イノコズチ
(ヒユ科イノコズチ属:多年草:草丈 1メートル:花期 〜10月)
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薬効 |
月経不順 |
むくみ(浮腫・水腫) |
リューマチ |
神経痛(しんけいつう) |
脚気 |
関節痛 |
腰痛 |
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分布生育場所 |
科名:ヒユ科/属名:イノコズチ属 和名:猪子槌/生薬名:牛膝(ごしつ)/学名:Achyranthes
japonica
本州、四国、九州の低山や林の中などの半日陰の場所に自生
日本全土の日当たりのよい原野、路傍、庭さきに自生するヒナタノイノコズチ、トウイノコズチ
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見分け方・特徴
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茎は四角で堅く、上向きに短い毛が生え、ふくらんだ節があって下部の節ほど赤味をおびています。 葉は対生で短い葉柄があり、両端の尖った楕円形の全縁で、長さ5センチから15センチで、両面に毛が散生しています。夏頃から茎頂と葉の脇に、細長い花穂を出し、淡緑色の小花をつけます。かなり密に穂状につき、花穂の下から順々に上へ開花します。花後、花被は下に曲がり、果実は斜め下を向きます。 秋頃熟果は簡単に花軸から離れるようになり、苞の刺によって人畜に附着して、遠くにまで散布されます。 イノコズチは、ヒカゲノイノコズチともいいます。ヤナギイノコズチ、ヒナタイノコズチがあり、ヒナタイノコズチは日本から中国に自生するものでイノコズチより根の肥大がよく、薬用として用いるのはヒナタイノコズチの方です。
イノコズチに比較して葉質が厚くて、茎葉に毛が多く、とくに葉の表側には粗毛があります。果実は全て下垂し、自生地も陽地が多いようです。 |
採集と調整 |
ヒナタイノコズチを、秋から冬、地上部が枯れたころに根を掘り採り、水洗いして天日で乾燥させます。これを生薬で牛膝(ごしつ)といいます。
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薬効・用い方 |
利尿、浄血、月経不順、浮腫、リューマチ、脚気などには、牛膝1日量5〜10グラムに、0.4リットルの水を加えて、煎じながら約半量に煮詰めたものをこして、1日3回に分けて服用します。 子宮収縮などの作用があり、妊婦は堕胎の恐れがあるので使用は避けます。 また、胃アトニー、胃下垂などの病気の場合も使用は避けます。 関節痛、腰痛、神経痛には、さらに呉茱ユ(ごしゅゆ)約5グラムを加えて、煎じたものはいっそう効果があります。
外陰部の炎症に乾燥した、全草100グラムに約1.5リットルの水を入れて煎じ、約3分の2になるまで、煮詰めたもので、1日数回炎症がなくなるまで洗います。
虫刺されなどには、生の葉をよく洗いもんで、その汁を直接患部に塗布します。 |
その他 |
イノコズチの根にはイノコステロン、エクジステロン、ルブロステロンなどの昆虫変態ホルモンが、含まれていることが知られていますが、薬効との関係は明らかではありません。 その他では、アミノ酸、コハク酸、シュウ酸などのカリウム塩、サポニン、粘液質などを含有
イノコズチの名前の由来は、中国では、茎の節のふくらみが、牛の膝頭(ひざがしら)に似ているとして牛膝(ごしつ)という漢名があります。 日本では、本草和名(ほんぞうわみょう・918)には、「牛膝、和名為乃久都知(いのくづち)、一名都奈岐久佐(つなぎぐさ)」という記述があります。 これは、猪の子槌(いのこづち)の意味で、イノシシの子の膝頭に似ているということからつきました。 また、別名では衣服に果実が付くのでトビツキグサという地方もあります。
若葉、若い穂はてんぷら、バター炒め、ごまあえ、からしあえなどにして食べます。
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