レンノックス症候群

レンノックスショウコウグン

【英】Lennox syndrome

【独】LennoxSyndrom

【仏】syndrome de Lennox

同義語:レンノックス・ガストー症候群LennoxGastaut syndrome

 

ガストー Gastaut1966)によって提唱された比較的新しいてんかん用語.レンノックスLennoxによる発作型の分類では,小発作異型とされていた全般性遅‐徐波型のてんかん脳症epileptic encephalopathy with diffuse slow spikeandslow wave dischargeWHO, 1968)で,てんかん国際分類では,続発性全般てんかんの中に含まれる難治性てんかん.瞬時に転倒することを主症状とするため転倒発作drop seizure,失立発作astatic seizure,無動発作akinetic seizureなどと呼ばれ,発作の構成要素は筋緊張の突然の喪失とされていたが,ほとんどの例で強直発作,約半数に非定型欠神がみられ,筋緊張喪失が中核的症状ではないことが明らかにされてきた.全てんかんの34%を占め,34歳に好発する年齢依存性てんかんで,青年期に発症するのはきわめてまれとされる.成因不明で,多くは精神発育遅滞ならびに脳萎縮像を伴う.脳波上,発作間欠期に,1.52.5 Hzの偽律動性棘徐波pseudorhythmic spikewaveを示す(William Gordon Lennoxはアメリカの神経学者,18841960).