光学異性体

コウガクイセイタイ

【英】optical isomer

【独】optisches Isomer

【仏】isomere optique

 

立体異性体*の一つで,旋光性以外の物理的化学的性質は同じであるような異性体をいう.光学異性体は,その分子またはイオンが不斉の立体構造をもつとき(すなわち第2種の対称要素である対称心・鏡映面・回反軸を欠くとき)存在し,有機化合物や金属錯体に広く認められる.光学異性体をその化学構造から分類すると, 1)分子内に不斉原子をもつもの, 2)分子不斉となっているもの,の2つに分けられる. 1)の不斉原子としては,不斉炭素原子*がよく知られているが,ほかの4価の原子(N, S, Se, Sn, Si, Pなど)や6個の配位子をもつ金属原子も不斉原子となりうる.これらの原子は互いに相異なる4個(金属錯体では6個)の原子または原子団(配位子)を結合するとき不斉原子となる.しかし,図(III3)のような化合物では,その構造が対称形であるため旋光性を失う. 2)の分子不斉とは,分子全体としての構造上旋光性の原因となる非対称性を生じるような分子をいう.→エナンチオマー

→図