの草丈は40〜50センチで、茎はやや堅く毛があり、中空ではありません。葉は互生し、偶数羽状複葉で、左右不均衡に多数の小葉をつけています。
花は8〜10月頃葉の脇の小枝に1〜2個の小花をつけます。
花は黄色で径約7ミリ、花弁は5弁でそれぞれの花弁はほぼ同形、倒卵型をした放射状花で、一般適な蝶形花をつけるマメ科植物より原始的なものです、雄ずいは4本あります。
果実はさや果で平たく、長さ3〜4センチで表面に細毛が生えています。 |
採集と調整 |
カワラケツメイは、8〜9月頃、花と果実をつけた全草を採集し、水洗いして数本づつ束ねて、日陰に吊るして、2センチ程の長さに刻み乾燥させます。
これを生薬の、山偏豆(さんぺんず)をあてているが、生薬山偏豆(さんぺんず)は、北アメリカ原産(学名Cassia mimosoides L.)の草本で、中国での帰化植物で、漢名を含羞草決明と呼び、生薬名を山偏豆(さんぺんず)としている。
カワラケツメイとの違いは、路傍、水辺に自生、高さ30〜45センチ、葉も似ていて、山偏豆(さんぺんず)は、雄しべが10本、カワラケツメイは、雄しべが4本が違う |
薬効・用い方 |
有効成分:全草に少量のアントラキノン類、フラボノール類、種子には、脂肪油、ベータ・シトステロールほか
強壮、利尿、鎮咳薬として脚気(かっけ)、腎炎、黄疸(おうだん)、偏頭痛、慢性便秘、夜盲症、インポテンツなどに用います。
カワラケツメイの利用は民間薬としては、利尿、緩下薬ていどにしますが、1日量20グラムを煎じて、茶と同じようにして飲みます。布袋又は和紙の袋などに入れて煎じると細末などがでません。
少し炒った方が飲みやすく、また効き目もあります。あまり、多量に服用すると腹痛や下痢を起こすことがありますので、人によって服用の量を決めるようにします。
茎葉を摘んで茶の代用として古くから飲用され、弘法茶と呼ばれています。
そのほかにも「ネムチャ」、「マメチャ」、「ハマチャ」等の別名があり、最近の健康茶ブームでカワラケツメイもその一種として利用されています。アントラキノン系の成分が含有されていますので、緩下作用があります。エビスグサやハブソウの種子と同様の薬効が期待できます。
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その他 |
カワラケツメイの名前の由来は、薬効が決明(けつめい・エビスグサ)に似ていて、川原に多く自生することからこの名がつきました。
また、他にも色々な呼び名があります。カワラケツメイの葉がネムノキに似ていて、お茶のように飲むことから「ネムチャ」や、浜辺の湿地に多く自生することから「ハマチャ」、種子がマメのように見えるので「マメチャ」などと、地方により色々な呼び名で広く親しまれています。
日本の古書で、飯沼慾斎(いいぬまよくさい・1783〜1865)があらわした「草木図説(そうもくずせつ)」には「原野ニ多ク生ジ、葉合崩(くさねむ)ニ似テ・・・・・茎葉ヲ採テ茶ニ代ルコトアリ、故ニ之ヲ子ムチャト名ク」との記述がありますので、ネムチャと呼ばれたこともあります。
生薬名で、山偏豆(さんぺんず)とされていますがこれは誤用のようです。 |